その日の朝、投稿者が家を出るときに考えていたのは、天気と持ち物くらいだった。生理のことは頭になかった。カレンダーの上では、まだ数日は先のはずだったからである。ところが体には体の予定がある。数時間後、外出先のトイレで彼女は二つのことを同時に思い知ることになる。今日から始まってしまったこと。そして、バッグを替えたせいで、備えが一つも手元にないことを。
※注:欧米の駅や商業施設の女性用トイレには、生理用品を1個ずつ買える小さな自動販売機が置かれていることが多い。また、切らしてしまった人が近くにいる女性に「ごめん、一つ持ってない?」と声をかけて分けてもらうのも、ごく日常的なやりとりとして定着している。今回、投稿者が見ず知らずの他人に助けを求めたこと自体は、現地の感覚では特別に非常識な行動というわけではない。ただし、この日は声をかける相手が少しばかりずれていた。
何をやらかした?
📌 外出先で急に生理が始まった投稿者。しかしその日はバッグを替えていて、いつも入れている非常用の生理用品を一つも持っていなかった。近くにすぐ買える店もない。焦った末、そばに立っていた男性に「すみません、彼女さん、タンポンを持っていませんか」と声をかける。ところが、当の彼女がすぐに不機嫌な顔になり、「どうして私じゃなくて、彼に聞くんですか」と返してきた。男性は消えてしまいたそうな顔をし、投稿者も消えたくなり、彼女はそのどちらにも感心していなかった。
事の発端
「まだ数日ある」と思っていた朝
投稿者はその朝、生理のことをほとんど気にせずに家を出た。手元の感覚では、始まるまであと数日は余裕があるはずだった。周期が安定している人ほど、この「はず」を信じてしまう。だからその日の準備は、いつもより一段階ゆるかった。
けれど本人が書いているとおり、体のほうには別の予定があった。数日の余裕は、本人の見込みの中にしか存在していなかったのである。予定より早く来る、遅れて来る、その程度の揺れは珍しくもない。珍しくないからこそ、多くの人は「念のため」を鞄に忍ばせて持ち歩いている。
替えたバッグに、入っていなかったもの
そして、その日はもう一つ条件が重なっていた。投稿者はバッグを替えていた。いつも使っている鞄の内ポケットには、非常用の生理用品がちゃんと入っている。ただ、その日持って出たのは別の鞄だった。移し替えたのは財布と鍵とスマートフォン、つまり「無いと困るとすぐ気づくもの」だけ。無いと困るのに、その場になるまで気づかないものは、置き去りになった。
鞄を替えた日に限って何かが起きる、という現象には心当たりのある人が多いはずである。定期券、常備薬、絆創膏、モバイルバッテリー。普段は入っていることすら意識していないから、抜けたことにも気づかない。この日、投稿者が置いてきたのはそういう種類のものだった。
やらかしの一部始終
近くに、買える場所がない
外出先のトイレで事態を把握した投稿者は、少しパニックになった。ここまでなら「あるある」で済む話である。問題は、そのときいた場所の近くに、すぐ買える店が見当たらなかったことだった。時間をかけて探しに行ける状況でもない。備えがなく、買う手段もない。残っている選択肢は一つだけ、その場にいる誰かに分けてもらうことだった。
見回すと、少し離れたところに一組のカップルが立っていた。彼女がいるということは、生理用品を持っている可能性がある人がそこにいるということでもある。投稿者はそこへ向かった。ここまでの判断に、おかしなところは何もない。
声をかけたのは、彼女ではなく彼氏のほうだった
ところが投稿者が話しかけたのは、彼女ではなく男性のほうだった。しかも聞き方が、よりによってこうである。
「すみません、彼女さんってタンポン持っていたりしませんか?」
本人いわく、これはこの世で最も無害な質問のつもりだった。困っている、必要なものがある、持っていそうな人が目の前にいる。そこに他意はない。後日コメント欄で本人が説明したところによれば、男性のほうがほんの少しだけ手前に立っていた、という位置関係もあったらしい。声をかけやすいほうに声をかけた、というだけの話だったのだろう。
ただ、受け取る側から見ると、この一言はなかなか奇妙な形をしている。本人が真横にいるのに、その人の鞄の中身を、その人ではなく連れの男性に確認しているのだから。
「どうして私じゃなくて、彼に聞くの?」
彼女の表情はすぐに変わった。そして投稿者にこう尋ねた。どうして私に直接聞かず、彼氏に話しかけたのか、と。
投稿者は説明を試みた。他意はない、ただ本当に切羽詰まっていて、タンポンが一つ欲しかっただけなのだ、と。だが、いったん妙な空気になった場は、説明を重ねるほど気まずさが増していく。あの、誰も悪意を持っていないのに全員が居心地を悪くしている数十秒である。
本人の描写によれば、その場の三人はきれいに同じ方向を向いていた。男性は今すぐ消えたそうな顔をし、投稿者も消えたくなり、彼女はそのどちらにも感心していなかった。
その後
投稿を読む限り、話はここで終わっている。もっとも読者にとって最大の関心事であるはずの一点、結局タンポンをもらえたのかどうかは書かれていない。コメント欄でも複数の人がそこを尋ねているが、答えは出ていない。緊急事態は解決したのか、それとも別の方法で切り抜けたのか、そこだけが空白のまま残った。
投稿者が出した結論は、拍子抜けするほど実務的なものだった。これからは、持っているバッグ全部に非常用を一つずつ入れておく。周期を読むのをやめ、鞄を替えるたびに移し替えるのもやめ、最初から全部に入れておく。今回の件で確実に改善されたのは、人付き合いの作法ではなく在庫管理のほうだった、というわけである。
そしてもう一つ、本人が身をもって学んだことがある。困ったときに助けを求めるのは何も悪いことではない。ただし、頼みごとは、持っている本人に直接すればいい。伝言を一人はさむと、なぜか話がややこしくなる。
海外の反応
1. やらかし名無しさん
正直、彼女さんがすぐ隣に立っているのに、なぜ彼氏のほうに聞いたのかがいちばんの謎。本人が目の前にいるなら本人に聞くのが一番早いし、確実だと思うんだけど。
2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
自分も真っ先にそこが引っかかった。急いでいるのに伝言を一段はさむのは完全に遠回りだし、聞かれた男性のほうも答えようがなくて困る。
3. やらかし名無しさん(>>1への返信)
本人の説明によると「男性のほうが少しだけ近くに立っていたから」らしい。ただ、数十センチの差が伝言をはさむ理由になるかというと、さすがにちょっと苦しい気がする。
4. やらかし名無しさん
たぶん彼女さんは嫉妬したんじゃなくて、単純に「なんでこの人、私の鞄の中身を私を飛ばして彼氏に確認してるの?」と戸惑っただけだと思う。あの反応はわりと普通の部類。
5. やらかし名無しさん(>>4への返信)
これだと思う。不機嫌に見えたのは怒りというより困惑では。自分の持ち物の話を自分抜きで進められたら、誰だって一瞬「え?」となる。
6. やらかし名無しさん
逆の立場で考えると、もし自分が聞かれても答えは「分かりません、本人に聞いてください」の一択だと思う。夫でも彼氏でも、連れの鞄の中身までは把握していない。
7. やらかし名無しさん(>>6への返信)
この彼氏さん、人生でいちばん強く「自分に聞かないでほしい」と願った数十秒だったんじゃないかな。答えを持っていないのに答えを求められる側もつらい。
8. やらかし名無しさん
みんな厳しいけど、焦っているときの人間は本当に頭が回らない。とっさに「近いほう」に声をかけてしまった、という感覚は分からなくもないというか、正直かなり分かる。
9. やらかし名無しさん(>>8への返信)
分かる。動転しているときの判断って、あとから自分でも説明できないんだよね。落ち着いていたら絶対に選ばないほうを、平気で選んでしまう。
10. やらかし名無しさん
そもそもの話、困っている人が生理用品を探しているなら、まず一つ渡してあげれば済む場面だと思う。誰に話しかけたかの議論は、それが終わってからでもよくない?
11. やらかし名無しさん(>>10への返信)
同感。あの場でいちばん大事だったのは「持っていますか」の宛先ではなくて、目の前の人が無事にその日を切り抜けられるかどうかのほうだったはず。
12. やらかし名無しさん
結局もらえたのかどうかが最後まで書かれていないのが気になって仕方ない。話のいちばん肝心なところが空白のまま終わっている。
13. やらかし名無しさん
女性同士なら「ごめん、一つ持ってない?」で普通に成立する場面なんだよね。それだけに、わざわざ彼氏を経由した理由のほうが不思議に見えてしまう。
14. やらかし名無しさん
彼女さんの側から見ると、知らない人がいきなり彼氏に話しかけてきた時点で少し身構えるのも分かる。用件が生理用品だと分かるまでには数秒あるわけだし。
15. やらかし名無しさん(>>14への返信)
その視点はなかった。最初のひと言が終わるまで、何の用なのかは相手には分からないんだよな。声をかけられた側の時間で考えると、だいぶ印象が変わる。
16. やらかし名無しさん
自分は車のダッシュボードに常備している。もう自分では必要ないけれど、娘たちのぶんとして今も入れっぱなし。あって困るものではないので。
17. やらかし名無しさん(>>16への返信)
これがいちばんの教訓かもしれない。鞄を替えるたびに移し替える運用は必ずどこかで抜けるので、行動範囲のあちこちに散らして置いておくほうが確実。
18. やらかし名無しさん
投稿者は何も悪いことをしていないと思う。切羽詰まって助けを求めただけで、生理用品を借りようとする行為を口説きと受け取るほうに無理がある。
19. やらかし名無しさん
聞く相手を間違えたのは事実だけど、そこからカップルの間の空気が悪くなった部分まで投稿者の責任にするのは違う気がする。そこは切り分けたい。
20. やらかし名無しさん
次があるなら、彼女さんの目を見て「すみません、生理用品を持っていませんか」と言えばいい。たぶん三秒で解決する。それだけの話だったんだよ、本当に。
21. やらかし名無しさん
それにしても、外出先で急に来て手元に何もないときの絶望感は本物。自分だったらもっと妙な行動をとっている自信があるので、あまり笑えない話だった。
まとめ
バッグを替えたその日に限って生理が始まり、備えはゼロ、近くに買える店もない。投稿者が最後に選んだのは、そばにいたカップルに助けを求めることだった。ただし声をかけた相手は、持っているであろう彼女ではなく、隣の彼氏。「すみません、彼女さんタンポン持っていませんか」というひと言で、その場の三人が同時に消えたくなる空気ができあがった。海外の反応は「嫉妬ではなく、単に本人を飛ばされて困惑しただけでは」という冷静な見立てが中心で、「なぜ本人に直接聞かなかったのか」という声が最も多い。一方で「焦っているときの判断力なんてそんなもの」という共感や、「宛先の議論より、まず一つ渡してあげる場面だろう」という指摘も並んだ。困ったときは遠慮せず助けを求めていい。ただし、頼みごとは持っている本人へ。


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