「これ、ヴィーガンだから」と十五人の前で宣言した送別会のブラウニー、その夜に冷蔵庫を開けたら…

「これ、ヴィーガンだから」と十五人の前で宣言した送別会のブラウニー、その夜に冷蔵庫を開けたら… 職場

「これ、私が焼いたんです。全部ヴィーガン仕様だから」——職場の送別会で、投稿者は十五人ほどの前でそう宣言した。同じ部署にもう一人だけいる完全菜食の同僚に、たまには安心して食べられるものを用意してあげたかったからだ。彼女はブラウニーを四つ平らげ、「ここ何年かで食べたなかで一番おいしい」とレシピまで欲しがった。投稿者が真実を知るのは、その日の夜、夕食を作ろうと自宅の冷蔵庫を開けた瞬間である。

※注:「ヴィーガン」は、肉や魚だけでなく卵・乳製品・はちみつなど動物由来のものを一切口にしない完全菜食のこと。卵や乳製品は食べる人も多いベジタリアン(菜食主義)とは区別される。「送別会」は英国では「leaving do」と呼ばれ、職場を去る人のために開く集まりを指す。かしこまった宴会ではなく、勤務時間の後にパブへ流れたり、職場の一角に各自が軽食や菓子を持ち寄って立ち話をしたりする形式が多い。「シェアハウス」は他人同士が一軒の家を借りて個室に住み、台所や冷蔵庫を共用する住み方で、英国の若い勤め人にはごく一般的である。

何をやらかした?

📌 ヴィーガン歴およそ2年半の投稿者が、職場の送別会に手作りのブラウニーを2皿持参。「これはヴィーガン仕様です」と十五人の前で宣言し、菜食歴10年の同僚に4つ食べさせた。ところが前夜、シェアハウスの共用冷蔵庫で、自分の植物性バターと同居人の乳製品バターを取り違えていた。同じメーカー、同じ金色の包み、同じ棚。帰宅して冷蔵庫を開けると、自分のバターは封も切られないまま置かれていた

事の発端

焼いてくるのは、いつも自分の役目だった

投稿者がヴィーガンになって、およそ2年半になる。職場で何かイベントがあるとき、菓子を焼いて持ってくるのは決まって投稿者の担当だった。腕を買われてというより、単純にほかに誰もやろうとしないからである。

金曜日に送別会をやると決まり、投稿者は前の晩に2皿分のブラウニーを焼いた。仕事のシフトが明けた後、自宅の台所で、夜の11時に。本人が「これが後で効いてくる」とわざわざ書き添えているとおり、この時間帯が今回の分かれ道になる。

共用の冷蔵庫は、本人いわく「戦場」

投稿者はシェアハウス暮らしで、冷蔵庫は同居人と共用している。誰が何をどこに置いたのか、開けるたびに配置が変わっている。投稿者はその状態を「うちの冷蔵庫は戦場だ」と表現した。

問題はバターだった。投稿者が焼き菓子用に使っている植物性のバター(乳を使わず植物油で作られたバターの代用品)と、同居人が使っている普通の乳製品バター。この二つが、同じメーカー、同じ金色の包み紙、同じ大きさで、ドアポケットの同じ段に並んで住んでいた。英国のスーパーでは同じ会社が乳製品版と植物性版を並べて売っていることが多く、包装の色もほとんど変わらない。違いは表示の文字だけである。シフト明けの夜11時、台所の明かりの下で、その文字をどれだけ真面目に読むか——という話になる。

やらかしの一部始終

「これ、ヴィーガンだから」を、その日3回言った

金曜日。投稿者は焼き上がったブラウニーを職場に運び込み、軽食の並ぶテーブルに置いた。

同じ部署には、投稿者のほかにもう一人だけ完全菜食の同僚がいる。こういう持ち寄りの席では、彼女が食べられるものがテーブルに一つもない、ということが珍しくない。せめて今日くらいは何か口に入れてほしい。そう思った投稿者は、声に出してはっきり言った。「これ、ヴィーガンです。私が焼きました」。その場には十五人ほどがいた。

同僚は喜んでブラウニーに手を伸ばし、結局4つ食べた。そして「ここ何年かで食べたなかで一番おいしい」と言い、レシピを教えてほしいと頼んできた。すっかり気を良くした投稿者は、テーブルにいた別の二人にも同じことを言った。「これ、ヴィーガンなんですよ」。この日、投稿者は3回それを口にしたことになる。ついでに、自分でも3つ食べた。

午後7時半、自宅の冷蔵庫の前で固まる

帰宅したのは午後7時半。夕食を作ろうと冷蔵庫を開けた投稿者の目に、ドアポケットに置かれた自分の植物性バターが飛び込んできた。封も切られていない、まっさらな状態で。

つまり前の晩に投稿者が生地に混ぜ込んだのは、隣に並んでいた同居人の乳製品バターだった。2皿分のブラウニーは、バターの分だけしっかり乳製品入りだったことになる。そして、その中で一番多く食べたのが、菜食を10年続けてきた同僚である。2年半でも10年でもなく、10年。

もちろんアレルギーの話ではないので、誰かが倒れるわけではない。それでも、本人が10年守ってきたものを、よりによって「安心して食べていいですよ」と自分から手渡していた。投稿者はしばらく冷蔵庫の前から動けなかったという。

その後

投稿者はその夜のうちに、同僚へメッセージを送っている。黙っているという選択肢は自分の中に存在しなかった、と本人は書いている。伝えるのが気まずいのは分かっていても、あの4つを食べたのが本人である以上、知らないままにしておくわけにはいかなかった。

同僚の返事は、拍子抜けするほど穏やかなものだった。そういうことはあるよ、気にしないで。責める言葉は一つもない。ただ、そこに一行だけ添えられていた。

「どうりで、いつもと味が違うと思った」

投稿者はこの一行について、「これから一生、頭の中で再生され続ける」と書いている。悪意のかけらもない、むしろ場を和ませようとした一言なのに、言われた側にはいつまでも残る。やってしまった側にだけ深々と刺さる種類の優しさである。

掲示板の反応は、おおむね一つの方向でまとまった。故意でないなら、二人ともヴィーガンのままだ——判断の軸は口に入ったものではなく本人の意思にある、という考え方である。アレルギーが絡んでいなかったこと、誰も体調を崩さなかったこと、そして投稿者が正直に伝えたことも、そろって好意的に受け止められた。

唯一まだ片づいていないのが、レシピをどうするかである。「ここ何年かで一番おいしい」と言わせたブラウニーの正体が乳製品バターだった以上、配合をそのまま渡すわけにはいかない。今度こそ本物の植物性バターで焼き直して、味が並ぶかどうかを確かめるところから始めることになる。

海外の反応

1. やらかし名無しさん
本人にその気がなかったのなら、二人ともヴィーガンのままだと思う。この話は結局のところ意図の問題で、どちらも動物性のものを口にするつもりはなかった。そのつもりがなかった以上、何も破ってない。少なくとも自分はそう受け止めてる。

2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
同意。アレルギーや医学的な理由で避けてる場合はまったく別の話になるけど、そうでなければ大事なのは本人の意思と信条のほうだろ。断酒でも同じ考え方をする。知らずに出された酒を一口飲んで、気づいた時点でやめたなら、その人の断酒は続いている。気づいた上で飲み続けたら、そこで初めて途切れる。

3. やらかし名無しさん(>>1への返信)
投稿者の頭の中では、ヴィーガン警察が職場に踏み込んできて会員証を没収していく場面が再生されているんだと思う。安心してほしい、そんな部隊は存在しないし、菜食の資格は失効しない。

4. やらかし名無しさん
正直なところ、アレルギーが絡む話でなければ、自分なら黙っていたかもしれない。動物性のものを食べてしまったと後から知らされるほうが、食べたこと自体よりその人を苦しめる気がするんだよな。

5. やらかし名無しさん(>>4への返信)
気持ちは分かる。ただ今回は相手がレシピを欲しがっているから、言わないわけにはいかないと思う。材料が違うまま渡したら、彼女は家で焼くたびに「あの味にならない」と首をかしげ続けることになる。自分は再現できないはずの味を追いかけているときが一番いらいらするので、そこだけは避けてあげてほしい。

6. やらかし名無しさん
この話で一番効いてくるのは「ここ何年かで食べたなかで一番おいしい」という感想のところだと思う。しかもおかわりを重ねて四つ。読みながら思わず声が出た。

7. やらかし名無しさん(>>6への返信)
植物性のバターがどれだけ頑張っても本物には届かない、という残酷な証明になってしまったわけだ。代替品を作ってるメーカーの人たちには気の毒だけど、審査としてはこれ以上ないくらい公平だったな。

8. やらかし名無しさん
話の中身と関係ないんだけど、元の投稿にあった「leaving do」という言い方を初めて見た。同じ英語でも英国でしか使わない表現らしくて、辞書を引いてようやく送別会のことだと分かった。

9. やらかし名無しさん(>>8への返信)
自分もそこで止まった。見出しを三回読み返して、どこかで打ち間違えてるんじゃないかと本気で疑ったよ。英国の人には当たり前の言い方なんだろうけど、こっちは三十秒くらい固まってた。

10. やらかし名無しさん
これ、もっとひどい結末になっていた可能性は普通にあった。知らずにアレルギーのあるものを食べさせてしまう事故に比べれば、はるかに軽い着地だ。倫理の面でも、動物性のものが無駄に捨てられずに済んだうえ、投稿者に故意はなかった。落ち着くところに落ち着いたと思う。

11. やらかし名無しさん(>>10への返信)
読みながら、途中で誰かが救急車を呼ばれる展開になるものとすっかり身構えてた。バターの取り違えで終わってくれて、こっちまでほっとしたよ。

12. やらかし名無しさん
間違いは誰にでも起きるとして、なぜ誰もバター入れを買わないんだろう。見た目がそっくりなものを同じ棚の同じ場所に並べておくから起きるわけで、片方を別の容器に移しておくだけで一生防げる事故だと思う。

13. やらかし名無しさん(>>12への返信)
この物価でバター入れを買えと?……とはいえ、油性ペンで包み紙に大きく名前を書くだけならただなので、投稿者には今夜それをやっておいてほしい。深夜のシフト明けの自分は文字が読める状態じゃない、という前提で備えるのが正解だ。

14. やらかし名無しさん
昔、自宅の集まりに完全菜食の友人を招いたことがある。食べられるものをいくつか用意して、これとこれは大丈夫だからと本人にも伝えておいた。翌日その子から「あのオリーブのペーストおいしかった、何が入ってるの」と聞かれて、オリーブと、あとは色々と、それからアンチョビのペーストが——と口に出したところで凍りついた。作ってる最中の自分の頭は、チューブの中身を「魚」として認識してなかったんだよ。平謝りしたし、その場で気づいたのが伝わったので許してもらえたけど、思い出すたびに今でも落ち込む。

15. やらかし名無しさん(>>14への返信)
魚が入ってる調味料は本当に多いんだよな。アジア系のたれやソースはとくにそうで、菜食を始めたときに気づいて驚いたし、好きだっただけに残念でもあった。原材料の表示を端から端まで読む癖がついたのは、あの頃から。

16. やらかし名無しさん
誰も怒らないと思う。ただの間違いだし、その同僚だって十年もやってれば知らずに口にしたことは絶対にあるはずだよ。自分はベジタリアン歴が十年ちょっとで、できるだけ卵や乳製品も避けてるけど、ゼラチンと魚のすり身は何度かやってる。とくにキムチは、メーカーが途中で配合を変えたのに気づかず食べ続けてた。それでベジタリアンでなくなったとは、まったく思ってない。

17. やらかし名無しさん
職場の昼にみんなでピザを取ったときのこと。豚肉を食べない同僚が何人かいるので、その人たち用に一枚別に頼んで、もう一枚はベーコンの載ったものにした。全員で食べてたら、そのうちの一人がベーコンのほうを黙々と食べてる。慌てて「それベーコン載ってるよ」と声をかけたら、本人は自分の手元をちらっと見て肩をすくめ、「うん、おいしい」と言ってそのまま食べ続けた。戒律との距離の取り方は人それぞれなんだと学んだ昼休みだった。

18. やらかし名無しさん
自分も似たようなことを自分にやったことがある。ベジタリアンなんだけど、友人たちと映画を見ながらピザをつまんでて、暗がりのままおかわりを取った。この妙に辛いチーズ、どうしていつもは使わないんだろう、なんて感心しながら食べてたよ。明かりがついて手元を見たら、追加のソーセージが載ったほうだった。

19. やらかし名無しさん
ヴィーガンを十八年ほど続けてるけど、この手の間違いを怒る人はまずいないと断言できる。しかもバターや牛乳は、気にする度合いでいえば一番下のほうだ。肉となると話は少し変わってくるけど、バターなら大半の人は肩をすくめて終わりにする。投稿者は気に病みすぎだと思う。

20. やらかし名無しさん
正直な間違いなんだから、そこまで落ち込まなくていい。ブラウニーの生地に挽き肉を五百グラム練り込んだわけじゃないんだから。……練り込んでは、いないよな?

21. やらかし名無しさん
黙っていることもできたのに正直に伝えた投稿者も、それを穏やかに受け止めた同僚も、どちらもいい人だと思う。ところで、結局レシピは渡したんだろうか。乳製品のバターで焼いたと分かった以上そのままでは渡せないはずだから、今度こそ本物の植物性バターで焼き直したものを届けてあげてほしい。うちにも乳製品を一切受け付けない友人がいるので、その配合はぜひ知りたい。

まとめ

シフト明けの深夜、そっくりな二つのバターを取り違えた。ただそれだけの手違いが、十五人の前での宣言と、菜食歴十年の同僚のおかわり四つを経て、忘れられない一日になった。海外の反応はほぼ全員が「その気がなかったのだから、二人ともヴィーガンのままだ」で一致していて、投稿者を責める声はほとんど見当たらない。残っている宿題は、あの日の「一番おいしい」を、今度こそ本物の植物性バターで再現できるかどうかである。

元ソース: 送別会で、焼いてきたブラウニーは全部ヴィーガン仕様だとみんなに言ってしまった

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