信号待ちで後ろから追突され、ドライブレコーダー(ドラレコ)の映像を保険会社にメールで送った。過失は相手側にあって争いもなく、あとは手続きが済むのを待つだけだった。ところが翌日、電話をかけてきた担当者が、用件を伝え終えたあとで少し間を置き、こう言う。「音声が入っているのはご存じですよね?」。家に帰って確かめると、そこには衝突までの3分間、窓を閉め切った車内で力いっぱい歌う自分の声が、すべて録れていた。
※注:投稿者が歌っていたのは、シャナイア・トゥエインの曲。カナダ出身の女性歌手で、カントリー音楽にポップスを取り入れた作風で知られ、1990年代後半に世界的なヒットを連発した。どの曲を歌っていたのかは、投稿には書かれていない。
何をやらかした?
📌 先週、信号待ちで追突された投稿者。過失は相手側にあって争いもなく、手続きを早く進めようと、ドライブレコーダーの映像を見返さないまま保険会社の担当者にメールで送った。ところがその映像には音声も入っていて、衝突までの3分間、シャナイア・トゥエインの曲を全力で歌う声と、ぶつけられた直後の「嘘だろ、本気かよ!」という叫びが、そっくり録れていた。翌日の電話で担当者からやんわり指摘され、話を知った妻は、妻側の家族全員に広めてしまった。
事の発端
信号待ちで、後ろから追突された
投稿は、こんな書き出しで始まる。「自分がこんなことをしたなんて信じられない。妻はあれ以来、ずっと笑いっぱなしだ」。
ことの始まりは先週。投稿者は信号待ちの最中に、後ろから追突された。といっても深刻なものではなく、低速で軽くぶつけられた程度だったという。過失は相手のドライバーにあり、その点に争いはなかった。
手続きを早く進めたくて、映像をそのまま送った
投稿者の車には、しばらく前からドライブレコーダーが付いている。そこで、これと連動するアプリから事故の場面の映像を取り出し、保険会社の担当者(事故の査定をする人)にメールで直接送った。少しでも手続きを早く進めたかったからだ。
このとき、映像を見返すことはしなかった。取り出して、そのまま送っただけである。
やらかしの一部始終
翌日の電話で、担当者が少し間を置いた
翌日、担当者の女性から電話がかかってきた。必要なものはすべて揃っていて、今回の件は難しいところのない単純なものだ、という連絡だった。
ここまでは、ごく事務的な話である。ところが担当者は、そこで少し間を置いてから、こう言った。「音声が入っているのはご存じですよね?」。そして、こう続けた。「次からは音声を消していただいて構いませんよ。たいてい必要ありませんので」。
投稿者は忘れていた。自分のドライブレコーダーは、音声も一緒に録るのだということを。
衝突までの3分間、車内で熱唱していた
家に帰って、送った映像を自分でも見てみた。衝突までの3分間に入っていたのは、シャナイア・トゥエインの曲を腹の底から歌い上げる、自分の声だった。
本人の言葉を借りれば、音量は全開で、恥じらいはゼロ。この世に存在しない高さの音まで出していたという。窓は閉め切ってあった。こんな歌声を誰かに聞かれる日は絶対に来ない、と思っていたのだ。
ドンという音のあと、歌声が怒鳴り声に変わる
やがて映像に、ドンとぶつかる音が入る。その直後、歌っていた声が一瞬で切り替わり、「嘘だろ、本気かよ!」という叫びになる。投稿者いわく、「史上もっとも劇的な声の切り替え」だった。
担当者は、この「公演」を最初から最後まで、間違いなく聞いている。
その後
担当者は、電話のあいだ終始プロらしい対応を崩さなかった。それでも、笑いをこらえているのが電話越しに伝わってきたという。
話はそこで終わらない。この件を知った妻が、妻側の家族全員に話してしまったのだ。それ以来、義理の兄弟からは毎朝、シャナイア・トゥエインの歌詞が送られてくるようになった。
ちなみに、保険の手続きのほうは順調に進んでいる。ただし投稿者によれば、「尊厳のほうは、もう取り戻せない」。
投稿の最後には、こんな要約が添えられていた。「追突された件で、ドライブレコーダーの映像を保険会社に送った。音声も録れているのを忘れていた。おかげで保険会社の担当者は、こっちが車の中でひとり、シャナイア・トゥエインを全開の音量で歌う人間だと知っている」。
海外の反応
1. やらかし名無しさん
保険会社の担当者の感想は、たぶんシャナイアの代表曲の題名そのままだよ。「That Don’t Impress Me Much」(「そんなんじゃ感心しないわ」という意味)。
2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
さっそく曲名で返すんじゃない(笑)。それ、義理の兄弟が毎朝歌詞を送りつけてくるのと同じ手口だからな。
3. やらかし名無しさん
担当者は、何も言わずに事務的に済ませることだってできたはずなんだよね。それでも、どうしてもひとこと言わずにいられなかった、というところが大好き。正直、毎日が単調になりがちな仕事だろうから、あの映像を聞けて彼女はうれしかったと思う。たぶん、同じ職場のほかの人たちも。
4. やらかし名無しさん(>>3への返信)
「たぶん」じゃないよ。職場の全員がもう聞いてる。そして、今でもときどき誰かが再生してる。
5. やらかし名無しさん
覚えておいてほしいのは、あなたの件が、担当者にとってその日いちばんの出来事だったということ。彼女はきっと笑顔で家に帰った。そう考えると、ちょっと救われるでしょ。……まあ、笑顔になったのは会社じゅうかもしれなくて、そう考えるとまた落ち込むかもしれないけど。ごめん。
6. やらかし名無しさん(>>5への返信)
投稿者は今日、ずいぶん大勢の人を笑顔にしたよ。それって、なかなかできることじゃない。あと、うちのドラレコも音声を録っているのを思い出させてくれて、ありがとう。
7. やらかし名無しさん(>>6への返信)
それを読んで、あわてて自分のドラレコの設定を見てきた。音声の録音、しっかりオンになってた。これまで何を歌い、何をひとりでしゃべってきたのか、考えたくもない。
8. やらかし名無しさん
担当者はたぶん、映像を止めて、呼吸を整えて、また再生して……というのを4回はやってる。気持ちよく歌っていた人が一瞬で怒鳴り声に変わる、あの落差は反則だよ。
9. やらかし名無しさん(>>8への返信)
気持ちよく歌い上げている最中に、いきなり「嘘だろ、本気かよ!」だもんな。頭の中で再生しただけで、こっちまで腹が痛い。
10. やらかし名無しさん
その映像、ぜひ公開してほしい。こっちは記念のTシャツを刷って待ってるから。胸の文字は「シャナイアを熱唱中に追突されました」で決まり。
11. やらかし名無しさん(>>10への返信)
公開するなら、もちろん音声つきでお願いします。音声のない映像には、何の価値もないので。
12. やらかし名無しさん
以前、保険の仕事をしていた者だけど、あなたの歌よりひどいものを、こっちは山ほど見たり聞いたりしてきたよ。だから、いつまでも頭の中で繰り返し再生しないこと。そのうち曲の使用料を請求されるからね。
13. やらかし名無しさん
妻が保険の査定の仕事をしている。屋根の被害の件で、お客さんが写真をまとめて送ってきたことがあったそうだ。その真ん中あたりに1枚だけ、どう考えても人に見せるつもりのなかった本人の写真が、まぎれ込んでいたらしい。それに比べたら、歌声なんてかわいいものだよ。
14. やらかし名無しさん
食料品の配達の仕事をしていた頃、配達の車に付いていた車内向きのドラレコが音声も録っているのを、すっかり忘れていた。少し揺れただけで作動して、その映像がそのまま事務所に送られる仕組みで、これがまた敏感だった。当時の私は、道路の減速用の段差を越えるたびに「ウィー!」と声を出していた。音声のことを思い出したのは、事務所に戻って、上司のひとりにまっすぐ目を見られたときだ。その人は、私とまったく同じ調子で「ウィー」と言って、笑った。顔から火が出るかと思った。それでも、次に段差があったときも、やっぱりやったけどね(笑)。あの映像のおかげで、事務所のみんなの一日が少しは明るくなったと思うことにしている。
15. やらかし名無しさん(>>14への返信)
恥ずかしい思いをしたのに、次の段差でもちゃんと「ウィー!」とやるところが最高。投稿者も、どうか歌うのをやめないでほしい。
16. やらかし名無しさん
堂々としていればいいんだよ。シャナイアは最高だし、自分が好きで楽しんでいることを他人がどう思おうと、関係ない。私なんか、こういうことで「あの人、どうかしてる」と思われるのを、むしろ面白がっているくらいだ。
17. やらかし名無しさん
車の中って、世界でいちばん安心して歌える場所だと思ってた。私も、ひとりで運転しているときは別人になる。窓さえ閉めていれば誰にも聞こえない、と信じていたのは投稿者だけじゃないよ。
18. やらかし名無しさん
よくできた作り話を楽しませてもらったよ。短編小説の書き手としてやっていけるんじゃないかな。
19. やらかし名無しさん(>>18への返信)
私はむしろ信じるね。自分に都合の悪いことまで録れている映像を、中身を確かめずに保険会社や警察へ送ってしまう人は、本当にたくさんいるから。
20. やらかし名無しさん
研究のために、どうしても知っておく必要がある。歌っていたのは、正確にはどの曲だったんですか、投稿者さん!
21. やらかし名無しさん
私にも似た経験がある。ただ、こっちは歌じゃなくて、『ハックルベリー・フィンの冒険』の朗読の音声に合わせて、大声で一緒に読み上げていたんだけど。
22. やらかし名無しさん
毎朝欠かさずシャナイアの歌詞を送ってくる義理の兄弟、その根気は見習いたい。家族全員に話してしまった奥さんも、いい仕事をしている。こういう家族がいれば、この話は一生語り継がれるよ。
まとめ
手続きを早く進めたくて、見返さずに送ったドライブレコーダーの映像。そこには3分間の熱唱と、追突された直後の叫び声まで入っていた。コメント欄は、「担当者はきっと笑顔で家に帰った」「自分のドラレコの設定も見てきた」という声や、保険の仕事をしていた人からの「もっとひどいものを山ほど見聞きしてきた」という励ましでにぎわった。保険の手続きは順調だという。映像を送る前に、一度は自分で見返しておきたい。


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