空き容量が「300メガバイト」まで減った状態で、何年もだましだまし使い続けたパソコン。持ち主はついに一念発起して、中身をまるごと新しくすることにした。ところが作業の途中、パソコンの頭脳にあたる部品が、冷却装置にがっちり接着されていることが発覚する。数時間かけて剥がしにかかり、そして——外れた瞬間、手から飛んだ。パソコンを自分で組んだことがある人が読むと、たぶん少し胃が痛くなる週末の記録である。
※注:CPUはパソコンの頭脳にあたる小さな四角い部品。種類によっては裏側に細い金属の足(ピン)が数百本びっしり生えていて、これが曲がると差し込み口に入らなくなる。グリスは、そのCPUと冷却装置の間に塗る熱を伝えるためのペースト。水冷クーラーは、CPUの熱を液体で運んで外に逃がす冷却装置のこと。
何をやらかした?
📌 容量不足に耐えかねて、記憶装置3台と冷却装置をまとめて交換しようとした投稿者。ところがCPUが古い水冷クーラーにグリスで固着しており、ドライヤーとアルコールで数時間かけて引き剥がしたところ、外れた勢いで手からすっ飛んでケースの内壁に激突。細いピンが何十本も45度に曲がった。曲げ直して起動を試みるも不調が取れず、結局CPUを買い直すはめに。追加出費は約3万8千円。
事の発端
空き容量、その日の気分で300メガから2ギガ
投稿者のパソコンには、起動用として250ギガバイトのドライブが1台入っていた。そこに入っているWindowsは、もとをたどれば2013年に入れたもの。その後何度もパソコンを組み替えながら、この起動用ドライブだけはずっと使い回してきたのだという。当然、空き容量はとっくに限界で、その日の気分次第で300メガバイトから2ギガバイトのあいだをふらふらしていた。写真1枚保存するのにも身構えるような状態である。
数日前、投稿者はついに「もういい加減うんざりだ」と決心した。
買い出しの内訳と、断末魔をあげ始めた冷却装置
向かったのは、アメリカの大型パソコンパーツ専門店マイクロセンター。買ってきたのは、起動用に2テラバイトの高速な記憶装置1台、それまで使っていた1テラバイトのハードディスクを置き換えるための4テラバイトの大容量記憶装置1台。ゲーム用に使っている1テラバイトの記憶装置はそのまま残して、合わせて動かす計画だった。
さらに、水冷クーラーも新調した。というのも、それまで使っていたものが、中の液体が蒸発してきたのか断末魔のような音を立て始めていたからである。新しく買ったのは、ファンを3つ並べる大きめのタイプ。ここまでは、誰がどう見ても真っ当な、むしろ計画的な更新作業だった。
やらかしの一部始終
CPUが、冷却装置に接着されていた
作業自体は、最初のうちごく普通に進んだ。起動用ドライブの準備を済ませ、ケースを開けて中身をばらしていく。そして冷却装置に手をつけたところで、投稿者は事態に気づく。CPUが、それまで乗っていた水冷クーラーの底面に、グリスでべったり接着されていたのだ。
引っぱってみると、CPUは差し込み口のレバーを起こしていないにもかかわらず、そのまま抜けてきた。本来やってはいけない外れ方である。ただ、投稿者いわく「ピンは無事に見えたので、そこまで心配しなかった」。
ここから、剥がすための長い戦いが始まる。ドライヤーで温め、アルコールを流し込み、また温める。この作業に、投稿者は数時間を費やした。彼の言葉を借りれば、グリスに「離してくれ」と頼み込み続けた時間である。
そして本当に離れた——手からも
そして、グリスはついに離してくれた。投稿者の手からも同時に離れて、CPUはケースの側面に激突した。拾い上げてみると、裏側のピンが何十本もまとめて45度に曲がっている。
ここで投稿者は、まだ落ち着いていた。ピンを曲げたのは初めてではない。直せる、と判断した。そして1時間、クレジットカードの角と気合いだけを頼りに、曲がったピンを一本ずつ起こし続けた。実際、CPUは差し込み口にすっと収まるところまで戻った。ここまでは、まだ勝っていた。
「0dエラー」との長い夜
組み上げ直して電源を入れると、画面には「0d」の文字。投稿者の説明によれば、これはメモリの初期設定でつまずいたときに出る番号で、原因は「なんでもありうる」たぐいのものらしい。
そこから何時間も、原因探しが続いた。メモリを抜いて、挿し直して、電源を入れて、切って、どこか緩んでいないか確かめて、また抜く。最終的に、メモリを1枚だけ挿した状態にしたところ、ようやく起動した。すかさずWindowsを入れ直し、投稿者はここで一度「成功」と自分に言い聞かせている。ただし、メモリを増やすと、また例の「0d」が出るのだった。
その後
翌日、投稿者はふたたびマイクロセンターへ向かい、交換用のCPUとエアダスターを1本買った。頭にあった作戦はこうである。「まずカセットに息を吹きかける要領でホコリを飛ばしてみて、それで直ったらCPUは返品すればいい」。往年のゲーム機のカセットを吹いていた世代の発想だ。
やってみた結果は、なにも起動しなかった。そこで新しいCPUに載せ替えたところ、すべてが何事もなかったかのように正常に動き出した。投稿者はここで観念して、こう書いている。「というわけで、俺はCPUを完全に壊した」。
ただ、この話には小さな救いがついている。買い直したCPUは、もともと使っていたRyzen 5900Xの上位版にあたる5900XTだった。しかも店頭の最後の1個だったため、値引きされて250ドル——日本円でおよそ3万8千円で手に入ったのである。当初の予定にはなかった3万8千円の出費だが、性能はわずかに上がった。投稿者は最後に、サングラスの絵文字を1つだけ置いて話を締めくくっている。少なくとも、なにも得ていないわけではない、と。
海外の反応
1. やらかし名無しさん
次からは、固着したものを力任せに引っこ抜こうとせず、まず左右にひねること。それでもだめならデンタルフロスを渡して、糸のこぎりの要領で少しずつ切り離していくといい。真上に引くのが一番やってはいけない外し方だ。
2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
投稿者本人いわく「ひねってたし、デンタルフロスも使ってた。ただ、同時に引っぱってもいた」とのこと。正しい手順を2つ実行したうえで、余計なことを1つ足したせいで台無しになる。いちばんつらいやつだ。
3. やらかし名無しさん(>>2への返信)
外す前に、負荷をかける計測ソフトで1時間ほど動かして本体を熱々にしておけば、グリスがやわらかくなって素直に離れたかもしれない。ドライヤーを何時間もあてるより、パソコン自身に発熱してもらったほうが早いという発想である。
4. やらかし名無しさん
型番が明かされる前から「ああ、CPU側にピンが生えてるタイプの規格だな」と当てた人、けっこういるはず。あの構造は本当に、冷却装置を外すたびに緊張する。
5. やらかし名無しさん
自分はもう何度も同じ目に遭っている。冷却装置を緩めた瞬間、毎回CPUが差し込み口ごと持ち上がってくる。うんざりしてグリスをやめて、シート状の熱伝導パッドに切り替えた。少なくとも、あの接着地獄からは解放された。
6. やらかし名無しさん(>>5への返信)
パッドは冷え方でわずかに劣ると言われるけど、正直そこまで体感しない。数度の差と、CPUがすっぽ抜けてこない安心を天秤にかけたら、自分も後者を取ると思う。
7. やらかし名無しさん
作業する場所も大事だと思う。幅の広いドライバーをCPUの縁と冷却装置のあいだに差し込んで、軽くひねるとぽろっと外れる。それをベッドや絨毯の上でやれば、外れた勢いで飛んでも柔らかいところに着地してくれる。
8. やらかし名無しさん(>>7への返信)
仕事で何百回もこの作業をやってきた立場から補足すると、まず平らな受け皿を先に確保しておくこと。道具は薄いこじ開け用のヘラでいい。慣れたら磁石のついていないマイナスドライバーで一瞬だ。あと、塗り直すグリスは銀入りのものを勧めたい。
9. やらかし名無しさん
ピンを大量に曲げてパニックになったら、宝石店に持ち込むという手がある。あの人たちは極細のピンセットや拡大鏡を仕事道具として持っているので、素人が震える手でやるより確実にきれいに直してくれる。
10. やらかし名無しさん(>>9への返信)
それを聞いたあとで「クレジットカードの角と気合いだけで1時間」の一文を読み返すと、なかなかの絵面である。ただ、実際に差し込み口へ収まるところまで戻したんだから、腕は悪くないと思う。
11. やらかし名無しさん
この話でいちばん胸が痛かったのは「ピンは無事に見えたので、そこまで心配しなかった」のところ。読んでいる側からすると、その一文が出た瞬間にもう結末が見えてしまう。
12. やらかし名無しさん
細かいことを言うようだけど、Windowsを入れたのが2013年なのに、載っているCPUは2020年ごろの製品だよね。対応する基板だって、そんな昔には存在しないはずでは。
13. やらかし名無しさん(>>12への返信)
たぶん、2013年に小さいドライブへ入れたWindowsを、その後の組み替えのたびに引っ越しさせながら使い回してきた、という意味だと思う。中身を全部入れ替えても、そのドライブだけは生き延びていたわけだ。
14. やらかし名無しさん
昔、差し込み口が2種類ついた基板のパソコンを買って、値下がりを待ってから新しいCPUに載せ替えたことがある。ところが起動すらしない。修理店に持ち込んで調べてもらったら、差し込み口そのものが不良で、基板ごと買い替えるしかないと言われた。あのときの脱力感は忘れない。
15. やらかし名無しさん
学生のころ、CD/DVDドライブを増やしたくて中を開けたら、メーカー製の本体には収める場所がなかった。じゃあ大きいケースを買って中身を全部移せばいいと思ったら、電源ボタンまわりの配線がそのメーカー独自の形で、どうやってもつながらない。あのケースは何十年経ったいまも、届いたときの箱に入ったまま地下室にある。
16. やらかし名無しさん(>>15への返信)
最初、届いたのが地下室のほうかと思って三回読み直した。ケースが送られてきた箱に入ったまま地下室に置いてある、という意味だと理解するまでに、だいぶ時間がかかってしまった。
17. やらかし名無しさん(>>15への返信)
それでも学びは残っているはずで、それは無駄じゃない。自分もこのあいだ父の小型デスクトップを新しくしようとして、小型の本体に入るパーツだけ値段が跳ね上がるという事実を知り、そのまま深みにはまっていった。
18. やらかし名無しさん
これだけの惨事を語り終えた最後に、サングラスの絵文字を1個だけ置いてくる呼吸がいい。悲惨さと軽さのつり合いが取れていて、読後感がやたらとさわやかになっている。
19. やらかし名無しさん
冷静に収支を見ると、記憶装置が一気に増えて、冷却装置も新品になって、CPUの型番まで一つ上がっている。追加でかかったのが3万8千円で、しかも店頭最後の1個で値引きされていた。これはもう、やらかしというより強引な値切り交渉では。
20. やらかし名無しさん
そこは同意しかねる。ドライヤーとアルコールで数時間、ピン直しに1時間、原因探しにさらに何時間。その総量を考えたら、素直に手順を調べ直すか、いっそ店に持ち込んだほうが安く済んでいた。失ったのはお金より時間のほうだと思う。
21. やらかし名無しさん
この手の作業でいちばん効く教訓は、たぶん「うまくいかないと感じたら、その日はもう寝る」だと思う。深夜に力を込めて引っぱり始めた時点で、判断は全部悪いほうへ転がっていく。眠気は、指先の繊細さから先に奪っていくので。
まとめ
容量不足を解消するだけのはずだった更新作業が、冷却装置に固着したCPUのせいで一気に崩れ、最後は買い直しで幕を閉じた。コメント欄では「ひねる」「デンタルフロス」「柔らかい場所で作業する」といった外し方の知恵が次々と出てくる一方、「型番が上がったのだから実質お得」派と「失ったのは金より時間」派に割れた。自分で組んだことがある人ほど、どこかで身に覚えがある話のはずである。そして次に冷却装置を外すときは、たぶん下に何か柔らかいものを敷く。
元ソース: パソコンを新しくしようとして、やらかしてしまった

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