船で15時間。日中の便だし、この土地はとにかく毎日暑い。だから半袖のシャツに短パンで乗り込んだ——そこまでは、たぶん誰でもやりそうな判断だった。ところが投稿から逆算すると、出発してまだ2時間。投稿者はリュックサックを盾のように抱え、帽子で片脚を覆いながら、残り13時間をどう生き延びるかを考えていた。熱帯のど真ん中で、凍えながら。
※注:ブラジルは南半球にあるため、日本とは季節が逆になる。ただし今回の舞台であるアマゾン地方は赤道のすぐ近くで、暦の上の季節と体感がほとんど一致しない。この「今は冬なのか夏なのか」問題は、後半のコメント欄で本題よりも盛り上がることになる。
何をやらかした?
📌 ブラジル・アマゾン地方で、街から次の街へ移動するために15時間の高速船に乗った投稿者。日中の便であること、現地が連日とにかく暑いことを理由に、半袖のボタンシャツと短パンを選んだ。だが「ブラジルの公共交通機関はすべて北極並みに冷やされる」という鉄則を忘れていた。残り13時間。リュックを冷風よけの盾にし、かぶっていた帽子で片脚の一部を覆いながら耐えている。
事の発端
街から街へ、船で15時間
投稿者が移動していたのは、ブラジルのアマゾン地方。ある街から次の街へ行くのに選んだ手段が、15時間の船だった。日本の感覚だと「船で15時間」は寝台のある長距離フェリーを思い浮かべるが、この地域では事情が違う。川がそのまま幹線道路の役目を果たしていて、街と街のあいだの移動が船になるのは珍しくない。
乗ったのは、ポルトガル語で「ランシャ」と呼ばれる船である。川を行く普通の船よりは速い。とはいえ小型のモーターボートのようなものではなく、それなりに大きくて、乗客は全員が船内の座席に座る。つまり、閉じた船内で15時間ということだ。しかもこれは速いほうの選択肢で、同じ区間にはもう一つ、30時間を超える鈍行の船がある。
「日中の便だし、どうせ暑い」
服装を決めるにあたって、投稿者の判断材料は二つだけだった。一つ、これは日中の便である。二つ、この土地は毎日ひたすら暑い。ならば半袖のボタンシャツに短パンで十分だろう——本人の言葉を借りるなら、ここが「間違った一手」だった。
暑い土地へ出かけるとき、上着を一枚入れるかどうかで一瞬迷って、結局は荷物が軽くなるほうを選ぶ。あの判断である。責められる人は、たぶんそんなに多くない。
やらかしの一部始終
ブラジルの公共交通機関は、北極になる
投稿者が忘れていたのは、本人いわく「ブラジルの公共交通機関はすべて、北極並みの温度まで冷やさなければならない」という鉄則だった。バスでも船でも、とにかく冷房が容赦ない。外が何度だろうと関係なく、車内・船内だけが別の気候帯になる。
乗り込んで、扉が閉まって、冷気が回りはじめて、そこでようやく気づくのだ。半袖と短パンで、自分はこれから15時間ここにいるのだ、と。
リュックが盾になり、帽子が毛布になる
投稿を書いている時点で、残りは13時間。つまり、まだ2時間しか経っていない。投稿者はリュックサックを体の前に抱え、送風口から吹きつけてくる風を遮る盾にしていた。それでも脚は丸出しである。そこで動員されたのが、かぶっていた帽子だった。ただし覆えたのは、片脚の一部だけ。
装備は以上。あと13時間。
その後
投稿者は、これから同じ目に遭うかもしれない人たちのために、はっきりと教訓を残している。「ブラジルで長時間の移動をするなら、バスでも何でも、絶対に毛布を忘れるな。真夏のど真ん中でもだ。あの冷房は手加減しない。ゆっくり、じわじわ効いてくるやつだ」。本人による要約はこうだった——「毛布を持たずにブラジルで高速船に乗った。その結果、思いもよらず、熱帯の国で凍え死ぬことになった」。
コメント欄には、まずブラジル在住者が次々と現れて「そう、うちの冷房は最低まで下げるか完全に切るかの二択」と証言しはじめた。ここまでは想定内である。ところが話は妙な方向へ転がっていった。投稿者が「熱帯の国で凍え死ぬ」と書いたことに対して、「いや、今のブラジルは冬なんだが?」という指摘が入ったのだ。
そこから始まったのが、「アマゾンに冬はあるのか」論争である。暦の上の冬、赤道直下の体感、そして雨季を指す現地流の「冬」。三つの季節観がぶつかり合い、当の投稿者まで参戦して、肝心の寒さの話はしばらく脇に置かれることになった。凍えている本人を放置して季節の定義で盛り上がるあたりが、いかにも掲示板らしい。
海外の反応
1. やらかし名無しさん
そう、うちの国は冷房で手加減しません。最低まで下げるか、完全に切るか。その二択しかないんです。中間の温度で落ち着かせる、という発想がそもそも存在しない。
2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
まさにこれです。公共交通機関に一歩足を踏み入れた瞬間、自分の体が生存モードに切り替わるのが分かる。肩がすくんで、腕を組んで、着くまで一言も喋らなくなるんですよ。
3. やらかし名無しさん
うちの地域だと、外が28〜30度くらいのときにいちばん強く効かせてきて、35度を超えると逆に切るんですよ。理屈が完全に逆でしょう。いちばん暑い日に、いちばん暑い車内で耐えることになる。
4. やらかし名無しさん(>>3への返信)
夏のある朝に一度やられて以来、そのバスに乗る日は曜日を問わず必ず長袖を持つようになりました。おまけに、車内でいちばんあたたかい席がどこなのかも事故的に発見しました。あれは本当に大きな収穫でした。
5. やらかし名無しさん
船で15時間って、いったい何をしているんですか。世界一周の途中とかですか? 高速船で15時間かかる距離って、地図の上でどのくらいになるんだろう。
6. やらかし名無しさん(>>5への返信)
投稿者です。英語で何と呼ぶのが正しいのか自分でも分かっていないんですが、ポルトガル語では「ランシャ」と言います。川を行く普通の船よりは速い。ただ、小型のモーターボートのようなものではなくて、それなりに大きくて、乗客は全員が船内の座席に座ります。
7. やらかし名無しさん(>>6への返信)
それはたぶん「高速フェリー」と呼ぶのがいちばん近いです。英語でスピードボートと言われると、時速100キロで水面を跳ねていくやつを想像してしまうので。それはそれとして、船に15時間というのは普通にとんでもない長さですよ。
8. やらかし名無しさん(>>7への返信)
投稿者です。たしかにその言い方のほうがしっくりきます。乗ったことがなかったので面白そうだと思って選んだんですが、同じ区間のもう一つの選択肢は30時間超えの鈍行船なんですよ。そう考えると、これでもかなり恵まれているほうかもしれない。
9. やらかし名無しさん
15時間は誇張じゃないですよ。アマゾンの移動はそういう単位なんです。自分は鈍行のほうに乗ったことがあるんですが、着くまで丸4日かかりました。15時間で済むなら、あの地域ではじゅうぶん速いほうです。
10. やらかし名無しさん
「熱帯の国で凍え死ぬ」——それ、うちの“冬”のあいだの話ですからね。本来なら41度とか42度で苦しんでいる時期なのに、今回はやさしい33度で済んでいるわけです。ようこそブラジルへ。
11. やらかし名無しさん(>>10への返信)
アマゾンに冬なんて存在しませんよ。あるのは「暑い時期」と「雨が降るぶんほんの少しましな時期」の二つだけです。
12. やらかし名無しさん(>>11への返信)
いや、ブラジルの冬は6月21日から9月22日までです。今はまさにその真っ只中で、特に北部は完全に冬の期間に入っています。少なくとも暦の上では、という話ですが。
13. やらかし名無しさん(>>12への返信)
南東部の人が混ざっていますね。アマゾンでいう「冬」は雨季のことで、だいたい12月から5月あたりを指します。天文学的な冬とは無関係で、雨が降るぶん気温がわずかに下がるから冬と呼んでいるだけです。きょうだいがアマゾンの街に住んでいたころ、これを父に説明するのが本当に大変でした。父は北半球の季節で考えるので「今は夏だろう」と言うし、暦の上では南半球なので冬だし、その土地の呼び方では「アマゾンの夏」だし。三重にこじれるんです。
14. やらかし名無しさん(>>13への返信)
投稿者です。南半球なので暦の上では冬、というのはその通りだと思います。ただ、自分がいるのは赤道のすぐ近くで、ここに住んでいる人たち自身が今の時期を「アマゾンの夏」と呼んでいるんですよ。だから体感としては、完全に夏のつもりで荷造りしていました。
15. やらかし名無しさん
マナウス(アマゾン地方で最大の都市)に行ったとき、午前2時の時点で気温30度、湿度はほぼ100パーセントでした。地元の人には「普段はもっと暑いよ」と言われましたけど。あれを冬と呼ぶのは、さすがに無理があると思う。
16. やらかし名無しさん
同じ法則が東南アジアの長距離バスにも当てはまります。外は35度、車内は冷凍倉庫。旅行者が一度は必ず失敗する通過儀礼みたいなもので、二度目からは全員が上着を抱えて乗り込むようになるんです。
17. やらかし名無しさん
それはつらいですね…。誰か余分な上着やパーカーを持っていないか、周りに聞いてみるのはどうでしょう。自分もこの前、冷房が脚に直撃していたのでバンダナで膝を隠していました。あれの15時間版は、ちょっと想像もつかない。
18. やらかし名無しさん
これ本当に腹が立つんですが、ブラジルだけの話ではないんですよね。リモコンを探して自分で温度を上げていいんですよ。見つからなければ船長に頼めばいい。遠慮する必要はまったくありません。黙って凍えるのがいちばん損です。
19. やらかし名無しさん(>>18への返信)
正論なんですが、15時間の移動に羽織るもの一枚持っていかない時点で、それはそれでだいぶ攻めていると思います。旅慣れている人ほど、真夏の移動日こそ薄手の上着を鞄のいちばん上に入れておくものなので。まあ、その学習は一回痛い目を見ないと定着しないんですけどね。
20. やらかし名無しさん
落ち着け、そしてタオルの場所を常に把握しておけ。小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』の有名な教えですが、今回に限っては冗談抜きで実用的な助言です。大判のタオルが一枚あれば、膝掛けにも羽織りにもなりますから。
21. やらかし名無しさん
うちの父がまさにこれでした。車の空調を全開にして、寒くなったら切って、暑くなったらまた全開。目的地に着くまでこの往復を延々と繰り返すんです。中間の温度で落ち着かせる、という発想が本当にない。父さん、ついに熱帯まで行ったんですか。
22. やらかし名無しさん(>>21への返信)
その父です。先日ロサンゼルスが39度あったので、車に乗り込んで冷房を最低まで下げ、送風も最大にして、前の座席が凍りつくまで待ちました。後部座席の3歳児たちが「パパ、風がやだ、風とめて」と言ってくるんですが、私は静かに笑いながら送風口を後ろに向けて、車内全体を理想の8度に近づけていきます。
まとめ
毛布を一枚。それだけの話が、熱帯の川の上での15時間の耐久戦になった。コメント欄にはブラジル在住者が次々と現れて「冷房は最低まで下げるか完全に切るかの二択」と証言し、東南アジアの長距離バスで同じ目に遭った旅行者が続き、最後は「そもそもアマゾンに冬はあるのか」という季節論争で最高潮に達した。誰も投稿者を責めていないのは、たぶん全員が一度は同じ失敗をしているからだろう。暑い土地へ行くときこそ、薄手の上着を鞄のいちばん上に。現地の冷房は、外の気温をまったく見ていない。
元スレッド: 毛布を持たずにブラジルで高速船に乗ってやらかした

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