「ブロックト・バイ・ジェームズ!」——スポーツ用品店の売り場に、25歳の男性の叫び声が響いた。叩き落とされたのは、11歳くらいの男の子が打とうとしていたシュート。そして飛んだ本人の名前は、ジェームズですらない。我に返った投稿者は、投稿の冒頭にこう書いている。「俺、いったい何を考えてたんだ????」
※注:ディックス・スポーティング・グッズは、アメリカ各地のショッピングモールに入っている大手スポーツ用品チェーン。日本でいうスポーツデポやゼビオのような店で、売り場には家庭用のバスケットゴールが組み立てた状態で置いてあり、備え付けのボールで自由に試し打ちができるようになっている。
何をやらかした?
📌 25歳の男性が、スポーツ用品店のバスケットゴール売り場で試し打ちをしていた11歳くらいの男の子めがけて全力ダッシュ。シュート体勢に入ったところに跳び込んでボールを叩き落とし、「ブロックト・バイ・ジェームズ!」と叫んだ。自分の名前はジェームズではない。
事の発端
スニーカーを買いに来ただけの、予定のない一日
その日、投稿者(25歳・男性)はショッピングモールに来ていた。目的はスポーツ用品店でスニーカーを買うこと。それだけである。他に予定もなかったので、買い物を済ませたあとはフードコートにでも行くまでの時間つぶしに、店内をぶらぶら見て回っていた。誰にでもある、何も起きないはずの午後だった。
家庭用ゴールの売り場で、シュートを打つ少年を見かけた
足が止まったのは、家庭用のバスケットゴールが並ぶ一角だった。庭やガレージの前に立てるタイプのやつで、投稿者はすでに自宅に持っているから買う気はない。探していたのは、公園やジムに持っていくボールのほうだ。そのゴールの前で、11歳くらいの男の子が一人でシュートを打っていた。店が試し打ち用に置いているボールである。リングの高さや弾み具合を確かめながら、何本も何本も打っている。ごく普通の、平和な光景だった。
やらかしの一部始終
「走っていってブロックしたい」という衝動が湧いた
その平和な光景を眺めているうちに、投稿者の中に妙な衝動が湧いてきた。走っていって、あの子のシュートを一本ブロックしたら気持ちいいだろうな——と。もちろん、そんなことをするわけがない。25歳の成人男性が、店の売り場で、見ず知らずの小学生のシュートを叩き落とす。ありえない話だ。投稿者本人も、そう思っていた。彼の言葉を借りればこうなる。「もちろん絶対にやらないよな? うん、俺もそう思ってたよ」。
気づいたら、全力で走り出していた
次の記憶では、投稿者はもう走っていた。男の子がシュート体勢に入り、ボールを持ち上げた、まさにその瞬間である。投稿者は正面に跳び込み、上がりかけたボールを片手で叩き落とした。そして、叫んだ。「ブロックト・バイ・ジェームズ!」。……なぜジェームズなのか。投稿者の名前はジェームズではない。本人も投稿の中で「一体誰のつもりだったんだ?」と自問している。男の子は完全に怯えきって、その場で固まってしまった。投稿者はそこでようやく我に返り、すぐさま謝った。「ごめん、自分でもなぜこんなことをしたのか分からない」。子どもからすれば、頭のおかしい大人が現れて、意味不明なことを叫んで去っていっただけである。
その後
話はここで終わらなかった。投稿者はそのあと、モール内の別のスニーカーショップで、あの男の子と再会してしまう。しかも今度は父親が一緒だった。逃げるわけにもいかず、投稿者は父親と話をすることになる。結果から言えば、父親は怒っていなかった。それどころか、最終的には三人とも笑い話にできる空気になったという。それでも投稿者は「ずっと最悪な気分だった」と書き残している。自分の投稿を、彼はこう要約した。「ただシュートを打っていた子どもを犠牲にして、バスケの栄光の日々を追体験しようとした」。
ただし、投稿者自身が最後まで説明できなかった謎が一つ残っている。なぜ、よりによって「ジェームズ」だったのか。本人は「一体誰のつもりだったんだ」と首をひねるばかりだったが、この謎にはコメント欄があっさり答えを出してしまった。普段からバスケットボールを見ている人たちからすれば、あの叫び声には誰でも知っている元ネタがあったのである。
海外の反応
1. やらかし名無しさん
ジェームズは君の中に住んでいる、もう一人の人格だよ。普段は奥で眠っていて、ときどき運転席を乗っ取ってくる。今回はたまたま出番が来ただけの話。気に病むことはない。
2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
誰の中にもジェームズはいる。条件がそろうと勝手に出てくるだけで、本人の意思とはあまり関係がない。だから責任は君ではなくジェームズにある。
3. やらかし名無しさん(>>2への返信)
人間の中には二人の男が住んでいる。片方はまともなほうで、もう片方がジェームズ。ジェームズには絶対に近づくな。
4. やらかし名無しさん
本気で理由が分からないなら教えるけど、アメリカのプロバスケットボールリーグ(NBA)の2016年決勝で、レブロン・ジェームズという選手が試合終盤に相手のシュートを背後から叩き落とした有名な場面がある。そのときの実況の「ブロックト・バイ・ジェームズ!」がネットで散々使い回されていて、たぶんそれが頭のどこかに入っていたんだと思う。
5. やらかし名無しさん(>>4への返信)
これで全部つながった。頭が考えるより先に、耳が覚えている音声を口が再生したわけだ。体のほうが先にネタを覚えているという、いちばん厄介なパターン。
6. やらかし名無しさん
みんな笑ってるけど、11歳の側から見たら、知らない成人男性が全力で走ってきて叫びながら跳んでくるんだよ。固まるに決まってる。自分ならしばらくその店に行けなくなると思う。
7. やらかし名無しさん(>>6への返信)
言いたいことは分かる。ただ、これは考えてやる種類の行動じゃないんだよ。ボールが上がった瞬間に体が勝手に跳ぶ人間は本当にいて、気づいたときにはもう手が出ている。投稿者だって直後にちゃんと謝っている。
8. やらかし名無しさん
一分でいいから、そのまま一緒に何本か打ってあげればよかったのに。そうすればその子の中の記憶が、怖い出来事から楽しい出来事に塗り替わったかもしれない。
9. やらかし名無しさん(>>8への返信)
今のままだと、その子の記憶には「今日、知らない大人が理由もなく絡んできた」という一行で保存されている。塗り替えるチャンスは確かにあった。
10. やらかし名無しさん
バスケには、相手をやっつけた瞬間がそのままポスターの写真になりそうなとき「ポスターにされた」とからかう言い方がある。まさにそれ。あの子の中では、この一本が一生ポスターとして飾られることになる。
11. やらかし名無しさん(>>10への返信)
ただ、相手は11歳で、場所はスポーツ用品店の売り場だからね。ポスターにするには背景の商品棚と値札のポップが惜しすぎる。
12. やらかし名無しさん
久しぶりに、読んで心が温かくなるやらかしだった。誰も怪我をしていないし、誰も破産していないし、最後は父親と笑って終わっている。自分がこういう告白を読み始めた理由を思い出した。
13. やらかし名無しさん
英語には「感じの悪い振る舞い」を、この店の名前とほとんど同じ言い方で表す言い回しがある。おかげでコメント欄がそのダジャレで埋まっていた。事件現場としては出来すぎている。
14. やらかし名無しさん
投稿者、別のところで「あの場面なら知ってる、自分の好きな瞬間の一つだ」って書いてるんだよね。……つまり、なんで叫んだのか分かってるじゃん。
15. やらかし名無しさん
これ分かるんだよなあ。家具店に行くと展示のベッドに寝転がりたくなるし、楽器店ではドラムを一発叩きたくなる。ああいう売り場に入ると、理性が二割くらい持っていかれる。
16. やらかし名無しさん(>>15への返信)
その通りなんだけど、みんなとの違いは実行に移すかどうかの一点だけだからね。しかも投稿者は叫び声までセットで実行している。そこは素直にすごい。
17. やらかし名無しさん
この話でいちばん大人だったのは父親だと思う。ここで怒鳴られていたら、投稿者は一生スポーツ用品店に入れない体になっていた。
18. やらかし名無しさん(>>17への返信)
その子にとっても大きいよ。父親が笑っていれば「変な大人のギャグだった」に上書きされる。子どもの記憶がどっちの色で残るかは、そばにいた大人の顔で決まるところがある。
19. やらかし名無しさん
小学生のとき、近所の兄ちゃんにまったく同じことをやられた。あのときは悔しくて、しばらく毎日その人のところへ挑みに行っていた。今となってはいい思い出になっている。
20. やらかし名無しさん(>>19への返信)
それは知っている相手だからでしょ。まったく知らない大人に売り場でやられるのとは、同じ動作でも意味がぜんぜん違う。そこは分けて考えたほうがいいと思う。
21. やらかし名無しさん
結局いちばんおかしいのは、名前がジェームズですらないところ。自分の名前を叫ぶならまだ分かるのに、なぜか他人の名前で名乗り出ている。
まとめ
やらかしの規模としては小さい話です。誰も怪我をしていないし、お金も失われていない。それでも読んでいて妙にヒヤッとするのは、「体が勝手に動いてしまう瞬間」に心当たりのない人などいないからでしょう。海外の反応も、「11歳の身になってみろ、あれは怖い」という声と「頭より先に体が跳ぶ人間は実在する」という擁護にきれいに割れました。そして共通して評価されていたのが、笑って収めた父親です。子どもの記憶が「怖い出来事」になるか「変な大人のギャグ」になるかは、そばにいた大人の顔で決まるのかもしれません。

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