1日に70本を超える。しかも、画面に出てくる番号は毎回ちがう。着信音を切っても、スマホは数分おきに勝手に光り続ける。仕事の連絡が埋もれ、家族からの電話にも気づけない。投稿者にはこの状態になった心当たりが、ひとつだけあった。数日前、かかってきた詐欺の電話に、ちょっとした仕返しをして遊んでいたのである。
※注:メディケアはアメリカの公的な医療保険で、原則として65歳以上の人などが対象になる制度。日本の後期高齢者医療制度に近い位置づけで、「あなたのメディケアの手続きの件で」と名乗る詐欺電話は、向こうでは定番の手口として知られている。また本文に出てくる「番号の偽装」は、電話をかける側が、相手のスマホに表示される発信番号を好きなものに見せかける技術のこと。とくに、受け手と同じ市外局番・似た並びの番号に化けさせて「近所の誰かかもしれない」と思わせ、電話に出させるやり方が広く使われている。ベライゾンはアメリカ大手の携帯電話会社。
何をやらかした?
📌 投稿者は以前から迷惑電話に悩まされていた。あるとき友人からヒンディー語の罵倒語をいくつか教わり、詐欺の電話がかかってくるたび、自動音声を抜けて生身の担当者につながった瞬間にそれを浴びせて遊ぶようになった。数日後から着信が跳ね上がり、いまは1日70本超。すべて自分と同じ市外局番の別番号に偽装されているためブロック機能が追いつかず、携帯電話会社に一日相談しても返ってきた答えは「番号を変えるしかない」。この告白を書いている最中にも3本かかってきた。本人いわく「詐欺師にやり返して遊ぶのは、やめておいたほうがいい」。
事の発端
もともと、迷惑電話は多かった
投稿者は30代の男性で、防衛関連の企業に勤めている。もともと迷惑電話の数はかなりのもので、本人の言い方を借りれば「みんなと同じように、うんざりするほどかかってきていた」。ここは、日本で毎日のように非通知や知らない番号から着信がある人なら、感覚として分かるところだろう。
かかってくる中身は、ほとんどが同じ型だった。まず自動音声が流れ、案内に従って番号を押すと「担当者におつなぎしますので、そのままお待ちください」と保留になる。しばらくして人間が出てきて、こう切り出す。「あなたのメディケアのパートAとパートBについて確認したいことがあります」。パートAは入院、パートBは外来にあたる給付の区分である。
ちなみに投稿者は30代で、勤め先は防衛関連の企業である。メディケアは原則65歳以上が対象の制度なので、そもそも本人にはまるで縁がない。要するに相手は、番号のリストに沿って片っ端からかけているだけで、こちらが誰かなど一切調べていない。この「調べる気ゼロ」ぶりが、投稿者にはだんだん腹立たしくなっていった。
友人に教わった、口にするのもはばかられる言葉
そんなある日、投稿者は友人からヒンディー語の罵倒語をいくつか教わった。日本語に直すと活字にできない種類の、かなり下品な言葉である。ここで普通なら「へえ」で終わるところだが、投稿者はそれを迷惑電話にぶつけてみようと思いついてしまった。
本人は当時、これを悪いことだとはまったく思っていない。詐欺をやっているのは向こうなのだから、多少言い返されたところで文句を言える立場ではないだろう、という理屈である。実際そのとおりではある。ただ、その理屈が正しいことと、自分の身に何も起きないこととは、まったく別の話だった。
やらかしの一部始終
自動音声を抜けた先が、狙いどころだった
投稿者のやり方は決まっていた。まず自動音声の案内におとなしく従い、保留の音楽を聞きながら待つ。そして生身の担当者につながって、相手が「あなたのメディケアの件で」と言い出したその瞬間に、教わったばかりの罵倒語を全力でぶつける。
本人の告白によれば、これがかなり楽しかったらしい。だます側を逆に引っかけて遊ぶ、という感覚である。しばらくのあいだ、投稿者はかかってくるたびに同じことを繰り返していた。当時はまだ、着信の数もどうにか我慢できる範囲だった。
翌日から、明らかに様子が変わった
異変が始まったのは、その翌日である。まず1本かかってきた。次にもう1本。しばらくして、さらに2本。いずれも表示されるのは自分と同じ市外局番で、そのあとに続く番号だけが毎回入れ替わっている。そして出れば、判で押したように「あなたのメディケアのパートAとパートBについて」。
本数はそこから増え続け、気づけば1日70本を超えていた。仕事中も、移動中も、食事中も鳴る。全部が偽装された番号なので、画面を見ただけでは近所の知り合いからの電話と区別がつかない。投稿者自身は、これを完全に藪をつついて蛇を出した格好だと受け止めている。数日前の悪ふざけが、どこかで自分の番号に印を付けてしまったのだろう、と。
ブロック機能では、どうやっても追いつかない
ここでいちばん厄介なのが、いわゆる「近隣番号」の手口だった。相手は投稿者と同じ市外局番に化け、そのあとの桁だけを変えてかけてくる。1本ずつブロックしても、次は1桁違う番号で来る。理屈のうえでは、その組み合わせを片端から止めていくしかないのだが、実際には999通りの並びを全部登録するような話になる。
そのうえ、投稿者が契約しているサービスで前方一致のブロック指定に使えるのは6件までだった。仮に技術的に可能だったとしても、そもそも投稿者の連絡先には同じ市外局番の相手が何人もいる。市外局番ごと弾いてしまえば、友人や取引先からの電話まで一緒に消える。どこをどう塞いでも、必ずどこかが破綻する。
なお、番号が偽装されている以上、画面に出ている番号から発信元をたどることはできない。相手がどこの誰で、どこからかけているのかは、投稿者本人にも分かっていない。
その後
投稿者は丸一日を、携帯電話会社ベライゾンとのやりとりに費やした。あれこれ試してもらった末に返ってきた答えは、ひとつだけだった。番号を変えるしかない、と。
これがどれだけ面倒かは、説明するまでもないだろう。勤め先にも銀行にも、登録してあるところを片端から差し替え、家族と友人に一人ずつ知らせて回ることになる。数日前のちょっとした仕返しの代償としては、あまりに高くついた。
そして本人によれば、この告白を書いているあいだにも、すでに3本かかってきたという。文章を打っている数十分のうちに3本である。
投稿者は最後まで、全部を自分のせいにはしていない。詐欺をやっているのは自分ではないし、そもそもこの手の電話が野放しになっている状況自体がおかしい、という言い分である。それはそのとおりだろう。ただ、そのうえで本人はこう書き添えている。自分がきっかけを作った部分は、間違いなくあった、と。要約すればこうなる。詐欺師をからかって遊ぶのは、やめておいたほうがいい。
海外の反応
1. やらかし名無しさん
まず気になったのがそこなんだけど、人をだまして金を巻き上げる仕事をしておいて、悪口を言われたくらいで組織ぐるみの嫌がらせに走るの、打たれ弱すぎないか。自分でも言われて当然のことをやってる自覚はあるはずなんだよな。人間って本当によく分からない。
2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
罪悪感ゼロで他人の老後の蓄えを狙っておいて、自分が言われる側になると人並みに傷つくの、そこだけ妙に人間らしくて笑ってしまった。傷つくくらいなら最初からやるなという話なんだが。
3. やらかし名無しさん(>>1への返信)
たぶん傷ついてすらいないと思う。単に「この番号は毎回出るし、ちゃんと反応する」という記録が残っただけじゃないかな。向こうからすれば、感情の問題じゃなくてリストの精度の話。だとすると、腹を立てて言い返すのがいちばん相手の役に立ってるという、いちばん報われないやつ。
4. やらかし名無しさん
これは前に調べたことがあるんだけど、電話に出た時点で「使われている番号」として扱いが変わるらしい。そこから先はリストが業者間で回っていくので、一度出るとしばらく減らない。だから出ない・かけ直さない・何もしないが、地味だけどいちばん効く。
5. やらかし名無しさん(>>4への返信)
うちも半年くらい徹底して無視し続けたら、30分に1本だったのが週に1本まで落ちた。効果が出るまでが長いので、途中で「意味ないな」と思って一度出てしまうと振り出しに戻る。そこが本当につらい。
6. やらかし名無しさん
30代・防衛関連企業勤めの人に高齢者向け医療保険の話を持ちかけている時点で、向こうも相手のことを何ひとつ調べていないわけで。片っ端からかけて、出た人だけ拾えばいいという考え方なんだろうな。それが一定数当たってしまうのがいちばん腹立たしい。
7. やらかし名無しさん
見方を変えれば、いまその70本はあなたに集中してるわけで。その間、本当に危ないお年寄りのところには電話が行ってないことになる。あなたは知らないうちに、けっこうな数の人を守ってるのかもしれない。まあ、慰めにはならないだろうけど。
8. やらかし名無しさん(>>7への返信)
きれいにまとめようとしてるけど、本人は1日70本で日常が壊れてるからな。人助けを名乗るには代償が大きすぎる。そもそも本人が望んでこの役を引き受けたわけでもないし。
9. やらかし名無しさん
発信番号を偽装されると、こちらのブロック機能が丸ごと無力になるのが本当にきつい。うちも市外局番と次の3桁まで自分と同じ番号でかかってくる。1件ずつ止めても、次の日には隣の番号で来る。追いかけっこにすらならない。
10. やらかし名無しさん
いちばん手っ取り早いのは、連絡先に登録した相手以外からの着信を全部留守番電話に回す設定にすることだと思う。本当に用がある人は必ず何か残していくので、それを後でまとめて聞けばいい。鳴らないだけで生活の質が戻ってくる。
11. やらかし名無しさん(>>10への返信)
それができる仕事の人はいいんだよ。自分は初めての取引先や現場から知らない番号でかかってくるので、その設定にすると仕事が止まる。結局は毎回出るしかなくて、いまも1日40〜60本受けてる。番号は社内と業者にしか教えてないのにこれ。
12. やらかし名無しさん
念のために書いておくと、自分はヒンディー語どころか何もしていないのに、今週から急に着信が増えた。週に1〜2本だったのが、いまは1時間に1〜2本。10分で4本続いた日もある。時期が重なってるだけで、あなただけが原因じゃない可能性はけっこうあると思う。
13. やらかし名無しさん(>>12への返信)
この指摘は大事だと思う。同じ週に無関係の人まで急増してるなら、単にどこかで大きな番号リストが出回っただけかもしれない。全部を自分のせいだと思い込むのは、たぶんまだ早い。
14. やらかし名無しさん
最近やってるのは、出た瞬間にファクスの通信音を流すやつ。動画サイトにその音だけを延々と流し続けているものがあるので、再生して受話口に当てるだけでいい。おかげでここ3日は鳴っていない。機械が応答する番号は使えない番号として外されるんじゃないか、と踏んでいる。
15. やらかし名無しさん
うちは無言でやり過ごす派。自動音声はこちらが「もしもし」と言うのを合図に動き出すので、黙ったままでいると数秒で勝手に切れる。相手にとってはただの空振りで、こちらは何も言わなくていい。いまは月に3〜4本まで減った。
16. やらかし名無しさん(>>15への返信)
うちも同じで、出たあと即座に自分の側の音を切ってる。向こうからすると自動応答の留守電と区別がつかないらしくて、そのうち来なくなった。何もしないのが最強という、身も蓋もない結論。
17. やらかし名無しさん
自分は昔、迷惑電話に中国語で応対したことがある。そうしたら今度は中国語で電話がかかってくるようになった。ちなみに自分は中国語を話せない。あれで学んだのは、向こうはこちらの反応をちゃんと記録して、次に生かしてくるということ。
18. やらかし名無しさん(>>17への返信)
リストの言語欄が更新されただけというのが最高に切ない。真面目な話、投稿者の件も同じ構造だと思う。何を言い返したかじゃなくて、「反応がある番号」として印が付いたことが全部の始まりなんだろうな。
19. やらかし名無しさん
正直に言うと、詐欺の電話をからかうのが楽しいのはよく分かる。自分もお年寄りのふりをして同じ話を何度も繰り返させたり、わざと話を長引かせたりしていた時期がある。ただ、この投稿を読んで完全にやめた。楽しいのは最初の数回だけで、ツケはあとからまとめて回ってくる。
20. やらかし名無しさん
結局のところ、番号を変えるのがいちばん早いと思う。面倒なのは分かるけど、1日70本を我慢し続ける時間のほうが確実に高くつく。仕事用にもう1本、地元とは違う市外局番の番号を用意しておくのも手だと思う。そっちに地元の市外局番でかかってきた時点でまず怪しいと分かるので、見分けが一気に楽になる。
21. やらかし名無しさん(>>20への返信)
自分もその形に落ち着いた。私用の番号は家族と友人だけに教えて、それ以外の登録は全部もう1本のほうに寄せる。最初の付け替えは丸一日かかるけど、それ以降が本当に静か。投稿者もどこかで腹をくくることになると思う。
22. やらかし名無しさん
この話でいちばん気の毒なのは、詐欺をやっているのは向こうなのに、生活を作り直す羽目になったのはこちらだという点だと思う。理屈のうえでは投稿者は何も悪くない。それでも実際に困っているのは投稿者だけ。世の中はだいたいそういうふうにできている。
まとめ
詐欺の電話に言い返して遊んでいたら、数日後には着信が1日70本を超え、番号は全部偽装されていてブロックも効かず、携帯電話会社の答えは「番号を変えるしかない」。コメント欄は、無視を貫くのがいちばん効くという実務的な助言と、そもそも投稿者だけが原因ではないのではという指摘、そして「やり返したくなる気持ちはよく分かる」という共感で埋まった。多くの人が同じところに着地していたのが印象的である。相手が怒ったから増えたのではなく、こちらが反応したから「反応する番号」として印が付いた。腹を立てて言い返すのは、いちばん気持ちよくて、いちばん相手の役に立つ行為だったのかもしれない。

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