「夜11時に飲んでも、自分は普通に眠れる。だからカフェインが効かない体質なんだ」——30歳の投稿者は、20歳からの10年間、本気でそう信じて生きてきた。その10年、口に入れる水分はほぼエナジードリンクの青い缶だけ。顔はいつも青白く、目の下のクマは年々ひどくなり、体は重いのに眠れた気がしない。原因が分からず何度も病院を回った末にたどり着いた答えは、拍子抜けするほど単純なものだった。
※注:文中の「アブソリュートリー・ゼロ」は、モンスターエナジーの砂糖を使っていない青い缶のこと。海外ではエナジードリンクが箱単位でまとめ売りされていて、日本よりずっと日常的に飲まれている。投稿者は身元がばれないよう、この告白のためだけに作った捨てアカウントで書き込んでいる。
何をやらかした?
📌 20歳から30歳までの10年間、投稿者の水分補給はほぼエナジードリンクの缶だけだった。直近3年は朝・昼・晩あわせて1日4〜5本。夜遅くに飲んでも眠れることから「自分はカフェインが効かない体質だ」と結論づけ、慢性的なだるさ・青白い顔・ひどいクマ・じっとしていても起こる動悸の原因を、何年も病院で探し続けていた。答えは「体質」ではなく、その体質説を10年かけて自分に信じ込ませていたこと自体のほうにあった。
事の発端
20歳、1日1〜2本から始まった
始まりはごく平凡だった。20歳のころ、砂糖の入っていない青い缶を1日に1本か2本。当時はそれを「気に入っている飲み物」くらいにしか思っていない。10代のころに何かのエナジードリンクを1本飲んだのが最初で、そこから少しずつ本数が増えていった、と投稿者はのちにコメント欄で書いている。
本数は年単位でじわじわ増えた。3本になり、4本になり、直近の3年は最低でも1日4〜5本。朝起きて1本、昼に1本、夜にも飲む。増えていく途中に「さすがに多いのでは」と立ち止まる瞬間が一度もなかったわけではないだろうが、少なくとも本人は、そこで考えるのをやめてきた。
「水」という選択肢が語彙から消えていた
投稿者の言い方が印象的だ。曰く、水は自分の語彙に入っていなかった。起きがけにコップ1杯、特に喉がカラカラなときは寝る前にもう1杯。それ以外の起きている16時間は、缶しか飲んでいない。
本人はこれを条件反射だったと振り返っている。仕事でもゲームでも、パソコンの前の椅子に座った瞬間に、冷蔵庫のキンキンに冷えた缶が要る。他の飲み物では「しっくりこない」。喉が渇いたから飲むのではなく、椅子に座ったから飲む。この順番が完全に入れ替わっていたことに、10年間気づかなかった。
やらかしの一部始終
「自分はカフェインが効かない体質」という結論
ここから、本人が「オリンピック級の頭の体操」と呼ぶ理屈づけが始まる。夜11時に缶を1本空けても、自分は普通に寝つける。だから自分の体はもうカフェインに反応しなくなっているのだ——そう結論づけたのである。
科学的にどうなのか、常識に照らしてどうなのか。考えれば分かりそうなことを、投稿者は10年間ずっと考えなかった。理由は本人がはっきり書いている。この習慣を手放したくなかったからだ。習慣を守るために都合のいい説明を用意して、それに合わない情報のほうを頭から追い出す。あとから振り返ればすぐ分かる構図だが、渦中にいる本人にはこれが「自分なりに納得のいく説明」として機能してしまう。
顔色、クマ、体重、動悸——それでも原因は見つからなかった
体のほうは、正直だった。投稿者は何年ものあいだ、不調を抱えて病院に通い続けている。訴えていたのは、だいたい次の4つだ。
- 興奮作用のある飲み物を大量に入れているのに、慢性的に元気が出ず、いつも疲れきっている
- 顔色が悪く、極端に青白い。最近は目の下のクマがひどくなり、何年も寝ていない人のような顔になってきた
- 食べる量をかなり減らしているのに、体重がまったく落ちない
- じっと座っているだけで、脈が速くなったり動悸がしたりする
4つ目については、投稿者自身「これはカフェインのせいだ」と分かっていた。分かっていて、それでも見ないふりを通した。ここがこの話のいちばん人間くさいところで、他の3つの原因を必死に探しながら、いちばん明白な1つは意識の外に置き続けていたわけである。
転機は1〜2か月前に来た。目の下のクマがなぜここまでひどくなるのかを自分で調べていて、突然つながったという。自分はカフェインが効かないのではない。ただ缶に慣れきっていて、そのうえ水分が足りていないのではないか。「体に十分な水分が要る」という当たり前の話と「毎日大量のカフェインを入れている」という自覚を、10年間、習慣を守るためだけに頭の外へ押し出していた。
ちなみに、だるさも顔色もクマも動悸も、原因は一つとは限らない。投稿者の見立てはあくまで本人のもので、体調不良の理由は検査してみないと分からないものだ。この話は「自分で原因を言い当てた成功談」ではなく、「10年ものあいだ、自分に都合のいい説明を採用し続けた記録」として読むのが正しい。
その後
気づいた投稿者は、ようやく本数を減らした。いまは多くても1日2本まで、そして午後3時以降は飲まない。それ以外の水分は、レモンを入れた水に切り替えたという。
文字にすると簡単だが、本人は「まだかなりきつい」と正直に書いている。喉が渇いたときに缶に手が伸びるのを止めるのが、いちばん難しい。しかもあの味が本当に好きなのだと。カフェインの入っていない同じ味の商品があれば買うのに、それが売っていないのが残念だ、というのが本人の言い分である。
この告白を投稿した動機についても、投稿者ははっきり書いている。自分にとっての「最終章」として区切りをつけるため。そして誰かにとっての警告になれば、それでいい。もしそうならなくても、10年間ぶっ通しで間抜けをやり続けた人間を笑ってくれれば十分だ、と。
きっかけになったのは、別の投稿だった。何年もコーラのゼロカロリー版だけを飲み続け、慢性的な頭痛の原因を突き止めようと医者に大金を払っていた男性が、実は水分が足りていなかっただけだった——という話を読んで、缶のロゴが違うだけで自分とまったく同じだと気づいたのだという。誰かの告白が、別の誰かの10年を終わらせることもあるらしい。
海外の反応
1. やらかし名無しさん
この人がいずれ作り上げるであろう腎臓の結石は、さぞかし立派なものになるだろうな。10年分の熟成ものだ。
2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
カットして指輪に加工しておけばいい。誰かに褒められたら「ありがとう、自分で作ったんだ」と答えられる。世界に一つだけの一品だ。
3. やらかし名無しさん
「喉が渇いたから飲む」んじゃなくて「椅子に座ったから飲む」になっていた、というくだりが刺さりすぎて笑えない。自分もパソコンの前に座った瞬間、考える前に手が冷蔵庫に向かっている。あれは味の問題じゃないんだよな。
4. やらかし名無しさん(>>3への返信)
分かる。正直、中身よりもプルタブを起こすときの「プシュッ」と、冷えた缶を握ったときの手の感触のほうが本体だと思っている。だから中身が水だったら成立しないんだ、これが困る。
5. やらかし名無しさん
意地悪で言うんじゃないけど、1日5本飲んで他に何も飲まず、それで体調が悪い理由が分からなくて病院に行く、というのがちょっと理解しづらい。頭痛と検索すれば、かなり早い段階で水分不足の話が出てくるはずなんだ。
6. やらかし名無しさん(>>5への返信)
これは水分がどうこうという話じゃなくて、依存の話なんだよ。依存状態の脳は、自分がしがみついている対象に不利な考えが浮かばないように、平気で嘘をついて思考をねじ曲げてくる。だから「常識で分かるだろ」が通用しない。脳の働き方そのものが変わってしまうから。
7. やらかし名無しさん
睡眠を診ている医者です。「寝る前にコーヒーをポットごと飲んでも自分は普通に眠れる」と自信満々に言う患者さんに会うたびに1ドルもらえていたら、明日にでも引退できていたと思う。念のため書いておくと、そう言う人たちの眠りは実際には整っていない。だからこそ、こちらの外来にいらしているわけです。
8. やらかし名無しさん(>>7への返信)
これは広まってほしい話だ。自分もずっと「すぐ寝つけて朝ちゃんと起きられる=よく眠れている」だと定義していた。でも、ただ寝ているということと、ちゃんと休めているということは別なんだよな。この違いを知らない人はかなり多いと思う。
9. やらかし名無しさん
昔の職場に、1シフトごとにエナジードリンクを箱買いして全部飲みきる同僚がいた。あるとき上が「勤務中は水だけ」という決まりを作ろうとしたら、彼が本気で怒り出した。飲まないと頭痛がするから無理だ、というのが言い分だった。
10. やらかし名無しさん
誰も歯の話をしていないのが気になる。炭酸と酸性の飲み物を10年間ずっと口に入れていたなら、歯の表面はそれなりに影響を受けると言われている。本数を減らしたついでに、一度歯科でも診てもらったほうがいいと思う。
11. やらかし名無しさん
10代から20代前半までチェリーコーラしか飲まなかった人間として言わせてほしい。いま全部やめたほうがいい。自分は10年以上、繰り返し腎臓の結石に悩まされて、医者には飲み物のせいだろうと言われた。今はお茶と水と果汁と、1日1杯のコーヒーだけ。40代になった今のほうが、あのころよりずっと調子がいい。
12. やらかし名無しさん(>>11への返信)
妻の同僚の看護師さんが、あるとき急に痩せたので理由を聞いたら「炭酸飲料をやめただけ」と言われたらしい。よく聞いたら、それまで1日に12本入りの箱を1つ空けていたそうだ。やめれば痩せるというより、それまでが凄すぎる。
13. やらかし名無しさん
自分は数十年にわたって、炭酸飲料を1日6〜8本飲んでいた。若いころは1本飲んですぐ寝られたし、それで何年も平気だった。そのうち心臓がいつもバクバクするようになって、さすがにやめた。その後いくつか持病がついたよ。自分が「効かない体質」だと思っていたわけじゃない。ただ若くて、今より頭が回っていなかっただけだ。
14. やらかし名無しさん(>>13への返信)
それ、今まさに自分です。どうやってやめられたのか聞きたい。これがないと1日を乗り切れない感覚があって、自分でも完全に依存だと分かっているのに手が止まらない。
15. やらかし名無しさん
どうしても腑に落ちないことがある。缶入りの飲み物は安いと思っている人が多いけれど、水は世界のほとんどの場所でほぼタダなんだよ。喉を潤すためだけになぜお金を払うのか。計算してみてほしい、1日5本を10年なら18,000本を超える。1本300円としても540万円だ。かなり良い旅行が何度もできる金額だぞ。
16. やらかし名無しさん(>>15への返信)
それだ。自分はアイスコーヒーが大好きだけど、店で1杯700円払うのがどうしても正当化できなくて、家で作れるようになった。豆とミルクを合わせて月に2,500円くらい。缶を1日5本だと、12本入りの箱が3,600円として1日1,500円だ。この差は、さすがに気になってしまう。
17. やらかし名無しさん
これが本当の話なら、なかなかすごい。1日2本でも、国によっては示されている1日の目安にかなり近づくと言われているレベルだ。減らした後の量ですら、そこそこの数字なんだよな。
18. やらかし名無しさん
投稿者です。まさにそれを共有したかった。自分だって最初から1日2.5リットル飲んでいたわけじゃなくて、10代のときに0.33リットルの缶を1本飲んだところから、じわじわ増えていっただけなんだ。間抜けに聞こえるだろうけど、本当にただ「そうなってしまう」。考えたくなかったんだよ。考えたら、やめなきゃいけなくなるから。
19. やらかし名無しさん
悪いけど、1日2本もまだ多いと思う。多くの人にとって、こういう飲み物は「週に2本くらいの嗜好品」という位置づけじゃないか。毎日の水分補給の枠に入れる時点で、まだ考え方が元のままな気がする。
20. やらかし名無しさん(>>19への返信)
現場仕事をしている身から言うと、その「多くの人」は現実にはあまりいない。そうあるべきだというのは同意するけど、毎日ガブガブ飲んでいる人はうんざりするほどいる。投稿者が特別におかしいわけじゃないんだ、そこが怖いところで。
21. やらかし名無しさん
自分は1日1本だけど、飲んだら必ず水を1本追いかけて飲むようにしている。それ以外は水だけで、1日にペットボトル3〜5本くらい。減らせた人にえらそうなことは言えないけど、レモン水に切り替えられた時点でこの人はかなり良い方向に進んでいると思う。10年続いた習慣を自分で見つけて手を入れられたなら、それは笑い話じゃなく普通に立派だ。
まとめ
10年ぶんの缶と、10年ぶんの言い訳。「自分はカフェインが効かない体質だ」という結論は、体の声ではなく、習慣を守りたい頭が用意した理屈だった。海外の反応も「今すぐ全部やめろ」の合唱一色にはならず、同じことをやっていた告白、依存の仕組みを説明する声、費用を計算し始める人、そして「自分も座った瞬間に手が伸びる」という共感がきれいに混ざっていた。人は好きな習慣を守るために、驚くほど上手に自分をだませるらしい。もっとも、この投稿者は10年目に自分でそれに気づき、ちゃんと手を入れた。なお、だるさや動悸、顔色の悪さに心当たりがある人は、自己判断で原因を決めつけず、医療機関で相談してほしい。

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