「かかとを、できるだけ速く鳴らしてください」——Webカメラ越しに見張られながら受けるオンライン試験の最中、試験監督からそんな指示が聞こえてきたら、あなたならどうするだろう。大学の期末試験を受けていた投稿者は、一瞬戸惑いながらも「監督が言うなら」と、その場で足を揃えた。そして真顔のまま、『オズの魔法使い』のドロシーのように、かかとを打ち鳴らしてみせた。ところが、監督が本当に言っていたのは……。
※注:『オズの魔法使い』では、主人公の少女ドロシーが魔法の赤い靴のかかとを3回打ち鳴らし、「おうちがいちばん(There’s no place like home)」と唱えて故郷のカンザスへ帰る。かかとを鳴らすしぐさといえば、英語圏ではまずこの場面が思い浮かぶ。
何をやらかした?
📌 Webカメラに全身を映しながら、大学のオンライン試験を受けていた投稿者。試験監督の強い訛りを聞き違え、「かかとをできるだけ速く鳴らして(Click your heels as fast as you can)」と言われたと思い込む。念のため聞き返しても同じように聞こえたので、真顔で足を揃え、ドロシーのようにかかとを2回打ち鳴らした。監督が本当に言っていたのは「画面をクリックしてください(Click on screen)」。その一部始終は、高画質の録画としてどこかのサーバーに残っている。
事の発端
3時間、画面の向こうから見張られる試験
投稿者は、大学のオンライン試験の真っ最中だった。この試験は、画面の向こうにいる試験監督がWebカメラの映像をリアルタイムで見て、不正がないかを確認する方式。3時間にわたる試験のあいだ、投稿者の一挙手一投足はずっと監督に見られている。
コメント欄での本人の補足によると、投稿者は30歳を目前にして大学に入り、心理学を学ぶ数年がかりの課程で1学期目を過ごしているところ。この日は「人間の発達」を扱う科目の期末試験で、大学に入ってまだ2回目の試験だった。期末試験4つのうちの2つ目で、並行してレポートの締め切りにも追われ、かなりの寝不足だったという。
そんなわけで、試験中の投稿者はすでに冷や汗だらだら。せめてきちんとした受験者に見えるよう、気を張っていた。
トイレ休憩明けの持ち物チェック
問題の場面は、試験の途中でトイレ休憩を取り、部屋に戻ってきた直後に起きた。残り時間はあと1時間。この試験では、席を外して戻ってくると、カンニングに使えるものを持ち込んでいないことを示すために、部屋や机、スマホの置き場所をカメラに向かって見せなければならない。投稿者が立ち上がって全身をカメラに映していたのは、そのためだった。
担当の監督は、とても素敵な、強い訛りのある英語を話す女性だった。指示を聞き漏らして、不正を疑われでもしたら大変だ。投稿者は彼女のひと言ひと言に、全神経を集中させて耳を傾けていた。
やらかしの一部始終
「かかとを、できるだけ速く」
監督にスマホの置き場所を見せるよう言われ、投稿者はそのとおりにした。立ったまま、次の指示を待つ。すると監督は、確かにこう言った——と、投稿者は今でも断言する。
「Please click your heels as fast as you can back and forth.(かかとを、できるだけ速く、行ったり来たりさせて鳴らしてください)」
投稿者の頭は真っ白になった。一瞬固まって、まばたきをひとつ。聞き間違いだといけないので、もう一度言ってもらえますか、とお願いした。
監督は繰り返した。緊張で張りつめた投稿者の耳には、今度こそはっきりと聞こえた。
「Click your heels as fast as you can.(かかとを、できるだけ速く鳴らしてください)」
監督が言うなら、やるしかない
投稿者は考えた。「変なお願いだけど……まあいいか。ここでは彼女がルールなんだし」
両足をしっかりと床につける。表情は真顔。全身はばっちりカメラに映っている。そして投稿者は、自信たっぷりに、かかと同士を2回、カチッ、カチッと打ち鳴らした。
「いえ……画面をクリックしてください」
長い沈黙が流れた。やがて監督が、ゆっくりと、とても優しい声で言った。
「No… please click on screen.(いえ……画面をクリックしてください)」
英語の click は、マウスで「クリックする」ときにも、かかと同士を打ち合わせて「カチッと鳴らす」ときにも使う言葉だ。監督は画面上のボタンを押すよう指示していただけなのに、投稿者の耳が「画面を(on screen)」を「かかとを(your heels)」に置き換えてしまったのである。
投稿者いわく、「あんなに速く魂が体から抜けていったのは、生まれて初めて」。
その後
投稿者があとからコメント欄で明かしたところによると、あの場面で本来押すべきだったのは、カメラの映像を小さく表示して試験画面に戻るための「録画」ボタンだったらしい。ただ、これはあくまで本人の推測。「clickの聞き違いまでは分かる。でも、heels(かかと)はいったいどこから出てきたの?」と、投稿者自身も首をひねっている。極度の緊張のなか、聞き取れた数語をつなぎ合わせて意味を推理していたので、寝不足の脳が勝手にありえない文章を作り上げてしまったのだろう、と本人は振り返る。
監督のほうはきっと「この人、試験中に急に踊り出して何してるの……?」と思っていたに違いない、とも。
こうして、試験監督側のどこかのサーバーには、大真面目な顔で素直にかかとを鳴らす投稿者の姿が、高画質の映像で記録されることになった。本人の言葉を借りれば、その姿はまさに「大学の課程から魔法で逃げ出そうとしているドロシー」だったという。
海外の反応
1. やらかし名無しさん
いったい何て言われたら「かかと」に聞こえるの? 「click on screen」がそれに化けたんだとしたら、さすがに耳が自由すぎるでしょ。
2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
投稿者は寝不足のうえ期末試験4つのうちの2つ目で、レポートの締め切りにも追われてたらしい。そこまで追い詰められてたら、脳が勝手に文章を作っちゃってもおかしくないよ。
3. やらかし名無しさん(>>2への返信)
たぶん「click right here(ここをクリックして)」あたりだったんじゃないかな。緊張でガチガチになった耳なら、right here が heels に聞こえても不思議じゃない気がする。
4. やらかし名無しさん
自分はむしろ「行ったり来たり、できるだけ速く」の部分が気になって仕方ない。画面をクリックする指示だったとして、何をそんなに急いで何度も押させるつもりだったんだろう。
5. やらかし名無しさん(>>4への返信)
監督側からすれば、受験者が休憩から戻るたびに言っている決まり文句なんだと思う。言い慣れたセリフほど早口になるし、受け取る側は緊張でいっぱいいっぱい。そりゃ途中の単語も化けるよ。
6. やらかし名無しさん
読んでるだけで共感性羞恥が限界を突破した。でも、この先何年も飲み会で笑いが取れる鉄板の持ちネタを手に入れたと思えば、安いもんだよ。
7. やらかし名無しさん
長い沈黙のあと、監督がゆっくり優しく「いえ……画面をクリックしてください」って言うところで声が出た。怒るでも笑うでもなく、そっと正解だけ教えてくれるのがいちばん効くんだよな。
8. やらかし名無しさん(>>7への返信)
あの監督も、緊張しすぎておかしなことをする受験者はきっと何人も見てきてるはず。投稿者が最初でもないし、最後でもないよ。だから気にしなくて大丈夫。
9. やらかし名無しさん
聞き取れなかったときは「もう一度お願いします」じゃなくて、「かかとを鳴らせばいいんですか?」と、聞こえた内容をそのまま繰り返して確認するのがコツ。そうすれば相手も「違う違う」とすぐ気づける。
10. やらかし名無しさん(>>9への返信)
理屈はそのとおりなんだけど、それができる余裕があれば誰も苦労しないんだよなあ。不正を疑われるかもしれない試験の真っ最中に、監督相手に「かかとを?」って聞き返す勇気は自分にはない。たぶん投稿者と同じく、黙って鳴らしてる。
11. やらかし名無しさん
この手のオンライン試験、受けたことあるけど本当に大変だった。誰もいない土曜日の会社の会議室で受けたら、持ち込みOKの資料を監督がなかなか認めてくれなくて、メモ用の白紙までカメラの前で1枚ずつ数えさせられた。やっと始まったと思ったら、今度はタイマー式の照明が3分ごとに消える。カメラに映ったまま、片手でノートPCを抱えて、もう片方の腕を振り回して照明をつけ直しながら試験を受けたよ。
12. やらかし名無しさん(>>11への返信)
3分ごとに腕をぶんぶん振りながら試験を受けてる姿、絵面が強すぎる。投稿者も「うちの職場も同じ照明だから、想像しただけでゾッとする」って返してたね。数時間の試験でそれは、もはや修行だよ。
13. やらかし名無しさん
大学の4年間ずっとマーチングバンドにいて、「気をつけ」の合図の笛のパターンが体に染みついてた。卒業間近、交通整理をしていた警察官がたまたま同じパターンで笛を吹いて、自分は歩道の真ん中でビシッと直立不動に……。20年以上たった今でも、あの笛を聞いたら固まる自信がある。
14. やらかし名無しさん(>>13への返信)
「言われたら体が先に動く」って意味では、投稿者とまったく同じだね。緊張してるときや身構えてるときほど、頭で考える前に指示に従っちゃうんだと思う。
15. やらかし名無しさん
自分も録画式のオンライン試験でやらかした。終盤、犬に追い回された猫が階段を駆け上がってきて、振り向いた瞬間に顔面へ飛びつかれたんだ。お腹で視界をふさがれ、爪で頭をがっちりつかまれて、思わず叫び声を上げた。録画を確認した誰かは、退屈な映像を眺めてたら急にアクション映画が始まって、さぞ驚いたと思う。
16. やらかし名無しさん
監視付きのオンライン試験って、ただでさえ「変な動きをしたら不正扱いされるかも」というプレッシャーがすごいんだよね。視線を少し横にそらすだけでビクビクするのに、そこへ謎の指示が飛んできたら、そりゃ考えるより先に従っちゃうよ。
17. やらかし名無しさん
正直、話ができすぎていて作り話っぽく感じた。そもそも3時間の試験で全身をカメラに映させるなんてこと、本当にあるの?
18. やらかし名無しさん(>>17への返信)
手話通訳を学んでる学生だけど、うちでは全身を映して録画する試験が普通にあるよ。それに投稿者は、試験中ずっと全身を映してたわけじゃなくて、トイレ休憩から戻ったときの持ち物チェックで立ってただけだと説明してた。
19. やらかし名無しさん(>>17への返信)
文章がきれいに整ってるだけで「AIが書いた作り話」扱いされるの、本当にやめてほしい。投稿者も「6年前からあるアカウントで、投稿したのはこれが初めて。読みやすく整えただけで、残念ながら本当に起きたこと」って言ってたよ。
20. やらかし名無しさん
耳が聞こえなくて、相手の唇の動きを読んで会話している者として言わせて。この手の聞き違いは日常茶飯事だから、すごく親近感がわいた。笑わせてくれてありがとう。一生ものの思い出話になったね。
21. やらかし名無しさん
監督からすれば、スマホの置き場所を見せ終えた受験者が、急に真顔でかかとをカチカチ鳴らし始めたわけでしょ。あの長い沈黙の間、「今のは何の儀式……?」って必死に考えてたと思う。
22. やらかし名無しさん
「大学の課程から魔法で逃げ出そうとしているドロシー」って例え、うまいこと言うなあ。でも本家は3回鳴らして家に帰るところを、2回で止めておいたのは正解。おかげで家に飛ばされずに済んだね。
まとめ
「画面をクリックして」が緊張と寝不足で「かかとを鳴らして」に聞こえ、真顔のドロシーをカメラの前で披露してしまった投稿者。コメント欄では「どう聞いたらそうなるの」とツッコミが相次ぐ一方、指示に体が勝手に反応した体験談やオンライン試験の苦労話も集まった。聞き返すときは、聞こえたとおりに繰り返すのがいちばんの防御策かもしれない。

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