「派手な格好をしてるからそう言われてるだけでしょ」と友達に言い張った数秒後、検索結果を見た

「派手な格好をしてるからそう言われてるだけでしょ」と友達に言い張った数秒後、検索結果を見た SNS・デジタル

保守的な田舎町で育った投稿者は、カリフォルニアに引っ越して新しい友達ができた。ある日その友達が送ってきた動画で、クイーンのフレディ・マーキュリーが「ゲイの王様」と呼ばれていた。投稿者は素朴に思った。派手な格好をしている男性歌手は、だいたいそう言われるものでしょう——と。そして、それを口に出した。友達が黙り込み、スマホを取り出して検索するまで、わずか十数秒の出来事である。

※注:フレディ・マーキュリーはイギリスのロックバンド「クイーン」のボーカリスト。1991年に亡くなっている。日本では映画『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)の大ヒットで、当時を知らない世代にも一気に名前が広まった。文中の「保守的な町」は、アメリカでも特に宗教的な規範が強く、学校や周囲の大人が性に関する話題をほとんど扱わない地域を指す。同じ国の中でも、州や町が変わると前提知識がまるごと入れ替わることがある。

何をやらかした?

📌 投稿者は新しくできた友達に向かって「フレディ・マーキュリーがそう言われているのは、派手な服を着ているからでしょ」と言い張った。根拠は「婚約していた女性がいたと聞いたことがあるから」。友達は一瞬黙ったあと、静かに「フレディ・マーキュリーは、実際にそうだったんだよ」と返した。投稿者はその場で検索し、数秒で自分の負けを知る。以来、友達には毎日のようにいじられ続けている。

事の発端

両親以外の大人が、全員そろって何も教えてくれない町

投稿者はまず、自分から先に弁明を置いている。「言い訳をさせてもらうと、自分は保守的な町で育って、両親以外のありとあらゆる大人から、徹底的に世間から遠ざけられて育った」。

これは決して大げさな表現ではない。アメリカには、学校でも教会でも近所付き合いでも、性に関する話題が一律に「触れないもの」として扱われる地域がある。有名人の私生活も、音楽の背景にある文化も、大人の側が意図的に子どもの視界から外していく。悪意というより、それが正しい育て方だと信じられている土地の話だ。

結果として何が起きるかというと、周りの誰もが当たり前に知っていることを、その町の子どもだけが知らないまま大人になる。しかも本人には、自分が知らないという自覚がない。知らないことを知る機会そのものが、丸ごと取り除かれているからだ。

そして、カリフォルニアに引っ越した

投稿者はその町を出て、カリフォルニアに移った。アメリカ国内の引っ越しではあるが、文化的な距離でいえば海外移住に近い。新しい友達ができ、音楽の話をするようになった。ここまでは順調である。

ある日、その友達が動画を送ってきた。中でフレディ・マーキュリーが「ゲイの王様」と紹介されていた。投稿者はそれを見て、少しおかしいと思った。悪い意味ではなく、「またこれか」という感覚だったらしい。派手な衣装を着た男性歌手が、その一点だけを理由にあれこれ言われる場面を、これまでも何度か見てきたのだという。

やらかしの一部始終

「服装だけでそう言われてるんでしょ」

投稿者は友達にこう伝えた。「あの呼び方、なんかおかしくない?」。友達が理由を聞くと、投稿者は自分の考えを説明した。「気づいたんだけど、すごく派手な歌手って、たいてい男の人だけど、変わった服を着てるってだけでそう言われがちだよね」。

本人としては、むしろ擁護のつもりだったのだと思う。見た目だけで人の中身を決めつけるのはよくない、という話をしていたのだ。方向性自体は、まったく間違っていない。

婚約者がいた、という一点の根拠

投稿者には根拠もあった。フレディ・マーキュリーには婚約していた女性がいた、と聞いたことがあったのだ。これは事実である。若い頃に交際していた女性がいて、婚約していた時期があり、その後も彼女は生涯にわたって彼の親友であり続けた。本人が「いちばん信頼している相手」と語っていた人だ。

つまり投稿者が持っていた情報の断片は、間違っていなかった。そこから引いた結論だけが、きれいに外れていた。断片的な事実ほど、間違った結論を強い自信で支えてしまう。

友達が黙り、そして検索3秒

友達は少し黙ったあと、静かに言った。「フレディ・マーキュリーは、実際にそうだったんだよ」。投稿者は納得しなかった。婚約者の件があるからだ。そこで反論した。ここが分かれ道である。

そして、その場で検索した。投稿者の書き方を借りれば「非常に手早いグーグル検索を一回した結果、フレディ・マーキュリーは実のところ、ストレートではなかったと学んだ」。議論は始まる前に終わった。

ちなみに投稿者がこのとき「派手なだけの人」の例として並べた名前の中には、本人が公表している人物も含まれていた。つまり、反論の材料として持ち出した例のほうが、本題より大きなやらかしになっていたわけである。あとで海外の反応欄が最も盛り上がったのも、まさにその一行だった。

その後

投稿者は自分から負けを認めた。潔い引き際だったと思う。ただし、それで終わってくれるほど友達は優しくなかった。「友達がいじるのをやめてくれない(みんな本当に優しいですね、棒)」と本人が書いている。カリフォルニアでできた新しい友達は、どうやら容赦のないタイプらしい。

そして投稿者は、その日のうちに行動に出た。「今から映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観てる。なんてこった、学ぶことが多すぎる」。間違いを指摘されたその日のうちに、いちばん手っ取り早い教材に手を伸ばしている。この切り替えの速さは、正直かなり見習いたい。

さらに追記もある。この投稿が、アメリカのネット番組でこの手の失敗談を朗読するコーナーのネタに推薦されているのを、投稿者自身が見つけてしまったのだ。「もし本当にあの人の声で読み上げられたら、たぶん泣く。恥ずかしさと、純粋なうれしさの両方で」。世界中に自分の勘違いが知れ渡ったうえで、本人が半分うれしがっているのがこの話の一番いいところだと思う。

ついでに書いておくと、クイーンと日本の関係は決して浅くない。本国イギリスやアメリカで大ブレイクする前に、日本で先に火がついたバンドである。1975年の初来日では空港に大勢のファンが詰めかけ、本人たちが面食らったという話が残っている。もし投稿者が日本で育っていたら、この勘違いはもう少し早い段階で誰かに訂正されていたかもしれない。

海外の反応

1. やらかし名無しさん
「……ところで、エルトン・ジョンについてはご存じですか。本人がとっくに公表しているんですが」。投稿者が反論の例として挙げた人選が、この話のいちばんの見どころになってしまっている。

2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
今ごろ部屋で、自分が「派手なだけの人」だと思ってきた歌手を一人ずつ検索し直しているところだと思う。長い夜になりそうだ。

3. やらかし名無しさん
「エルトン・ジョンみたいに」の一行で、飲んでいたお茶が完全に気管に入った。本人にまったく悪気がなく、心から擁護しているつもりで書いているのが、なおさら効く。

4. やらかし名無しさん(>>3への返信)
本題よりも、例え話のほうが大きなやらかしになっているという珍しい構造をしている。投稿者は自分の主張を守ろうとして、自分の後頭部を殴っている。

5. やらかし名無しさん
豆知識だが、「クイーン」というバンド名を提案したのはフレディ本人だ。後年のインタビューで「この名前に別の意味があるのは分かっていた。でもそれは一面にすぎない」と語っている。分かったうえで堂々と選んでいるのが格好いい。

6. やらかし名無しさん
細かいことを言うようだけど、呼ぶなら「ゲイの王様」より「女王」のほうが収まりが良かったのでは。バンド名がクイーンなんだから、そこは揃えてほしかった。

7. やらかし名無しさん(>>6への返信)
「クイーンの王様」だと肩書きが渋滞する。というか、呼び方をめぐって別の議論が始まってしまって、投稿者の失敗がすっかり二の次になっているのが面白い。

8. やらかし名無しさん
何年か前に兄と話していて「当時はなんで誰も気づかなかったの」と聞いたら、「80年代は、堂々としていればかえって隠れられた時代だったんだよ」と返ってきた。あの一言はいまだに頭に残っている。

9. やらかし名無しさん
正直、笑いにくい。自分も二十歳を過ぎるまで知らなかった。家で音楽の話をしない家庭だったし、学校で誰かが教えてくれるわけでもない。知る機会がなければ、知らないままになるというだけの話だと思う。

10. やらかし名無しさん
保守的な町で、両親以外の大人全員から情報を絞られて育ったと本人が書いている。そこから引っ越して間もない人が、間違えて、その場で調べて、すぐ認めた。責める要素がどこにあるのかよく分からない。

11. やらかし名無しさん
クイーンは本国のイギリスやアメリカで大ブレイクする前に、日本で先に人気に火がついたバンドだ。1975年の初来日では空港にファンが押し寄せて大騒ぎになり、メンバー本人たちのほうが驚いていたという記録が残っている。

12. やらかし名無しさん(>>11への返信)
フレディは日本をずいぶん気に入っていたようで、来日のたびに骨董品や着物を買い込んでいたことでも知られている。自宅に日本間まで作っていたらしい。

13. やらかし名無しさん
一つだけ言っておくと、本人は生前、自分の指向にはっきりした名前を付けて公にすることをほとんどしていない。周りは片方に決めたがるけれど、本人が言わなかったことは、言わなかったままにしておくのが筋だと思う。

14. やらかし名無しさん(>>13への返信)
これが一番大事な指摘だと思う。投稿者は半分間違っていたけれど、笑っている側も半分しか合っていない。本人が名乗らなかった以上、完全な正解を持っている人はどこにもいない。

15. やらかし名無しさん
投稿者が「婚約していた女性がいた」と思っていた部分は、事実としては合っている。若い頃に交際して婚約した相手がいて、その後も生涯の親友だった。本人が「いちばん信頼している相手」と語っていた人だ。断片は正しくて、そこから引いた結論だけが外れていた。

16. やらかし名無しさん
投稿者の理屈そのものは、実は完全な間違いでもない。派手な衣装で知られたというだけの理由で、あることないこと言われてきた歌手は昔から山ほどいる。考え方の筋は通っていて、今回はたまたま当てはめる相手を間違えただけだ。

17. やらかし名無しさん
ついでに言うと、投稿者が並べていた名前の中には、本人が何も公言していない人も混ざっている。服装で勝手に決めつけるのはやめようという話をしながら、逆向きに同じことをやってしまうと元も子もない。

18. やらかし名無しさん(>>17への返信)
言われて気づいた。投稿者を笑っていた自分も、頭の中で似たような表を作っていた。決めつける向きが違うだけで、やっていることは同じだった。

19. やらかし名無しさん
「今から『ボヘミアン・ラプソディ』を観てる、なんてこった、学ぶことが多すぎる」の一文が良すぎる。間違いを認めたその日のうちに、いちばん手っ取り早い教材に手を伸ばしているのが偉い。

20. やらかし名無しさん(>>19への返信)
終盤のライヴエイドの場面まで行けば、細かい前提知識はどうでもよくなると思う。あそこは何回観ても効く。初見なら、なおさらだ。

21. やらかし名無しさん
自分の意見を出して、反論されて、その場で調べて、数秒で負けを認める。文字にすると簡単そうだけれど、これができない大人を毎日どこかで見かける。友達にいじられるくらい、安いものだと思う。

まとめ

「派手な格好をしているからそう言われているだけでしょう」——見た目で人を決めつけないでほしい、という善意から出た一言が、そのまま最大の勘違いになった。海外の反応は、例として挙げた人選への総ツッコミで始まりつつ、途中から「自分も知らなかった」という告白や、育った環境をふまえたフォロー、そして「本人が名乗らなかったことを、周りが片方に決めてしまうのもどうか」という落ち着いた指摘へと広がっていった。この話の一番いいところは、投稿者が反論した数秒後に自分で調べ、その日のうちに映画を観始めていることだと思う。知らなかったこと自体は、たいした失敗ではない。

元ソース: 「やっちまった、フレディ・マーキュリーはストレートだと友達に言い張ってしまった」(元スレッド)

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