オレンジ色のポメラニアンが、その日は2頭いた。違う飼い主が連れてきた、違う注文の、よく似た2頭。そして2頭とも、同じ乾燥機の裏で順番を待っていた。海外の掲示板に、トリミングサロンで働く投稿者が「数週間ずっと眠れていない」と告白を投稿した。取り違えた犬に、頼まれていない髪型をほとんど仕上げてしまったのだという。
※注:ダブルコートとは、かたい上毛とやわらかい下毛が二重に生えている被毛のこと。ポメラニアンや柴犬などが該当し、短く刈り込むと元どおりに生えそろわないことがあるため、トリミングの現場では慎重に扱われる。テディベアカットは、全体を丸くふんわり残す人気の仕上げ。
何をやらかした?
📌 同じ日に、オレンジ色のポメラニアンを連れた飼い主が2組。投稿者の担当は「輪郭に沿って短く整える」注文のほうだった。ところが乾燥機の裏から連れ出したのは、何年も「ふんわり丸く」で通っている常連さんの犬。間違いに気づいたのは、体のほとんどを刈り終えたあとだった。
事の発端
よく似た2頭が、同じ日に同じ店に来た
投稿者はトリマーで、かなり忙しいサロンで働いている。その日、2組の飼い主がそれぞれポメラニアンを連れて来店した。どちらの組にも、オレンジ色の毛の子が1頭ずつ含まれていた。犬種が同じで、毛色も同じ。ここまでは、忙しいサロンではさほど珍しいことでもない。
問題は、注文の中身が正反対だったことである。一方は初めて来店した飼い主で、輪郭に沿って短く整える仕上げを希望していた。もう一方は何年もこの店に通っている常連で、いつものテディベアカット、つまり全体をふんわり丸く残す形を頼んでいた。短く刈る子と、長さを残す子。取り違えたら一番まずい組み合わせだった。
「短くしてほしい」に、毎回ブレーキをかけてきた人
投稿者は普段から、飼い主に対して丁寧すぎるほど説明をするタイプだった。ダブルコートの犬を短く刈り込むと、毛が元どおりに生えそろわないことがある。うまくいく子もいるが、正直あまり手を出したくない——そう伝えて、思いとどまってもらったことも何度もあった。犬の被毛に対しては、むしろ慎重すぎるくらいの人だったのである。
ちなみに常連のほうの2頭は、この店で長年テディベアカットにしてもらっていた。ただし投稿者自身は、その子たちを担当したことが一度もなかった。顔なじみではなかったのだ。これが後に効いてくる。
やらかしの一部始終
乾燥機の裏から、オレンジ色の犬を1頭
シャンプー担当のスタッフから声がかかった。「あなたの犬たち、乾かし切るためにケージドライヤーに入れておいたよ」。ケージドライヤーは、犬をケージに入れたまま温風を当てて乾かす業務用の機械である。投稿者が視線をやると、乾燥機の裏に犬がいた。あれだな、と思った。
実際には、投稿者が担当するはずだったポメラニアンたちも、同じ乾燥機の裏にいた。ただ、見えていなかっただけだった。オレンジ色のポメラニアンを1頭抱え上げ、投稿者は作業台に乗せて、いつもどおりに手を動かし始めた。
体のほとんどが終わったところで、同僚が気づいた
「その子、担当の子じゃないよ」。同僚がそれに気づいたとき、犬の体はもうほとんど刈り終わっていた。ふんわり丸く仕上げるはずだった常連の犬が、短く整えられた姿で作業台に立っていた。投稿者は完全に打ちのめされた。周りのスタッフが必死に慰めてくれたが、気持ちはまったく浮上しなかった。
店長に指示を仰ぐと、「最後まで仕上げてから飼い主さんに電話しよう」という答えだった。ところが電話をかける前に、当の飼い主が店に入ってきてしまう。投稿者は事情を説明し、ひたすら謝り続けた。飼い主は「仕上げは別の人にやってほしい」と言い、それは投稿者にも当然のことに思えた。
その後
その日の料金は当然もらわなかった。被毛の回復を助けるトリートメント付きのシャンプーを、無料で受けられるようにもした。飼い主からは「今後この人にはうちの犬を触らせないでほしい」と言われ、それも投稿者はまったくもって当然だと受け止めている。
飼い主は激怒していた。店長に向かって投稿者についてかなりきついことを並べ、翌日にはわざわざ電話をかけ直してきて「あの人はクビにすべきだ」と伝えてきたという。投稿者自身は「言われても仕方がない」と書いている。
ひとつだけ、わずかな救いがあった。あとから分かったのだが、その犬は純粋なポメラニアンではなく、ポメラニアンとチワワのミックスだった。純血のダブルコートに比べれば、毛が戻ってくる見込みはある。あとは待つしかない、というのが現時点の状況である。
オーナーである店主は怒っていなかった。それどころか「自分も昔まったく同じことをやった」と打ち明け、店長も同じ経験があるのだと教えてくれた。それでも投稿者の自信は完全に折れてしまった。動物が好きで、ようやく少しずつ自信がついてきたところだったのに、それが全部消えてしまったのだという。投稿の最後は、こう結ばれている。「私はこの仕事を続けていいのでしょうか。今は自分が嫌でたまりません」。数週間経っても毎日思い出してしまう、と。
海外の反応
1. やらかし名無しさん
同じ色の同じ犬種が2頭、同じ乾燥機の裏に並んでいる時点で、事故が起きる仕込みは完成してるんだよ。犬の識別をどうやってるのか本文に書かれてないけど、店側の手順にも原因の一部はあると思う。
2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
首輪に番号札を付けるとか、ケージに名前を貼るとか、どこの店でもやってることでは。スタッフ個人の注意力だけに頼る運用のほうが、よっぽど怖い。責める相手が違う気がする。
3. やらかし名無しさん
医者が初めて患者を助けられなかったとき、その場で辞めるべきだと思う? 仕事でミスをしない人間なんていない。犬は元気なんだから、きっと大丈夫だよ。
4. やらかし名無しさん(>>3への返信)
励ましたい気持ちは分かるけど、「たかが散髪」で片付けるのも違うと思う。ダブルコートの犬は一度短く刈ると、同じようには生えてこないことが本当にある。そこは軽く扱うべきじゃない。
5. やらかし名無しさん(>>4への返信)
そこは同意する。うちのテリア系の雑種なら何の問題もないけど、コーギーだったら全然違う話になるからね。ただ、それと「この人が仕事を辞めるべきか」はまったく別の問題だと思う。
6. やらかし名無しさん
動物看護師をしている。学生時代の集中治療室の実習で投薬の量を間違えて、危うく取り返しのつかないことになりかけたことがある。それ以来、二度と同じミスはしていない。あなたもきっと同じだよ。
7. やらかし名無しさん(>>6への返信)
取り返しのつく失敗とつかない失敗は、はっきり分けて考えたほうがいい。今回は前者だと思う。毛は伸びるし、犬はどこも痛くないし、飼い主も犬も無事に家に帰っている。
8. やらかし名無しさん
飼い主の怒り方も度を越してると思う。その場で怒鳴るならまだ分かるけど、翌日にわざわざ電話し直して「クビにしろ」まで言うのは、もう別の話になってる。人生は短いよ。
9. やらかし名無しさん(>>8への返信)
怒る気持ち自体は分かるよ。何年も同じ形で通わせてた子なんだから。ただ、この世で一番自分を責めてる本人に追い打ちをかけたところで、犬の毛が1ミリでも早く生えるわけじゃない。
10. やらかし名無しさん
犬本人はけっこう気に入ってる説を推したい。飼い主が見ていないところで鏡の前に立って、新しい自分にうっとりしてる可能性がある。むしろずっとこの形を頼みたかったのかもしれない。
11. やらかし名無しさん(>>10への返信)
犬にとって毛の形なんてどうでもいいからね。撫でてもらえるか、おやつが出るか、散歩に行けるか。判定基準はその3つしかない。落ち込んでるのは間違いなく人間のほうだけ。
12. やらかし名無しさん
昔ドッグショーのハンドラーの助手をしていたけど、同じ犬種を仕上げると本当に見分けがつかなくなる。よほど普段から見ている人じゃないと無理。一度うちで帰る犬が入れ替わってしまって、体内のマイクロチップを読み取ってようやく判明したことがある。
13. やらかし名無しさん(>>12への返信)
それがあるから、うちは片道1時間かけて同じトリマーさんのところに通ってる。5年見てもらってるから、うちの子を他の犬と間違えようがない。取り違えって、腕の問題じゃなくて環境の問題なんだよね。
14. やらかし名無しさん
同業のトリマーです。私も引きずるタイプ。隣にミスをした瞬間に切り替えられる同僚がいて、どうやってるのか本気で分からない。この仕事、失敗は本当に日常茶飯事で、烈火のごとく怒るお客さんもいれば、笑って許してくれるお客さんもいる。
15. やらかし名無しさん(>>14への返信)
毎日が新しくやり直すチャンス、って言葉はこの仕事だと本当にその通りだと思う。昨日の失敗を今日の犬に持ち込まないのが、たぶん一番難しくて一番大事な技術。
16. やらかし名無しさん
救いなのは、店主も店長も「自分も昔やった」と言ってることだよね。長く続けていれば誰でも一度は通る道ってことでしょ。それを隠さずに本人へ伝えた上司、かなりいい人だと思う。
17. やらかし名無しさん
一番ほっとしたのは、あとからその子がポメラニアンとチワワのミックスだと分かったところ。純血のダブルコートよりは戻ってくる見込みがある。不幸中の幸いがちゃんと用意されてた。
18. やらかし名無しさん(>>17への返信)
それが判明したときの安堵、想像しただけで膝から崩れ落ちそう。刈り終えてから数日間の胃の痛み方を考えると、その一報はほとんど救急救命だったと思う。
19. やらかし名無しさん
「辞めるべきか」の答えはもう出てると思う。ここであなたが辞めたら、代わりに入ってくるのは同じ失敗をまだしたことがない人だよ。一度やってしまった人のほうが、確実に慎重になる。
20. やらかし名無しさん
数週間も眠れないくらい考え込んでる時点で、この仕事に向いてないわけがないんだよ。向いてない人はここまで悩まない。悩めるうちは大丈夫だと、私は思う。
まとめ
よく似たオレンジ色のポメラニアンが2頭、同じ乾燥機の裏。連れ出したのは担当ではないほうで、気づいたのは体をほとんど刈り終えたあとだった。反応は「店の識別方法が甘い」「ダブルコートは軽く扱うな」「毛は生える」と割れたが、投稿者を責める声はほとんど無かった。むしろ「そこまで悩める人だから続けてほしい」という一点で、みんなの意見が揃っていた。
元ソース: 取り違えた犬に、まったく違う髪型を施してしまった


コメント