気温37℃超、電波ゼロ、見渡すかぎり人っ子ひとりいないソノラ砂漠のど真ん中。バイクがガス欠で止まってしまった投稿者は、ようやく停まってくれた一台の車に飛び乗ります。でも、よく考えたら――「車を停めたのは、いったいどんな相手なんだ?」。投稿者が本当にやらかしたのは、ガス欠じゃなく「相手を知る前に決めつけてしまったこと」でした。
※注:ソノラ砂漠はアメリカ南西部からメキシコにまたがる広大な砂漠。夏は日中40℃近くまで上がり、人家も電波も届かない一帯が延々と続きます。
何をやらかした?
📌 灼熱の砂漠でガス欠になったバイク乗りが、最初に停まった見知らぬ車にヒッチハイク。運転手のおじいさんを「誘拐犯かも」と内心ビクビク警戒し続けたが、最後まで話を聞いてみると、亡き妻を想い砂漠に隠遁していた優しい老人だった――決めつけてしまった自分を恥じた、という告白。
事の発端
砂漠の真ん中でガス欠
投稿者はバイクでソノラ砂漠を走っていました。ところが、よりによって人家も電波もない一帯でガソリンが尽きてしまいます。気温は37℃超え。携帯はもちろん圏外。助けを呼ぼうにも、まわりには文字どおり誰もいません。砂漠でのこの状況は、ヘタをすれば命にかかわります。
「拾われやすいヒッチハイカー」を演じることに必死だった
とにかく車を停めてもらわないと話にならない。投稿者は道端に立ち、「拾ってもらいやすい、感じのいいヒッチハイカー」に見えるよう必死で自分を演出します。ところが――本人いわく、このとき頭がいっぱいで肝心なことを考えていませんでした。「自分がどう見えるか」ばかりに気を取られて、「停めてくれる相手がどんな人か」をまるで想定していなかったのです。
やらかしの一部始終
予想と違う出口、メキシコ方面へ45分
ようやく一台の車が停まり、投稿者は乗り込みます。運転していたのは年配の男性。ところが車は、投稿者の予想とは違う出口で幹線道路を降りていきました。「ここが一番近いガソリンスタンドなんだ」と男性は言い、車はメキシコ方面へと延びる未舗装の道を、なんと45分も走り続けます。
投稿者は内心、「これはもう誘拐だ」と覚悟を決めかけていました。それでもどこか冷静で、「まあ時速16kmくらいだし、相手はおじいさんだし、いざとなったら身をかがめて転がり出て走って逃げればいい」と算段していたそう。緊張しつつも「とりあえず成り行きを見てやろう」という妙な落ち着きの中にいました。
「あの風車のなかのヘビ、見える?」
やがて車は一軒の家に到着。男性はなぜか自慢のアーティチョーク(食用の花野菜)の畑を投稿者に見せはじめます。ここでようやく投稿者は口を開きました。「あの……なんで僕たち、あなたの家にいるんですか?」。男性は一瞬きょとんとして、「ガソリン缶だよ!」と言い、缶を取りに行きました。投稿者はほっと胸をなでおろします。
さあ出発、というそのとき。男性が立ち止まって言いました。「あれ、見えるか?」「……風車のことですか?」と窓の外を見る投稿者。「いや、風車のなかのヘビだよ……」。もちろん、風車のなかにヘビなんていません。怖いやら困惑するやらで投稿者が浮かべた表情を、男性はなぜか「同意」と受け取り、満足げにこう続けました。「だろう? いま、それについて本を書いてるんだ」。畑の脇のポンプから、係員の姿もないままガソリンを補給してもらいます。
その後
「やれやれ、ガソリンは手に入ったし、変なおじいさんの面白い土産話もできた」――投稿者は内心そう思っていました。ところが帰り道、男性がぽつぽつと身の上を語りはじめます。「10年ほど、砂漠でじっと心を落ち着けたかったんだ」。心を落ち着ける時間を10年単位で数える人がいるのか、と投稿者は驚きます。
でも、話はだんだん重みを帯びていきました。男性の奥さんは病気で亡くなっていたのです。看病しながら仕事を続けることはできず、彼は妻と過ごす時間を選び、その代わりに経済的にはすべてを失いました。それでもその選択を後悔してはいない、それだけははっきりしていました。彼が今も奥さんを命より深く想っていることが、声の調子から痛いほど伝わってきます。「大切な人を失った声の調子からは、その人への愛が聞こえてくるんだ――あの日、自分はそれを知った」と投稿者は綴っています。
ガソリンの礼を言うと、男性はこう返しました。「こちらこそ、ひとりの人間として接してくれてありがとう」。その言葉に投稿者は胸が詰まりました。ずっと相手を値踏みしていた自分が、ちゃんと話を聞いてはじめて、彼を理解しはじめたのです。男性は投稿者をハグし、何本かの手巻きを手のひらにそっと握らせ(マリファナの話なんて一度も出ていなかったのに)、去っていきました。投稿者はその後ろ姿を、まるで天使を見送るように見つめたといいます。本当のやらかしは、相手を知る前に決めつけてしまったこと。この日を境に、見知らぬ人との接し方がすっかり変わったそうです。
海外の反応
1. やらかし名無しさん
同じ車に殺人鬼が2人乗り合わせる確率ってどれくらいなんだろう。投稿者もおじいさんも、お互いを内心ビビり倒してたパターンの可能性ある。
2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
さて、どっちが先に逃げ出すか見ものだな。お互い「いざとなったら転がり出て逃げる」って考えてたら笑う。
3. やらかし名無しさん
これ、どこが「やらかし」なの? ガス欠から始まって、最後はめちゃくちゃ良い話になってるじゃないか。むしろ得した話では。
4. やらかし名無しさん(>>3への返信)
たぶん「ちゃんと話を聞く前に、相手を勝手に危ない奴だと決めつけた」ことがやらかし、って意味だと思う。気持ちは分かるけどね。
5. やらかし名無しさん(>>3への返信)
砂漠のど真ん中でガス欠、って時点で立派なやらかしでは……? 給油ランプ、ちゃんと見ようね。
6. やらかし名無しさん
万が一これが作り話じゃないなら、そのおじいさんに連絡してあげてほしい。声に愛が聞こえる人なんて、そうそういないよ。
7. やらかし名無しさん(>>6への返信)
というか会いに行ってあげて。砂漠で10年ひとりって、想像するだけで胸が痛い。
8. やらかし名無しさん
「今日はあなた、明日は私」。困ってる人を助けたら、いつか自分も誰かに助けられる。そういう優しさの巡り合わせってあると思う。
9. やらかし名無しさん
時速16kmで45分、メキシコ方面の未舗装路をひた走る……その間ずっと「いつ逃げ出すか」を計算してたの、想像したら笑ってしまった。緊張感がすごい。
10. やらかし名無しさん
あの……風車のなかのヘビについて本を書いてるって、結局なんだったの。そこだけ妙に引っかかって頭から離れない。
11. やらかし名無しさん(>>10への返信)
こっそりホンモノのヘビを風車に仕込んであげれば、おじいさんの本が完成するよ。
12. やらかし名無しさん(>>10への返信)
いや、風車にヘビの絵を描いてあげるのが優しさだろ。「ほら、いたでしょ?」って。
13. やらかし名無しさん
正直、見知らぬ車に乗るのは危ない。でも電波も人もいない砂漠で37℃なら、乗らない方が死ぬ。選択肢がないってこういうことなんだよな。
14. やらかし名無しさん
長距離バイクや徒歩旅をしてると、こういう話に何度も出会う。世の中、変わった人は多いけど、たいていは本当に親切なんだよね。もっとこういう話を聞きたい。
15. やらかし名無しさん(>>14への返信)
分かる。トラブルのときほど、見ず知らずの人の優しさに救われる。投稿者がそれに気づけたのが一番の収穫だと思う。
16. やらかし名無しさん
奥さんの看病のために仕事を手放して、すべてを失っても後悔してない――ここで完全にやられた。砂漠の変人だと思ってごめんなさい、ってなる流れがうまい。
17. やらかし名無しさん
結局このあと、無事に砂漠から帰れたんだよね? バイクのところまでちゃんと送ってもらえたのか、そこが地味に気になる。
18. やらかし名無しさん(>>17への返信)
たぶんガソリン缶積んで戻ったんだろうけど、確かにその辺すっ飛ばされてるよね。良い話に持っていくの優先で。
19. やらかし名無しさん
最後にハグして手巻きを握らせて去っていくの、完全に映画のワンシーン。砂漠を背に走り去る車、絵が浮かびすぎる。
20. やらかし名無しさん
人を見た目や第一印象で決めつけてしまうの、自分にも身に覚えがありすぎてグサッときた。ちゃんと話を聞くだけで世界の見え方が変わる、いい教訓だ。
21. やらかし名無しさん
砂漠ツーリングで予備のガソリン携行缶を積んでないのは普通に装備不足だと思う……。でもそのおかげでこの出会いがあったと思えば、結果オーライなのかもしれない。
まとめ
灼熱の砂漠でガス欠になり、藁にもすがる思いで乗り込んだ車。運転手を「誘拐犯かも」と疑い続けた投稿者でしたが、最後まで話を聞くと、そこにいたのは亡き妻を想い砂漠で静かに暮らす優しい老人でした。海外の反応は「殺人鬼2人説」のツッコミや「風車のヘビ」いじりで盛り上がりつつ、終盤の身の上話には「決めつけてごめん、と思った」「人の優しさに救われた話だ」と多くが心を動かされていました。本当のやらかしは、相手を知る前に決めつけてしまったこと。砂漠の真ん中で受け取ったのは、ガソリンと、ちょっと忘れがちな「まず話を聞く」という当たり前でした。

