オランダを記録的な猛暑が襲った日、投稿者は友人たちと川へ涼みに行った。ボールを追って水に飛び込み、顔を上げて自分の手を見た瞬間、頭が真っ白になる。指にはめたままだった祖父の指輪が、消えていた。銀に祖父のイニシャルが刻まれただけの、値段でいえば大したことのない一本。本人いわく「史上最悪の『ロード・オブ・ザ・リング』ごっこ」である。
※注:投稿者が使った「イシルドゥア」は『ロード・オブ・ザ・リング』(原作小説は『指輪物語』)の登場人物。川を渡る途中で指輪を指からするりと落とし、失くしてしまう。その指輪が川底から見つかるのは何千年も後のことで、拾い上げた者がのちの「ゴラム」(本名スメアゴル)になる。「いとしいしと」はゴラムが指輪を呼ぶときの口ぐせ。以下、コメント欄でもこのネタが何度か出てくる。
何をやらかした?
📌 猛暑のオランダで川へ涼みに行き、ボールを取ろうと飛び込んだ投稿者。水から上がって気づいたのは、指にはめたままだった祖父の指輪が消えていたこと。銀にイニシャルが刻まれた、金額では測れない一本だった。
事の発端
エアコンのない国を襲った猛暑
オランダはこのところ猛暑に見舞われていた。北ヨーロッパの夏はもともとそこまで気温が上がらないので、家にエアコンがない住まいも珍しくない。逃げ場のない室内でじっとしているより、水のあるところへ行くほうが早い——というわけで、投稿者は友人たちと連れ立ってライン川へ向かった。ヨーロッパを縦断する大河が、そのまま町の避暑地になる。
指から外したことのない一本
持っていったのはサッカーボールが一つ。水際で蹴り合って、外したら泳いで取りに行く。よくある夏の午後だ。投稿者の指には、銀の指輪がはまっていた。祖父のもので、内側だか外側だかに祖父のイニシャルが入っている。買えば大した値段ではないだろうと本人も認めている。ただ、それは何年も指にはまり続けていた。外すという発想がそもそも浮かばないくらい、指の一部になっていた。この「外さないのが普通」が、この日だけは致命的に働く。
やらかしの一部始終
ボールを追って、川へ
ボールが流れに乗って離れていく。投稿者は迷わず水へ飛び込んだ。冷たい水が身体を包み、猛暑で煮えていた頭が一気に冷える。数かき進んでボールをつかみ、水面に顔を出す。ここまでは、完全にいつもの夏だった。
手を見た瞬間
濡れた手で髪をかき上げて、そのまま視線が自分の指に落ちる。ない。指輪がない。飛び込んだときには確かにはまっていた。つまり、答えは一つしかない。今まさに自分が立っているこの水の中で、するりと抜けた。冷たい水で指が締まればリングは面白いほど簡単に滑る。ボールを追って腕を振った、あの一瞬だ。
「史上最悪のイシルドゥアごっこ」
川底は砂と石で、流れは止まらない。潜って手探りしたところで、探す範囲は刻一刻と下流へ広がっていく。投稿者はその状況を、自分でこう表現した。「史上最悪のイシルドゥアごっこだった」。川で指輪を落とした男の物語を、猛暑のオランダで、サッカーボール片手に再現してしまったわけである。笑うしかない、という顔が文章から透けて見える。
その後
投稿の後半は、いつものノリが途切れる。「かなり落ち込んでいる」と投稿者は書いた。そして、こう聞いている。思い出の詰まったものを失くしたとき、みんなはどうやって折り合いをつけているのか。もう忘れて前に進むしかないのか。同じような指輪を買い直したら、少しは楽になるのか。「値段の問題じゃないんだ。ただ、買い直すのはなんとなく違う気がする」——この一行が、この投稿でいちばん正直な部分だと思う。
金属探知機で探してくれる人がいないかも調べたらしい。ただ本人の見立ては悲観的で、「あの指輪はもう北海の手前まで流れて、イギリス海峡を渡ろうとしている頃だと思う」。仮にまだ川底にあったとしても、と続けて、こう書いた。「それに、スメアゴルが拾い上げてくれるのを何千年も待てるほど、こっちは暇じゃない」。最後まで冗談で殴り返そうとしているのが、かえって効く。
ところが投稿後、コメント欄の空気で流れが少し変わる。「水中の落とし物を探してくれる金属探知機のクラブがある」「趣味でやっているが、これまで頼まれた指輪は全部見つけた」という書き込みが続いたのだ。投稿者の返事は短かった。「探してくれる人がいるなら、費用はいくらでも払う」。それに対して探知機側の返答が、「こっちは無料でやってる。二度と会えないと思っていた物を持ち主に手渡す瞬間は、金じゃ買えないから」。まとめの後半は、その温度で進んでいく。
海外の反応
1. やらかし名無しさん
落とし物専門の金属探知機クラブというのが世界中にあって、水中担当のダイバーと組んでいるところもある。まず地元のを検索してみて。あなたが思っているより、この手の依頼を受けている人は多い。
2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
趣味でやってる側の人間だけど、川の名スポットの近所に住んでる関係で、この10年で釣り人4人の指輪を探し出した。全部見つかってる。一件だけ3週間かかったけど、それも最終的には出てきた。
3. やらかし名無しさん(>>2への返信)
しかも自分は無料でやってる。たぶん同じ趣味の人はだいたいそう。もう二度と手元に戻らないと思っていた物を持ち主に返す瞬間の感覚は、ちょっと他に代えがきかない。思い入れのある物ならなおさら。
4. やらかし名無しさん
親切な人が探しに来てくれたとしても、期待はしすぎないほうがいい。運が良ければ見つかる、くらいの話で、そのまま出てこない可能性のほうが普通に高い。とはいえ、失くしたことについては本当に気の毒に思う。
5. やらかし名無しさん(>>4への返信)
泳いでた場所の川幅、水深、流れの速さがどれくらいだったかで見込みは全然違ってくる。淀んだ浅瀬なら望みはあるし、本流のど真ん中なら正直きびしい。まずそこを思い出してみるといい。
6. やらかし名無しさん
下流の探知機仲間や宝探し好きに向けて呼びかけを出すのは有効。ただし、それに乗ってくる詐欺師には気をつけて。実物を見た人にしか分からない特徴を一つだけ伏せておいて、それを言えた人だけ本物と判断すること。
7. やらかし名無しさん(>>6への返信)
探知機やってる側から言うと、みんな難しい依頼ほど燃えるタイプなので、声をかければ誰かしら手を挙げると思う。頼み方も気にしなくていい。単純に、探させてくれる口実が欲しいだけだから。
8. やらかし名無しさん
汚らわしいバギンズの一族に「いとしいしと」を拾われる前に急いだほうがいいぞ。やつのポケットには何が入っているのかな、ええ?
9. やらかし名無しさん(>>8への返信)
本人が「スメアゴルを何千年も待てるほど暇じゃない」って自分で書いてるのが一番おかしい。落ち込みながらもネタを完走してるあたり、この人はたぶん大丈夫だと思う。
10. やらかし名無しさん
一応言っておくと、川で磁石を落として金物を釣り上げてる人たちには頼んでも意味がない。銀は磁石にくっつかないので。探すなら磁石ではなく金属探知機を持っている人を当たること。
11. やらかし名無しさん(>>10への返信)
運河だらけの国だし、水辺で何か探している人自体は珍しくないはず。声をかける相手さえ間違えなければ、協力者はわりとすぐ見つかりそうな気がする。地元の掲示板に一本投げてみるところからでいい。
12. やらかし名無しさん
自分は祖母の指輪を海で失くした。もう10年経つけど、いまだにあの日の海の色を覚えている。物としては消えたのに、失くした瞬間だけがやたら鮮明に残るんだよな。それも一種の残り方なんだと思うことにした。
13. やらかし名無しさん(>>12への返信)
分かる。自分は父の腕時計をスキー場で落とした。当時は本当にへこんだけど、今は「あの斜面のどこかにあるんだな」と思うことにしている。そう考えると、失くしたというより預けた感じになる。
14. やらかし名無しさん
指輪は箱にしまうためじゃなく、はめるためにある物だと思う。おじいさん本人だって、自分の指輪が金庫で眠っているのを望みはしないはず。川で泳いだ日に持っていかれた、っていうほうがよっぽど指輪らしい最期だよ。
15. やらかし名無しさん(>>14への返信)
それな。傷ひとつなく引き出しに眠っている完品より、「暑い日に川でボールを追いかけて落とした」という話がついているほうが、この先ずっと語り継がれると思う。物の価値ってそういうところにある。
16. やらかし名無しさん
新しい指輪を買うのは全然アリだと思う。ただし「代わり」じゃなく「二本目」として。同じイニシャルを彫ってもらって、今度は指じゃなくチェーンで首から下げる。それなら買い直しの後ろめたさも出にくい。
17. やらかし名無しさん
「川に入る前に外せばよかったのに」と言うのは簡単だけど、何年もはめっぱなしの指輪って本当に外す発想が湧かない。もはや指の一部だから。この件で自分を責めすぎないでほしいと本気で思う。
18. やらかし名無しさん
冷たい水に入ると指がきゅっと細くなって、指輪が驚くほど簡単に抜ける。冬の水仕事でも同じことが起きる。ここを読んだ人は今日から「水に入る前に外す」を習慣にしてほしい。自分も一回やらかしている。
19. やらかし名無しさん
正直なところ、もう戻らないと思って動いたほうがいい。あの川は流れが速いし、小さい金属はすぐ砂に潜る。探すのは自由だし止めないけど、「見つからなかった」が前提にあると、あとの気持ちの整理が楽になる。
20. やらかし名無しさん(>>19への返信)
冷たい言い方だけど、たぶん正しい。ただ、探すという行為そのものが区切りになることもある。丸一日かけて川に入って、それで諦めがつくなら、その一日には十分意味があると思う。
まとめ
猛暑から逃げて飛び込んだ川で、祖父の指輪だけが戻ってこなかった。コメント欄は「水中の落とし物を探す探知機の人がいる」という具体的な助け舟と、「もう無いものとして整理したほうが楽だ」という現実論に割れつつ、どちらも投稿者を責めなかった。そして一番響いたのは、指輪は箱ではなく指にはめておく物だという一言。失くしたのは銀の輪っか一つだが、川に落とした夏の話ごと祖父とその指輪を誰かに語れるなら、それはそれで手元に残っている。
元ソース: 祖父の指輪を指にはめたまま川で泳いでしまった


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