「起きろ、この無職のちびゴブリン」隣人に譲った猫の給餌器から、毎朝6時に自分の声が流れていた

「起きろ、この無職のちびゴブリン」隣人に譲った猫の給餌器から、毎朝6時に自分の声が流れていた SNS・デジタル

毎朝6時ちょうど、部屋のどこかから男の声がする。「起きろ、この無職のちびゴブリン。お前の生活保護が届いたぞ」。猫を迎えたばかりの女性は、二日にわたって部屋という部屋を確認して回った。誰かが家の中にいるとしか思えなかったからである。声の主は、同じ建物に住む隣人だった。ただし本人に悪気があったわけではない。悪気がないどころか、自分の声が毎朝そこで流れていることを、きれいさっぱり忘れていた。

※注:海外で普及している猫用の自動給餌器には、飼い主の声を数秒ぶん録音しておける機種がある。設定した時刻にフタが開くのと同時にその声が流れ、猫を呼び寄せる仕組みだ。またペットを飼う人たちのあいだには、働きもせず飼い主に食べさせてもらっている犬猫を「無職」「生活保護で暮らしている」とからかう定番の言い回しがある。ベビーモニターは、別室の音や様子を手元で確認できる見守り用の機器のこと。

何をやらかした?

📌 投稿者は、猫が使わなくなった自動給餌器を半年ほど台所の戸棚にしまい込んでいた。同じ建物に住む女性が猫を引き取ったと聞き、それをそのまま譲る。ところが給餌器には、投稿者自身の声で「起きろ、この無職のちびゴブリン。お前の生活保護が届いたぞ」という朝の呼びかけが録音されたままだった。毎朝6時、女性の部屋には知らない男の声が響く。一日目はベビーモニターから誰かが喋っていると思い、二日目は電源を抜いてもまだ聞こえたため、家に誰かが入り込んでいると考えて部屋を一つずつ確認して回った。ようやく発生源を突き止めたのは、6時ちょうどに給餌器の真横に立ったときである。彼女は給餌器を抱えて投稿者の部屋の扉を叩き、なぜあなたの声が日の出前からうちの猫を罵っているのかと尋ねた。

事の発端

フードを変えた途端、猫が給餌器を無視しだした

話は投稿者の家の猫から始まる。あるとき投稿者はキャットフードを別のものに切り替えた。すると猫は、それまで使っていた自動給餌器にぱったり寄りつかなくなった。中身が変わったのが気に入らなかったのか、単なる気分なのかは分からない。ともかく機械は用済みになったので、投稿者は中を掃除し、台所の戸棚に押し込んだ。そこから半年ほど、その存在は完全に忘れ去られる。使わない家電が戸棚の奥に沈んでいく速さは万国共通らしい。

そしてここが後々効いてくるのだが、この給餌器は飼い主の声を録音できるタイプだった。餌が出るタイミングで飼い主の声が流れれば、猫は音を覚えて寄ってくる。本来はそういう機能である。投稿者がそこに吹き込んでいたのが、例の一言だった。「起きろ、この無職のちびゴブリン。お前の生活保護が届いたぞ」。飼い主が愛猫に向かって言う分にはただの愛情表現で、朝ごはんの合図としてもよくできている。問題は、この声が家の外に出ていくことを誰も想定していなかった点だ。

「猫を引き取ったんです」という世間話

しばらくして、同じ建物に住む女性が猫を引き取ったという話を投稿者の耳に入れる。海外の集合住宅では、廊下やエレベーターで顔を合わせる程度の間柄でもこの種の世間話が生まれるし、使わなくなった道具を「よかったらどうぞ」と譲り合うのもよくある光景だ。投稿者も戸棚の奥のことを思い出した。ちょうどいい、猫を飼い始めたばかりならきっと役に立つ。そう考えて、給餌器を差し出した。

ここまでの投稿者の行動に、責められるところは一つもない。むしろ善意しかない。忘れていたのはただ一点、その箱の中に自分の声が半年前のまま残っている、ということだけだった。

やらかしの一部始終

一日目 ── ベビーモニターから誰かが喋っている

翌朝6時。まだ外は暗い。女性の部屋に、聞き覚えのない男の声が響いた。「起きろ、この無職のちびゴブリン。お前の生活保護が届いたぞ」。眠りから引き剥がされた彼女がまず疑ったのは、部屋に置いてあったベビーモニターだった。電波が混線して、どこかのよその音声を拾ってしまったのだろう。機械が変な音を出した、という解釈は、朝6時の頭がひねり出す説明としてはむしろ理性的なほうである。この日はそれで片づいた。

二日目 ── 電源を抜いても、声は消えなかった

念のため、彼女はその晩ベビーモニターの電源を抜いてから眠った。これで静かな朝が来るはずだった。ところが翌朝6時、まったく同じ声がまったく同じ調子で流れた。ここで解釈が根本からひっくり返る。機械の不具合ではないのなら、消去法で残る答えは一つしかない。この家のどこかに、人がいる。

彼女は部屋を一つずつ確認して回った。クローゼット、風呂場、家具の裏。当然ながら誰もいない。だが誰もいないという結果は、この状況では安心材料にならない。声は確かに聞こえたのに、出どころが分からないままなのだから、むしろ気味悪さが増すだけである。引き取ったばかりの猫だけが、毎朝きちんとごはんにありついていた。

決着がついたのは、彼女が6時ちょうどに給餌器の真横に立って待ち構えたときだった。定刻、フタが開く音とともに、真下から例の声が流れ出す。この一週間ほど自分を怯えさせていた男の正体は、台所の床に置かれた猫の朝ごはん係だった。

その後

彼女は給餌器を抱え、投稿者の部屋の扉を叩いた。そして尋ねた。なぜあなたの声が、日の出前からうちの猫を罵っているんですか。詰め寄られた投稿者はそこで初めて、自分が半年前に何を吹き込んでいたかを思い出す。録音はその場で消された。機械としての問題は、これできれいに解決している。

ただし、人間関係のほうは解決していない。二人は同じ建物の住人なので、これからもエレベーターで顔を合わせる。しかもお互いに知っているのだ。彼女が数日間、明け方の部屋で「知らない男の声」の主を探して歩き回っていたこと。そしてその男が、いま隣で階数表示を見上げている当人だということを。投稿者いわく、そこがこの話でいちばんきついところらしい。無言の数十秒というのは、事情が特殊であればあるほど長くなる。

本人による締めの要約はこうだ。何か月も使っていなかった自動給餌器を隣人に譲ったが、それが自分の声で朝ごはんを知らせる設定のままで、しかも猫を「無職のちびゴブリン」呼ばわりする内容だったことを忘れていた。誰も損をしていないし、猫にいたっては新しい家で毎朝定時にごはんを食べているだけである。それでも当事者二人には、しっかり気まずさだけが残った。

海外の反応

1. やらかし名無しさん
これで笑えなかったのだとしたら、その人はユーモアの感覚をいちど点検に出したほうがいい。朝から他人の声が自分の猫を罵倒してくれる家、私なら大歓迎です。

2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
正直、私だったら絶対に消しません。むしろ音量を上げます。毎朝6時に他人の声で猫が生活保護受給者呼ばわりされる生活、これ以上おもしろい目覚まし時計は存在しないでしょう。

3. やらかし名無しさん(>>1への返信)
ただ、一日目と二日目に彼女が味わっていたのは正真正銘のホラーなんですよね。笑えるのは正体が分かってからで、それまでは「家の中に知らない男がいる」だったわけで。気持ちの切り替えに数日かかるのは無理もないと思います。

4. やらかし名無しさん
「日の出前からうちの猫を罵っている」という一文、状況説明として完璧すぎませんか。本気で怒っているはずなのに、口に出した瞬間に本人まで笑いそうになるやつです。

5. やらかし名無しさん(>>4への返信)
その言い方だと、日の出のあとなら猫を罵ってもいいことになりますね。私は全面的に賛成しておきます。うちにも無職のちびゴブリンが一匹、堂々と居座っていますので。

6. やらかし名無しさん(>>5への返信)
うちは二匹いますが、どちらも犬のほうです。無職なうえに泥棒でもあって、隙あらば私のピクルスを持っていこうとします。不正受給の摘発は時間の問題だと思っています。

7. やらかし名無しさん
声を録音できるタイプの自動給餌器は、だいたい1万5千円前後します。半年しまい込んだあげく無料で人に譲っているわけで、投稿者はやらかす前にけっこう気前のいいことをしているんですよ。

8. やらかし名無しさん(>>7への返信)
1万5千円の給餌器がただでもらえて、しかも毎朝うちの猫を煽ってくれる音声つき。これを損だと考える人はいないでしょう。私なら得しかしていないと判断します。

9. やらかし名無しさん
大人になってから気づいたことのひとつが、ペットを飼っていない人はこの手の冗談の文化圏にいない、という事実でした。飼い主同士なら一秒で通じる悪態が、外から聞くと本当にただの暴言に聞こえるんですよね。

10. やらかし名無しさん(>>9への返信)
分かります。「餌をやってる人間を殺しにくるな、この馬鹿」なんて飼い主の日常語ですが、事情を知らない人が録音で聞いたら完全に通報案件です。あれが愛情表現だと説明するほうがよほど難しい。

11. やらかし名無しさん
うちの給餌器にも自分の声が入っています。今日この話を読むまで、人に譲るときのことなんて一度も考えたことがありませんでした。とりあえず今から中身を再生して確認してきます。

12. やらかし名無しさん
数年前に猫の給餌器を人にあげたんですが、たしか自分の「ほら、おいで、にゃんにゃんにゃん」が入ったままでした。あの家で今も毎朝流れているかもしれないと思うと、急に落ち着かなくなってきましたね。

13. やらかし名無しさん
大学のオンラインの期末試験を、居間で受けていたときの話です。試験中は部屋を静かに保つよう指示されていたのに、三メートル先の自動給餌器の存在をすっかり忘れていました。定刻になった瞬間、部屋いっぱいに「腹ペコ子猫! 腹ペコ子猫! 腹ペコ子猫!」が響き渡りました。恥ずかしさで一回死にました。

14. やらかし名無しさん(>>13への返信)
試験官の先生、その場では真顔を保っていたとしても、あとで絶対に同僚に話していると思います。何年経っても職員室で語り継がれるやつです。

15. やらかし名無しさん
少し似た話をひとつ。息子の髪を切った日に、その切った毛が入ったままの封筒で、うっかり書類を弁護士に郵送してしまったことがあります。その弁護士は見事につるつるの頭でした。書類は送り返されてきました。たぶん嫌がらせだと思われたんでしょうね。こちらもしばらくは変わった人だなと思っていて、封筒の中の髪に見覚えが出るまで真相に気づきませんでした。

16. やらかし名無しさん
個人的にいちばんぞっとしたのは二日目です。モニターの電源は抜いたのに、同じ時刻に同じ声がまた聞こえてくる。あの瞬間の「じゃあこの声はどこから出ているんだ」は、想像するだけで背中が寒くなります。

17. やらかし名無しさん(>>16への返信)
しかもホラーとしての解決編が「声の主は同じ建物に住んでいる人でした」なんですよ。普通ならそこが話のいちばん怖くなるところなのに、この件に限っては真相のほうが平和という珍しい構図です。

18. やらかし名無しさん
気になるのは、そのあと新しい音声を録り直してあげたのかどうかです。もし彼女が自分で吹き込んだ内容も似たような調子だったなら、この話は一気に美談として着地すると思うんですが。

19. やらかし名無しさん
録音を消して一件落着、と言いたいところですが、いちばんの罰は毎日のエレベーターですよね。彼女が数日間、明け方に自分を探して家じゅうを歩き回っていたことを、二人とも知っている。あの数十秒はさぞ長いでしょう。

20. やらかし名無しさん
教訓としては、声や設定を記憶する機械を人に譲るときは中身を消してから、ということに尽きます。給餌器に限らず、車のナビも家庭用のスピーカーも同じ。ただ、そこまで気が回る人はそもそもやらかしませんし、やらかさない人の話は読んでも面白くないわけで。

まとめ

使わなくなった猫の自動給餌器を、猫を迎えたばかりの隣人に譲った。消し忘れていたのはただ一つ、朝ごはんの合図として自分で吹き込んだ「起きろ、この無職のちびゴブリン。お前の生活保護が届いたぞ」の一言だけである。海外の反応は、彼女が二日間味わった恐怖に同情しつつも、大半が「そのまま残しておけばよかったのに」で一致していた。録音機能のついた機械を人に譲るときは、中身をいちど再生してから。分かってはいても、しまい込んで半年経った箱の中身を覚えている人は、そういない。

元ソース: 自分の声が入ったままの猫の自動給餌器を、隣人に譲ってしまった

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