飲み物は頼んだものと違う。料理はいつまで待っても出てこない。彼女の父親の前に届いたステーキは、もう冷めていた。久しぶりに彼女の両親を招いた食事会で、店を選んだのも予約を入れたのも自分である。責任を感じた投稿者は、待たされている時間にテーブルの下でスマホを開き、星2つのレビューを書いて投稿した。その10分後、店長がテーブルまでやってきて、投稿者のフルネームを呼んだ。
※注:グーグルの地図に付くお店のレビューは、書き込むと投稿者のアカウント名がそのまま表示される。実際の氏名で登録している人も多く、匿名のつもりで書いていても名前が出ていることがある。店舗側も、新しいレビューが付いたときに通知を受け取る設定にできる。つまり、店内にいるうちに書き込むと「今この時間に来ている客の誰か」まで絞り込めてしまう場合がある。
何をやらかした?
📌 彼女の両親との会食中、あまりのサービスの悪さに腹を立て、席に座ったまま星2つのレビューを投稿してしまった。10分後、通知で気づいた店長がテーブルに来て、フルネームで呼びかけてきた。予約も同じ名前で入っていたため、誰が書いたのかを突き止めるのは難しくもなんともなかった。店長は丁寧に謝り、2人分の食事代を無料にしたうえで「投稿する前に、なぜ誰かに言ってくれなかったんですか」と尋ねた。そのやり取りを、彼女の両親は最初から最後まで聞いていた。父親は大笑いし、母親は明らかにそうではなかった。さらに店長は無料のデザートまで運んできて、投稿者は自分が星2つを付けた店の店長の目の前で、20分かけてチーズケーキを食べる羽目になった。
事の発端
久しぶりの顔合わせ、店を選んだのも予約したのも自分
投稿者はこの日、彼女とその両親の4人で夕食に出かけた。両親が二人のところへ来るのは久しぶりで、投稿者としては気合いの入る場面である。だからこそ店選びは自分で引き受けた。まわりの人間が口をそろえて勧める評判の一軒を選び、予約の電話も自分の名前で入れている。この「自分の名前で予約した」という一点が、あとで効いてくる。
出だしから、すべてが少しずつずれていく
ところが、始まってみるとサービスが散々だった。まず、運ばれてきた飲み物が頼んだものと違う。次に、料理がいつまで待っても出てこない。ようやく届いた彼女の父親のステーキは、投稿者の言葉を借りれば「ほぼ冷えていた」。ひとつひとつは店側の言い分もあるだろう小さな不手際だが、重なると印象は決定的になる。しかもこの日の卓には、投稿者が「ぜひここに」と誘った彼女の両親が座っている。自分が選んだ店が自分の顔を潰しにきているようなもので、投稿者の中の腹立たしさは、待ち時間と一緒にじわじわ膨らんでいった。
やらかしの一部始終
テーブルの下で、星2つ
料理を待つ手持ち無沙汰のなか、投稿者はテーブルの下でスマホを取り出した。そして、グーグルのレビュー欄に文章を打ち始める。書いたのは短い悪口ではない。飲み物を間違えられたこと、料理がまったく出てこないこと、ステーキが冷めていたこと——起きたことを一つずつ、かなり細かく並べた説明文である。評価は星2つ。そして投稿者は、その場で送信ボタンを押した。
10分後、店長がフルネームで呼びに来た
およそ10分後、店長がテーブルに歩いてきた。そして投稿者のフルネームを口にし、「少しお話しさせていただけますか」と切り出す。店長は新しいレビューが付くと通知を受け取る設定にしていて、その日の予約も同じ名前で入っていた。書いたのが誰かを突き止めるのに、推理はほとんど必要なかったわけである。
「投稿する前に、なぜ誰かに言ってくれなかったんですか」
ここで店長が怒鳴りでもすれば、投稿者にはまだ逃げ道があった。ところが店長の態度はきわめて丁寧で、それが逆に投稿者を追い詰めた。店長は起きたことすべてについて謝り、4人分のうち2人分の食事代を無料にすると申し出た。そのうえで、静かにこう尋ねたのである。投稿する前に、なぜ誰かに一言言ってくれなかったのか、と。返す言葉はなかった。そして最悪なことに、このやり取りは彼女の両親のすぐ目の前で行われていた。二人は会話を丸ごと聞いていたのである。
その後
反応は両親できれいに割れた。彼女の父親はこの一部始終を最高に面白いと思ったらしく、大笑いしている。彼女の母親のほうは、投稿者の書き方によれば「明らかにそうではなかった」。冷めたステーキを出された当人が笑い、隣で見ていた側が笑わないというねじれた構図である。
追い打ちはまだ続いた。店長が、無料のデザートを持って戻ってきたのである。かくして投稿者は、自分がついさっき星2つを付けたばかりの店で、その店の責任者の目の前に座ったまま、20分かけてチーズケーキを食べることになった。逃げるわけにもいかず、まずいと言えるはずもなく、彼女の母親の視線もある。おそらく人生で最も味のしないチーズケーキだったはずだ。
投稿者は最後に一行だけ、はっきりと書き残している。レビューは書き直した、それだけは間違いない、と。海外の掲示板でこの告白が広まると、コメント欄は「店長の対応が見事だ」という称賛と、「そもそも先に店へ言えばよかっただけの話」という説教、そして「いや、サービスが悪かったのは事実なんだから星2つは正当だろう」という擁護に、きれいに三分割された。
海外の反応
1. やらかし名無しさん
この店長の対応にはかなり感心した。言っていることも正しくて、まずは店のスタッフか責任者に直す機会を与えるべきだったと思う。とはいえ、店長のほうもきちんと落とし前をつけているし、なかなかの冒険譚だったのでは。
2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
自分は、あとから無料でいろいろ出してもらえるとしても、そんなにサービスの悪い店だと知っていて行きたいとは思わない。実際に受けたサービスについて書くのは公正なことだ。文句を言って初めて引き出せるサービスのほうを基準に書く義理はない。
3. やらかし名無しさん
自分もピザ屋で同じことをやったことがある。そうしたら厨房のほうから、自分の書いたレビューをわざと大げさな声で読み上げているのが聞こえてきた。あれはあれで、けっこうこたえる。
4. やらかし名無しさん(>>3への返信)
その場でレビューに追記だ。「追記:この店は、指摘された点を直す代わりに、厨房で悪いレビューを声に出して読み上げます」。星がさらに一つ減る立派な理由になる。
5. やらかし名無しさん
これはレビュー制度がきちんと働いた例だと思う。客が感想を出して(節度のある書き方だったことを願うが)、店がその場で改善して見せて、客が評価を書き直した。全員が得をして終わっている。
6. やらかし名無しさん(>>5への返信)
いや違うと思う。店で困ったことがあったなら、まず担当のウェイターか責任者に伝えるべきだ。ひどい仕事をしてやろうと思って出勤している人間なんていない。手違いがあったなら、直す機会くらいは渡してあげてほしい。
7. やらかし名無しさん
「ご様子いかがですか」「最高です、ありがとうございます」——このやり取りが挟まっていた可能性を考えると、いっそう笑える。星2つを打ち込んでいる最中に満面の笑みで答えていたなら、もう演技力の問題だ。
8. やらかし名無しさん
彼女のご両親と食事をしているのに、テーブルでスマホを打ち続けているのはさすがに感じが悪いのでは。料理が来ない待ち時間こそ、ちゃんと話をして印象を良くする絶好の機会だったのに、それを自分で潰している。
9. やらかし名無しさん(>>8への返信)
投稿者が書いているのは「久しぶりに会った」であって、初対面ではないよ。そこを読み違えると、話がずいぶん厳しい方向にずれてしまう。
10. やらかし名無しさん
そもそも、なぜその場で一言言わなかったのかが不思議でならない。飲み物が違う時点で伝えれば、たぶんそれ以降の流れは全部変わっていた。黙って耐えて、黙って星を減らすのが一番こじれる。
11. やらかし名無しさん(>>10への返信)
今が何年だと思っているんだ。今どきの人間は、人間に直接話しかけたりしない。店員に声をかけるくらいなら、無言でスマホに恨みを打ち込むほうを選ぶ。それが現代というものだ。
12. やらかし名無しさん
店長の対応が良かったのは認める。ただ、レビューを見張って書き手を特定して、その席だけ手厚くもてなす時間があったのなら、なぜその時間をフロアに出てスタッフを手伝うほうに使わなかったのか。そうすればサービス自体が良くなっていたはずだ。
13. やらかし名無しさん(>>12への返信)
公開されてから初めて動いたように見えるのが引っかかる。本来は、料理が行き渡ったあたりで店内のテーブルを一通り見て回るのが仕事のはずだ。
14. やらかし名無しさん
「店長の言うとおり」という意見が多いけれど、人と揉めるのがどうしても苦手な人だっている。今回はたまたま良い店長だっただけで、苦情を言った途端に態度を変える店長も世の中には普通にいる。店内で書こうが店を出て5分後に書こうが、受けたサービスが悪かった事実は変わらない。今回たまたま店内で書いたから改善されただけの話で、レビューを書いたこと自体は責められないと思う。
15. やらかし名無しさん(>>14への返信)
店長が言っているのはそこではないと思う。公開の場に出す前に、店側に直す機会を一度渡してくれませんか、という話だ。つまりレビューが唯一の手段ではなく、まず店に伝えるほうが順番として先だということ。
16. やらかし名無しさん
自分も似た経験がある。地元のチェーン店のテーブルに「ご感想をお聞かせください、100ドル(約1万5千円)が当たるかも」という二次元コードが置いてあった。10点中5点をつけて「付け合わせが少なすぎる。自分は40歳であって4歳ではない。この値段で腹を空かせて帰らされるのはおかしい」と書いて送信し、スマホに戻った。2分後に「失礼します、当店の店長です。空腹のままお帰しするわけにはいきませんので、付け合わせをもう二皿お持ちしました」と来た。「え、もう届いたんですか」と聞いたら、笑いながら「一定より低い点数が付くと、システムが即座に携帯へ転送してくるんです。今は空いていますから、まあ95パーセントお客様だろうと」。慌てて皮肉っぽい書き方を謝った。
17. やらかし名無しさん
「なぜ誰にも言わなかったのか」という質問は、店を仕切っている側の言葉としてはおかしい。1時間以上テーブルに座らされている客がいるなら、良い店なら店長のほうから様子を見に来るものではないのか。冷めた料理が出ていることに気づいていなかったのなら、それは店側の落ち度だ。
18. やらかし名無しさん
飲食で20年働いている。自分たちはこの仕事にかなりの誇りを持っていて、お客さんに気持ちよく過ごしてほしいと本気で思っている。とはいえ人間なので、調子の悪い日もある。次からはウェイターに柔らかく一言伝えるか、席を立って入口のところで店長を呼んでもらってもいい。ただ正直に言うと、店内にいるうちに書かれたら、こちらは全力で挽回しにいく。
19. やらかし名無しさん(>>18への返信)
これは本当にそうで、崩れる卓は最初の一つが崩れると全部崩れる。席案内でつまずいて、次に飲み物が入れ替わって、そのあと料理——まさに投稿者が書いているとおりの順番だ。ほかの卓は何事もなく回っているのに、その一卓だけそうなることがある。だから店長は、間違いを教えてもらって直す機会をありがたく思う。
20. やらかし名無しさん
自分が気になったのはそこではなくて、名前が一発で割れる仕組みのほうだ。レビューにはアカウントの名前がそのまま出るし、予約も同じ名前なら照合するまでもない。匿名で書いているつもりの人はかなり多いと思う。正直な感想を書きにくくなるという意味では、これはこれで怖い話だ。
21. やらかし名無しさん
これのどこがやらかしなのか分からない。正直な評価を書いたら店長が出てきて問題が解決し、食事代は2人分無料になり、デザートまで付いた。むしろ最良の結末では。強いて言えば、彼女の母親の視線だけが唯一の被害だ。
22. やらかし名無しさん
自分は海外の旅行先で同じことをやったら、店長に脅されてその場でレビューを消させられた。今回の投稿者は、まともな店長に当たっただけでもかなり運がいい。ちなみに自分は、店を出てから書き直して投稿し直した。
まとめ
彼女の両親を招いた食事会で、店のひどいサービスに腹を立て、席に座ったまま星2つのレビューを投稿。10分後に店長がフルネームで呼びに来て、丁寧な謝罪と2人分の無料、そして「投稿する前になぜ言ってくれなかったのか」という質問を、彼女の両親の目の前で受けることになった。海外の反応は「先に店に伝えるのが順番だ」という声と、「受けたサービスが悪かったのは事実で、星2つは正当」という声に大きく割れ、そこへ「レビューを見張る時間があるならフロアに出ろ」という飲食店側への注文と、「名前が一発で割れるほうが怖い」という別方向の指摘が混ざった。教訓があるとすれば、一つだけ。文句は、書く前に言う。書いたあとで運ばれてくるチーズケーキは、たぶん一生で一番味がしない。

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