「僕もまた、水が好きだ」片思いの子に自信満々の真顔で言ったひと言に、卒業アルバムで思わぬ続きがあった話

「僕もまた、水が好きだ」片思いの子に自信満々の真顔で言ったひと言に、卒業アルバムで思わぬ続きがあった話 恋愛

高校最後の1年が始まった日、投稿者は同じ授業をとる女の子にひと目ぼれした。けれど用もないのに話しかけることができず、ひと言も交わせないまま4か月。ようやく授業のペア活動で、彼女と2人で組むチャンスが巡ってくる。会話は思いのほか弾んだ。ここで何か、気の利いたひと言を——。自信満々の真顔で彼女の目を見て放ったその言葉は、それから10年、彼の頭から離れていない。そして卒業直前、手元に戻ってきた卒業アルバムを開いた彼は、家でひとり叫ぶことになる。

※注:アメリカの高校には、大学レベルの内容を先取りして学ぶ上級クラスがある。卒業アルバム(イヤーブック)は、友達同士で回して余白にメッセージを書き合うのが恒例。また「ウォーターボーイ(water boy)」は、英語では本来、運動部で選手に飲み水を運ぶ係を指す言葉。

何をやらかした?

📌 2016年、高校の最終学年だった投稿者(男性)は、上級クラスの政治の授業で一緒になった女の子に片思いしていたが、話すきっかけがないまま4か月が過ぎた。授業のペア活動でようやく彼女と組み、会話も弾んだところで、いちご入りの水を飲む彼女に自信満々の真顔で言ったのが「僕もまた、水が好きだ」。変な顔をされた投稿者は、前を向いて「たいしたことじゃない」とごまかした。ところが卒業直前、彼女が卒業アルバムに書いてくれたメッセージは「1年間ずっと、あなたのことが好きだったよ。ウォーターボーイ」。卒業式で彼女を探したものの話せず、結局デートに誘えないまま高校生活は終わった。

事の発端

斜めに並んだ机の向こうに、どストライクの彼女

「今日の話じゃなくて10年くらい前のことなんだけど、これはぜひみんなに聞いてほしい」。投稿者はそう前置きして、この話を書き始めている。

2016年、高校の最終学年。投稿者は、上級クラスの「アメリカ政治」の授業をとっていた。その教室は、すべての机が教室の中央を向くように斜めに並べられた座席指定制。投稿者の席は教室の端のほうで、机の角度のおかげで、首をほとんど動かさなくても反対側の端に座る生徒まで目に入った。

新学期の初日、そんな教室で彼女を見かけた。こげ茶色の髪に青い瞳、かわいらしい鼻、小柄な背丈。まさにどストライクだった。ただ、ひとつだけ問題があった。投稿者には、好きになった相手に用事もなく自分から話しかけるスキルが、まったくないのである。グループ学習で同じ班にでもしてもらえれば、急にリラックスして普通におしゃべりできる。けれど、何のきっかけもなしに声をかけるのだけは、どうしても無理だった。

彼女は”水のソムリエ”

「くそっ、かわいいな。話せるチャンスが来ますように」。そう願う投稿者の視界の端には、授業のあいだじゅう、いつも彼女がいる。まさに生殺しの日々だった。そうして眺めているうちに、投稿者は彼女のある特徴に気づく。彼女は、いわば”水のソムリエ”だったのだ。

持ってくる水が、毎日違うのだ。ある日は「フィジー・ウォーター」、別の日は「スマートウォーター」といった具合に、アメリカでおなじみのボトル入り飲料水の銘柄が次々と登場する。中身が丸見えの透明なボトルに、刻んだフルーツを入れた水を持ってくる日もあった。そして投稿者は、残念なことに、これを「彼女という人間のいちばん大事な特徴」として頭の中にしまい込んでしまった。

4か月、ひと言も話せないまま

新学期から4か月ほど経っても、投稿者はまだ彼女とひと言も話せていなかった。話すような場面が、一度も訪れなかったのである。

彼女はいわゆる人気者グループの一員だった。投稿者自身もそれなりに人気者の部類ではあったが、ほかの”人気者グループ”の面々とは馬が合わなかった。昼休みになると彼女はそのグループと一緒に座り、投稿者には彼女との共通の友達もいない。一緒にとっている授業もこの政治のクラスだけで、隣の席になる機会すらなかった。

「もう普通に話しかければいいじゃん。こう言ってみようか、いや、ああ言おうか」。頭の中でそんな作戦会議をくり返しながら、投稿者は拷問のような毎日を過ごしていた。何より、彼女に強い印象を残したかった。

やらかしの一部始終

突然巡ってきたペア活動

そんなある日、先生が授業の課題に取り組ませるため、生徒をランダムに2人1組に分けた。相手が彼女だとわかった瞬間、投稿者の顔は思わずほころびかけたが、そこはぐっとこらえて平静を装う。ほかに誰も入らない、正真正銘の2人だけのペアだ。内心は舞い上がりながらも、落ち着いた顔のまま彼女の席のほうへ移動した。

話してみると、驚くほど会話が弾んだ。「うそだろ、うまくいってる……!」。問題に答えて正解すると、彼女は「いいじゃん!」と声を上げ、投稿者も「だね」と返す。ここまでは完璧だった。

いちご入りの水と、渾身のひと言

ふと見ると、彼女が水を飲んでいた。ボトルの中には刻んだいちごが浮かび、冷えた表面にはまだ水滴がびっしりついている。その瞬間、投稿者の頭をある考えがよぎった。

今こそ、記憶に残るひと言を言うときだ。深みがあって、気が利いていて、面白いことを。彼女を笑わせられるような何かを——。そして次に投稿者の口から出た言葉は、それから10年間、頭の中に住みついて離れなくなる。投稿者いわく「10年だぞ、10年」。

投稿者は彼女の目をまっすぐに見つめ、ありったけの自信を込めて、真顔でこう言った。

「僕もまた、水が好きだ」

彼女はひと口飲み終えると、「この人、今なんて言った?」とでも言いたげな、なんとも奇妙な顔でこちらを見た。彼女が口を開くより先に、投稿者は椅子に座ったままくるりと向きを変え、教室の前方に目をやった。「今、なんて言ったの?」と聞く彼女に、振り返りもせずに答える。「あ、いや……たいしたことじゃないから」

※ 原文は「I too like the water.」。「僕も水好きだよ」で済むところを、英語でも妙にかしこまった、ぎこちない言い回しで言っている。

バイト先の鉄板ネタに

当時、投稿者はファストフード店でアルバイトをしていた。あとから思い返すとあまりにおかしくて、バイト仲間にこの話をしたところ、これが大ウケ。以来、仕事中に投稿者が水を飲んでいるのを見かけるたびに、みんなが「僕もまた、水が好きだ」と言ってくるようになった。話は仲間から仲間へと語り継がれ、すっかり店の定番ネタになった。

本人の前で、店長がまさかのひと言

ある日、その彼女が投稿者のバイト先にやって来た。カウンターで、投稿者に水を1杯注文する彼女。それを横で聞いていたのが、投稿者と大の仲良しだった店長だ。店長は、いつもの内輪ネタのつもりで、例の台詞を口にした。

それを聞いた彼女は「それ、あの日あなたが言ってたやつじゃん!」と言って、笑い転げた。店長も状況を察し、目の前の客が誰なのかに気づいて一緒に大笑い。あとで投稿者は、店長と”ケンカごっこ”でじゃれ合ったという。それくらい仲のいい2人だった。

卒業アルバムに書かれていたメッセージ

時は流れて、学年の終わりごろ。彼女が、投稿者のとっている上級クラスのマクロ経済学の授業に移ってきた。席は投稿者のすぐ後ろ。それでも2人がちゃんと話すことは、ほとんどなかった。

ある日、投稿者が卒業アルバムを持っていると、彼女のほうから「書いてもいい?」と声をかけてきた。「いいよ」と渡すと、彼女が書き、続いて別の誰かが書き、さらに6人ほどが書き込んでから、ようやくアルバムが手元に戻ってきた。

その日は、卒業式を控えた最後の登校日だった。家に帰ってアルバムを開き、彼女の書き込みを見つける。そこには、あの水のひと言にちなんだ呼び名とともに、こう書かれていた。

「1年間ずっと、あなたのことが好きだったよ。ウォーターボーイ」

投稿者は思わず叫んだ。「ちくしょう!」

その後

卒業式の日、投稿者は彼女を探した。けれど式での席は離れていて、式が終わると家族につかまりっぱなし。結局、彼女をデートに誘うことはできないまま、高校生活は幕を閉じた。

「というわけで、これが僕の『水の話』だ」。投稿者はそう締めくくり、自分でこう要約している。「人生でいちばんイタいひと言を放って、あと一歩で彼女とうまくいくところだったのに、しくじった」

なお投稿者はコメント欄で、卒業から数か月後に一度だけ彼女にメッセージを送っていたことも明かしている。ただ、彼女はよその州の大学への進学を考えていて、当時の投稿者は遠距離恋愛に踏み切れなかったそうだ。

海外の反応

1. やらかし名無しさん
——そして子どもたち、これがパパがママと”出会わなかった”ときのお話だよ……

2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
アメリカのドラマ『ママと恋に落ちるまで』の語り口だな。父親が子どもたちに、ママと出会うまでの話を何シーズンもかけて語り続けるやつ。こっちは水のひと言で1話完結しちゃったけど。

3. やらかし名無しさん(>>1への返信)
投稿者です。ほんとそれ(笑)。君たちのママには、いまだに出会えてないよ。

4. やらかし名無しさん
これは失敗談じゃないよ。すごくかわいい思い出じゃん。結局一歩を踏み出せなかったのだけが、もったいないけど。

5. やらかし名無しさん(>>4への返信)
投稿者です。ありがとう(笑)。そう言ってもらえると、だいぶ救われるよ。

6. やらかし名無しさん
僕もまた、水が好きだ。……まあ俺は少なくとも、それを本人の前で声に出したりはしなかったけどな。

7. やらかし名無しさん(>>6への返信)
この言い回し、妙にクセになる。僕もまた……いいやつだ。僕もまた、金曜の夜が好きだ。何を言っても真顔の決め台詞に聞こえてくる。

8. やらかし名無しさん
緊張して話しかけられない2人と、水についてのたった一文。それだけで、ラブストーリーがひとつ丸ごと消えちゃったのか。

9. やらかし名無しさん(>>8への返信)
消えたのは水のせいじゃないと思う。彼女は1年間ずっと投稿者のことが好きだったんだし、店では思い出して笑い転げて、アルバムにはあだ名まで書いてる。「記憶に残るひと言を」っていう狙いは、むしろ大成功してるんだよ。足りなかったのは、そのあと話しかける勇気だけ。

10. やらかし名無しさん
人気者同士の恋の話って、自分の高校時代とかけ離れすぎていて、パラレルワールドの物語を読んでる気分になる。

11. やらかし名無しさん
あなたの人生に、最高のことがたくさん待っていますように。人生は何が起きるかわからないし、いつかまたどこかで道が交わるかもしれないよ。

12. やらかし名無しさん(>>11への返信)
投稿者です。ありがとう! おかげさまで、今のところ人生けっこういい感じにやれてるよ。

13. やらかし名無しさん(>>12への返信)
ところで、2016年ならもうフェイスブックもインスタもあった時代でしょ? SNSで彼女を探せなかったの?

14. やらかし名無しさん(>>13への返信)
投稿者です。卒業式の日に結局話しかけなかったから、ちょっと感じの悪いやつだと思われてる気がしてさ。数か月後にメッセージは送ったんだけど、彼女はよその州の大学に行こうとしてて、当時の僕は遠距離恋愛を始める気になれなかったんだ。

15. やらかし名無しさん(>>14への返信)
それは切ないな。誰にだって”逃した魚”みたいな相手のひとりやふたりはいるもんだよ。

16. やらかし名無しさん
俺にも似たような話がある。ある意味もっとひどい。すごく好きだった子が、授業で俺のすぐ後ろの席でさ。1学期のあいだずっとしゃべってたけど、向こうも俺を好きだなんて思いもしなかった。彼女は「プロム(卒業前のダンスパーティー)の相手が見つからない」ってこぼしてたけど、頭がよくて面白くて美人な子にそんなことあるわけないと思ってた。結局、彼女は男友達と行って、なんだか残念そうだった。

卒業して1か月後、彼女から電話が来た。海軍に入ることになって、明日には発つから、その前に会いたいって。そのとき俺は、40度の熱を出して寝込んでた。人生最悪の日のひとつだよ。

それから10年。同窓会の幹事から、会の話のタネにする簡単なアンケートが届いて、「いちばんの心残りは?」って質問に「〇〇をプロムに誘わなかったこと」と書いた。行ってみたら、彼女が来てた。俺の回答を見るまでは、来るつもりがなかったんだって。人生最高の夜だったよ。そのあと何かが始まったわけじゃないけど、それでもね。希望はあるぞ、投稿者。

17. やらかし名無しさん
これで、去年くらいに自分がやらかしたのを思い出した。行きつけのパブに、かわいいアイルランド出身のバーテンダーがいて、行くたびに雑談する仲だった。ある晩、別のバーで飲んでたら、店の反対側で彼女が地元のバーテンダー仲間と楽しそうに過ごしてるのを見かけた。親しいわけでもないし、せっかくの夜を邪魔しちゃ悪いと思って声はかけなかった。

で、1〜2日後にいつものパブで話してたとき、口から出たのがこれ。「この前、あっちのバーにいたんだ。店の向こう側から、君のことチラチラ見てたよ」。2人とも固まって、顔を見合わせて、同時に吹き出した。彼女には「へぇ……見てたんだ?」って言われたよ。脳みそってほんと、たまにとんでもないことを口走らせるよな。

18. やらかし名無しさん
個人的には、本当のやらかしは「水が好きだ」発言じゃなくて、アルバムをその場で読まなかったことだと思う。戻ってきたときにすぐ開いてれば、まだ学校にいるうちに話しかけられたのに。

19. やらかし名無しさん(>>18への返信)
いや、それは酷だって。回し書きのアルバムなんて、書いた本人たちの前で読むのは照れくさいから、家に帰ってからゆっくり読むものでしょ。

20. やらかし名無しさん
彼女、今は結婚してるのかな? 今からだって、コーヒーに誘うくらいならいつでもできるでしょ。

21. やらかし名無しさん(>>20への返信)
投稿者です。はは、どうだろう。正直、今はもう彼女のことをあまり考えてないんだ。海外掲示板の投稿を読み上げる番組を聴いてたら、「この話、投稿したらウケるかも」って思っただけで。でも本当に優しい子だったから、どこかでばったり会ったら、たぶんコーヒーに誘うと思う(そのとき僕がまだ独り身ならね)。

22. やらかし名無しさん(>>21への返信)
「ばったり会ったらコーヒーに誘う」……いや、そこは水だろ。

まとめ

片思いの相手とやっと話せたチャンスに、渾身のひと言「僕もまた、水が好きだ」を放ってしまった高校最後の1年の話。コメント欄では「失敗じゃなくてかわいい思い出」「惜しかったのは、そのあと話しかけなかったこと」という声が目立った。彼女は1年ずっと好きでいてくれて、あのひと言をあだ名にして覚えていた。狙っていた「記憶に残るひと言」には、ちゃんとなっていたのだ。

元ソース: 高校時代の片思いの相手に話しかけようとして、やらかした

コメント