父親が営む小さなレコード店を手伝っている投稿者。掘り出し物を見つけては買って父に渡すのが役目だ。ある日、見ず知らずの男性から箱いっぱいの中古レコードを激安で買い取った。ところが家に持ち帰って父が一枚ずつ確認したところ、いくつかは思っていたより明らかに価値が高い——「安く買いすぎてしまった」と気づいてしまった投稿者は、はて、このまま黙っているべきか、それとも売り主に正直に伝えるべきか。胸の中がモヤモヤして仕方がなくなった。
※注:レコード=昔の黒い円盤の音楽メディア(アナログレコード)。中古市場では盤の状態や希少さで値段が大きく変わり、ものによっては数万円〜数十万円の値がつくこともある。
何をやらかした?
📌 父のレコード店のために、見知らぬ男性から箱いっぱいのレコードを激安で買ったら、一部が想定よりずっと高価だと判明。良心が咎めた投稿者が「思ったより価値があるかもしれません」と売り主に正直に連絡したところ、その箱は長年闘病の末に亡くなった父親の遺品で、何年も手つかずだったと分かる——「安く買いすぎた」やらかしが、思いがけず心温まる縁につながった話。
事の発端
父のレコード店を手伝う日々
投稿者の父は、街の片隅で小さな中古レコード店をやっている。投稿者は時間があるときに店を手伝っていて、街でめぼしいレコードを見つけたら自分で買い取り、父の店の在庫として渡している。父からお金を返してもらうわけでもなければ、売れたときに取り分をもらうわけでもない。あくまで「父の店の品揃えをちょっと手伝う」くらいの感覚だ。だからこの話は、最初に一部で誤解されたような「父にあげたプレゼントを取り返そうとした」という話ではまったくない、と投稿者はまず念を押している。
見知らぬ男性から、箱いっぱいのレコードを激安で
そんなある日、投稿者はひとりの男性から箱いっぱいの中古レコードを譲ってもらう機会を得た。値段は、こちらが拍子抜けするほど安かった。投稿者は「いい買い物ができた」と上機嫌で箱を抱えて帰り、いつものように父の店に持ち込んだ。ここまでは、よくある「掘り出し物に当たった日」のはずだった。問題が起きたのは、父がその箱を一枚ずつ検分しはじめてからだった。
やらかしの一部始終
「これ、思ってたより高いぞ」
父が中身をていねいに確認していくと、箱の中の何枚かは、二人が最初に思っていたよりも明らかに価値が高いものだった。とはいえ人生が変わるような大金というわけでもない。ほんの少しの差だ。それでも投稿者は、なんとも言えない居心地の悪さを感じてしまった。「相場をよく知らない相手から、本来の価値より安く買い取ってしまった」——そう自覚した瞬間、得をしたはずなのに胸がチクチクと痛んだのだ。
父も「連絡してみたら」と背中を押した
投稿者がこのモヤモヤを父に打ち明けると、父は「それなら売り主に連絡してみたらいい」と背中を押してくれた。決して取引をなかったことにするためではない。ただ「相手にきちんと知らせる」ためだ。そこで投稿者は意を決して、売ってくれた男性にメッセージを送った。「父が全部見てみたところ、箱の中のいくつかは、お互いが最初に思っていたよりも価値があるかもしれません。差はそれほど大きくないけれど、自分はどうしても気になってしまって。あなたにきちんと調べる機会を持ってほしいし、もしフェアじゃないと感じるなら、その分をどうするか一緒に考えたいんです」——そう正直に伝えたのだった。
その後
男性は、まさか投稿者の方から連絡してくるとは思っていなかったらしく、心底驚いていた。そして、あの箱にまつわる事情を打ち明けてくれた。彼の父親は長い間病気を患っていて、アルツハイマー病だった。その闘病のあいだ、レコードは何年もろくに触られず、手入れもされないまま放置されていたのだという。だから彼自身も、盤がいまどんな状態なのか正直よく分かっておらず、それもあってあの値段をつけたのだと。中に何が入っているかは知っていたが、長年そのままだったので「もう価値が残っているのかどうか」が読めなかったのだ。
そのうえで彼は、もう一つ別の箱があると教えてくれた。そちらは状態がずっと良く、本当に価値があるのはそっちだとずっと思っていたのだという。ただ値付けや一枚ずつの整理の仕方が分からず、売るに売れずにいた。彼は「お父さんの連絡先を教えてもらえないか」と頼み、投稿者は父にひと言ことわってから番号を渡した。以来、父と彼は連絡を取り合うようになった。おまけに後日、父からこんなメッセージが届いたという——「この人、十年以上前に亡くなったお前の叔父さん(父の弟)と学校の同級生だったらしいぞ」。思いがけない縁に、投稿者も驚いた。
肝心のレコードについては、二人が自分たちで折り合いをつけた。男性は、すべての価値が分からないまま二つ目のコレクションを丸ごと売り払うのは気が進まず、父の方も品物を不当に安く見積もりたくはなかった。そこで、父が店を通じて一枚ずつ売り、売れた分の売上を父が6割・男性が4割で分けることにした。男性は「いつまでもしまい込んでおくより、その方がいい」と言い、さらに父にこう伝えたそうだ。「どのみち家を離れる運命のレコードなら、父も、本当にレコードを分かって愛してくれる人の手に渡る方を望んだと思う」。その言葉を聞いて、投稿者は連絡してよかったと心から思えたという。「この男はきっと訴えてくる」「詐欺呼ばわりして全部返せと言ってくるぞ」とコメントで断言していた人たちへ——投稿者はこう締めくくっている。「なんと言えばいいか分からないけど……たまには、人ってただ善良なだけのこともあるんですよ」。
海外の反応
1. やらかし名無しさん
これ、最高の結末じゃないか。そもそも自分から連絡したっていう一点だけで、あなたの人柄が全部伝わってくるよ。
2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
ほんとそれ。黙ってればバレないし誰も損しないのに、わざわざ言いに行ける人ってそうそういない。尊敬する。
3. やらかし名無しさん
最高のアップデートだ。関わった全員が幸せになる結末って、なかなかお目にかかれないよ。読んでてこっちまで気分が良くなった。
4. やらかし名無しさん
正直に言うと、自分なら黙ってたかもしれない……。ちゃんと安く売ったのは向こうだし、取引は成立してたわけだしね。だからこそ連絡したあなたがすごい。
5. やらかし名無しさん(>>4への返信)
分かる、その葛藤。でも結果的にその一通のメッセージが、お父さん同士……いや家族同士の縁まで繋いだんだから、世の中うまくできてるよなあ。
6. やらかし名無しさん
人間っていうのは、たまにめちゃくちゃ愛おしい生き物だな。こういう話を読むと、まだ世界も捨てたもんじゃないって思えてくる。
7. やらかし名無しさん
亡くなったお父さんがアルツハイマーで、レコードが何年も手つかずだった、ってくだりで不覚にも目頭が熱くなった。誰だこんなところで玉ねぎ刻んでるのは。
8. やらかし名無しさん(>>7への返信)
全員分の玉ねぎが切られてる。「家を離れるなら、レコードを愛してくれる人の手に」って言葉が効きすぎる。息子さんも救われた気持ちになっただろうな。
9. やらかし名無しさん
似たような経験を最近した。90年代から音楽業界で働いてて、ポスターやチケットの半券、クラブのフライヤーをごっそり集めてたんだ。それを地元の収集品の店に持ち込んで、納得のいく値段で全部買い取ってもらった。
10. やらかし名無しさん(>>9への返信)
それで終わりじゃないのが続きで、数日後に店から電話が来て「やっぱりもう100ドル(約1万5千円)上乗せさせてほしい」って。取引はもう済んでたのに、それが正しいと思ったからって。世の中まだまだ捨てたもんじゃない。
11. やらかし名無しさん
うまくいって本当によかった。うちも家を買ったとき似たことがあってね。前の持ち主の男性が亡くなる前に施設に入ってたから、その家は買うまで何年も空き家だったんだ。
12. やらかし名無しさん(>>11への返信)
ある日、遺産の書類にサインしに飛んできた娘さんが、最後にひと目家を見たいって寄ってくれた。中に入って三歩で泣き崩れてさ。「何も変えずに残してくれて、子どもたちが走り回る音まで……家に魂が戻ったみたい」って。あの戸棚もお風呂もお父さんの手作りだったって、そのとき知ったよ。
13. やらかし名無しさん
お父さんと売り主の取り決めは、こっちでは「委託販売」って呼ぶやつだね。店が客から品物を預かって、売れたら手数料を引いて代金を渡す方式。それ専門のお店もあるくらい一般的だよ。
14. やらかし名無しさん(>>13への返信)
大きなコレクションを預かるなら、口約束じゃなくてちゃんと書面で契約を残しておいた方がいいよ。後から「言った言わない」でもめるのが一番もったいないからね。
15. やらかし名無しさん
お父さん、新しい友達までできたみたいで何より。叔父さんの同級生だったっていう偶然も含めて、出来すぎなくらいきれいな話だ。脚本だったら「ご都合主義」って言われるレベル。
16. やらかし名無しさん
完璧な締めくくり。やらかしというより、人として一番気持ちのいい選択をした記録だと思う。読み終わってこんなに温かい気持ちになるのは久しぶりだ。
17. やらかし名無しさん
「きっと訴えてくる」「詐欺だと騒ぐぞ」って騒いでた人たちへの最後のひと言が効いてて笑った。世の中の全部を脅威だと思い込む癖、たまにはほどいてあげてもいいんだよ。
18. やらかし名無しさん(>>17への返信)
まあ「疑ってかかれ」っていう警戒心も、生きてきた経験から来てるものだから一概には責められない。ただ今回は、ただただ良い人同士が出会っただけ。それでいいじゃないか。
まとめ
「安く買いすぎてしまった」という小さな後ろめたさを、投稿者は黙って飲み込まず、正直に売り主へ伝えた。その一通のメッセージから、亡き父の遺品をめぐる事情が明かされ、父同士の新しい縁、さらには亡くなった叔父との思いがけない接点まで芋づる式に繋がっていく。コメント欄は「自分から連絡できたのがすごい」「人間も捨てたもんじゃない」という称賛と、思わず涙する声、そして「委託販売は書面で」という実用的な助言まで、温かさと実利が同居する空気だった。得をする場面で、あえて損を選べる誠実さ——それが巡り巡って、何より得がたいものを連れてきた話だ。

