ガラスの引き戸のすぐ外に、大きなクモが巣を張っている。お腹がふっくらしていて、もしかしたら、もうすぐ母さんになるのかもしれない――。そう思った投稿者は、ちょうど手元にあったフリーズドライのコオロギを、ご褒美のつもりで1匹差し入れました。クモは張り切って(少なくとも投稿者にはそう見えた)コオロギを糸で巻き始めます。ところが、あとから調べてみると、そのごちそうには決定的な問題がありました。
何をやらかした?
📌 自宅のガラスの引き戸の外に巣を張った、お腹の大きいクモ(円い網を張るオニグモやコガネグモの仲間)。「もうすぐ母さんになるかも」と気にかけていた投稿者は、ご褒美にフリーズドライのコオロギを1匹あげた。ところがクモは液体しか口にできないため、カラカラに乾いたコオロギは食べられない。それを知らずにあげたせいで、クモは食べられない獲物を必死に糸で巻き続けることに。15分後、クモはコオロギを網から蹴り出し、地面に落ちたコオロギは、かじりに来たナメクジにまで見放された。
事の発端
ガラス戸の向こうに住みついた「母さん」
投稿者の家には、外に出られるガラスの引き戸があります。その戸の外側に、最近、大きなクモが住みつきました。円い網を張るタイプのクモ(オニグモやコガネグモの仲間)で、体はなかなかの大きさ。しかもお腹がふっくらしていて、ひょっとすると卵を抱えているのかもしれません。
投稿者はこのクモを追い払うでもなく、「もうすぐ母さんになるかもしれない彼女」として気にかけていました。
ちょうど手元にあったフリーズドライのコオロギ
投稿者の手元には、最近手に入れたフリーズドライのコオロギがありました。何に使うつもりだったのかは書かれていませんが、フリーズドライのコオロギは、爬虫類や小鳥のエサなどとして売られているものです。
そこで投稿者は思いつきます。もうすぐ母さんになるかもしれないんだから、ごちそうのひとつもほしいだろう。お腹の大きい彼女へのご褒美として、コオロギを1匹、巣に差し入れることにしたのです。
やらかしの一部始終
張り切ってコオロギを巻き始めたクモ
クモは、差し入れたコオロギを獲物だと思ったようです。円い網を張るクモは、網にかかった獲物を糸でぐるぐる巻きにしてから食べます。彼女もいつものように、コオロギを糸で包み始めました。
「もっとちゃんと調べておけばよかった」
ところが、ここで投稿者は重大なことを知ります。クモは口の仕組み上、液体しか口にできない。だから、フリーズドライのものは食べられないらしい、というのです。
実際、クモは固いものをそのまま飲み込むことができません。獲物に消化液をしみ込ませて中身をどろどろに溶かし、それを吸い上げるという「体外消化」の食べ方をします。水分のないカラカラの虫では、この「溶かして吸う」がうまくいきません。クモを飼っている人たちの間でも、フリーズドライのエサはクモに向かないというのが一般的な見方です。
ぬか喜びさせてしまった罪悪感
目の前では、そんなことを知る由もない彼女が、食べられないコオロギを一生懸命に糸で巻き続けています。投稿者にできるのは、ただ眺めて申し訳なく思うことだけでした。
「要するに、食べられないもので彼女をぬか喜びさせて、ドッキリを仕掛けたようなもの」。幸い、前の日には本物の大きな獲物をしとめていたので、飢え死にする心配はなさそうです。それでも投稿者は「自分がものすごく意地の悪いことをした気がする。かわいそうな母さん」と肩を落としていました。
投稿者の言葉でまとめると、「あげたコオロギを彼女は食べられず、何にもならないことに体力を使っている」。
その後
投稿者は、投稿したあともガラス戸越しに様子を見守り続け、2回にわたって続報を書き込んでいます。
続報1:15分後、網から蹴り出されたコオロギ
それから15分ほどたったころ、クモはついにコオロギを網から蹴り出しました。円い網を張るクモは、食べられないものや要らない獲物が網にかかると、網から切り離して捨ててしまうことがあります。どれだけ巻いても食べられないと、彼女なりに見切りをつけたのでしょう。
話にはまだ続きがありました。地面に落ちたコオロギに、今度は小さなナメクジが寄ってきて、かじり始めたのです。「というわけで、ハッピーエンドってことかな」と投稿者。クモには食べてもらえなかったごちそうも、誰かのお腹に収まるなら無駄にはならない――そう思えた瞬間でした。
続報2(たぶんこれが最後):ナメクジも去っていった
それもつかの間でした。「やっぱり今のなし」。ナメクジはしばらくコオロギの上に乗っていたものの、そのうち離れて、ずるずると去っていったそうです。どうやら口に合わなかったらしい、というのが投稿者の見立てです。
ちなみに投稿者は、このナメクジが去っていく様子を書くときに、ナメクジの進み方を英語で何と言うのか分からず、「ナメクジの移動を何て言うのか知らないけど」とカッコ書きで添えていました。この一言が、あとでコメント欄の人気をさらうことになります。
こうして、投稿者の心づくしのコオロギは、クモにもナメクジにも受け取ってもらえないまま、地面に転がることになりました。
海外の反応
1. やらかし名無しさん
人類の優しさの到達点を見た。ガラス戸の外のクモに「お腹が大きいからごちそうを」なんて考える人、なかなかいないよ。こういう人がもっと増えてほしい。
2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
いや待って、コオロギへの思いやりはどこ行ったの? 乾燥させられたうえに糸でぐるぐる巻きにされて、最後は地面に捨てられてるんだけど。
3. やらかし名無しさん(>>2への返信)
コオロギはもう死んでるからな。どうせなら、その体をほかの生き物が生きるのに使ってもらったほうがいいでしょ。……まあ結局、誰にも食べてもらえなかったんだけど。
4. やらかし名無しさん
(クモの悲しげな鳴き声)……いや、クモが鳴かないのは知ってるけど、この話を読んでたら聞こえてきた気がした。
5. やらかし名無しさん(>>4への返信)
8本の脚で小さいバイオリンを4挺同時に弾いて、自分で悲しいBGMを流してるクモを想像してしまった。
6. やらかし名無しさん
コメント欄で「冷凍のコオロギ」って書いてる人がいるけど、冷凍じゃなくてフリーズドライね。宇宙食のアイスみたいな、カラカラに乾いたやつ。
7. やらかし名無しさん(>>6への返信)
そう、問題は凍ってることじゃなくて乾いてること。お湯を入れる前のカップ麺の中身を、そのまま「はいどうぞ」って出されたようなもんだよ。クモはお湯を持ってないからね。
8. やらかし名無しさん
クモが獲物を溶かして吸うって、学校の生物の授業で習わなかった? 知ってたら最初からあげなかったと思うんだけど。
9. やらかし名無しさん(>>8への返信)
いや、それは高校の生物でもさすがに細かすぎるでしょ。どんな特別授業を受けてたんだよ。自分は小学生のころに、テレビの動物番組で見て知ったくちだけど。
10. やらかし名無しさん
あー、惜しかった! ほかの生き物に何かしてあげようとしただけで、あなたは十分いい人だよ。明日は生きた虫を見つけたら差し入れてあげたら? 干からびたコオロギを巻くのに使った体力を、取り戻せるように。
11. やらかし名無しさん(>>10への返信)
丸い網のクモは自分でちゃんと獲物をとってるから、そこまで気をつかわなくても大丈夫だと思う。しかも古い網を食べて、糸の材料をリサイクルしてる種類が多いらしい。意外と倹約家なんだよ。
12. やらかし名無しさん
これはやらかしじゃないよ、優しくしようとしただけ。クモはたぶん人間みたいに感情を処理してないから、プレゼントがイマイチでも気を悪くしたりはしてない。「これは食べられないな」と判断して突き返しただけ。むしろ怒っていいのは投稿者のほうだよ。せっかくの贈り物を、ナメクジ用に地面に捨てられたんだから。失礼な母さんだ。
13. やらかし名無しさん(>>12への返信)
それに虫の世界では、干からびた死骸に出くわすことなんて日常茶飯事だと思う。彼女にとっては「あ、ハズレか」くらいの出来事だから、そんなに気に病まなくていいよ。
14. やらかし名無しさん
クモ側の投稿:「今日、人間に出前を頼んだらやらかした」。評価は星1つ。「届いた料理がカラカラで、どうやっても食べられませんでした」。
15. やらかし名無しさん
最後の「ナメクジの移動を何て言うのか知らないけど」で全部持っていかれた。クモの話を読みに来たはずなのに、頭に残ってるのはナメクジだよ。
16. やらかし名無しさん(>>15への返信)
分かる。全体的に読み物として面白かったけど、あの最後の一行で完全に吹いた。カッコ書きの自信のなさがたまらない。
17. やらかし名無しさん
「ナメクジの移動方法」って、バンド名にありそうじゃない? デビューアルバムのタイトルは「口に合わなかった」で決まり。
18. やらかし名無しさん(>>17への返信)
ちなみに真面目に答えると、ナメクジはお腹側の筋肉を波のように動かして、自分で出した粘液の上を滑るように進むんだって。つまり答えは普通に「這う」。ロマンのない正解でごめん。
19. やらかし名無しさん
ナメクジがちょっとかじって去っていくのが完璧なオチ。図らずも、世界一小さくて世界一辛口のグルメ審査会を開いちゃったね。審査員2名、どちらも完食せず。
20. やらかし名無しさん
うちのおばさんが、ペットのヤモリに乾燥ミールワーム(エサ用の甲虫の幼虫を干したもの)をあげたことがあるんだけど、ヤモリはそれをいつまでもじっと見つめてるだけだった。動かないエサは、エサに見えないのかもね。
21. やらかし名無しさん
善意が空回りする話で思い出した。道路を渡ってたカメを「助けてあげる」って拾い上げて、近くの池に放り込んだ動画配信者がいたんだよ。陸で暮らすカメは泳ぎが得意じゃなくて、深い水に入れられると溺れることもあるのに。それに比べたら、投稿者のやらかしなんてかわいいもんだ。
22. やらかし名無しさん
クモとナメクジが意気投合して、子どもが生まれたらどうするの。脚が8本生えたナメクジとか、ぬめぬめのクモとか。想像したら眠れなくなった。
まとめ
もうすぐ母さんになるかもしれないクモへ、ご褒美に差し入れたフリーズドライのコオロギ。液体しか口にできないクモは必死に巻いた末に網から蹴り出し、下のナメクジにまで見放されました。海外の反応は投稿者の優しさをたたえる声に「コオロギへの思いやりは?」のツッコミ、そしてなぜか「ナメクジの進み方」に持っていかれる人が続出。善意の空振りでも、誰も傷つかなかったのが救いです。

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