カフェの隅で小説を書いていた、ちょっと素敵なおじさん。声をかけてきた11歳の子に「特殊な力を持つ子どもたちの学園もの」を熱っぽく語る——ところがその子は、設定を聞くたびに「あ、それX-MENにいるやつだ」と元気いっぱいに指摘してくる。おじさんが「いや、これは違うんだ」と説明を重ねるほど、少年の知識マウントは加速。最後に大人がそっとスマホで何かを検索する姿を見て、子どもは「あ、自分なにかやらかしたかも」と察したという、十数年たっても忘れられない告白です。
※注:「X-MEN(エックスメン)」はアメコミの人気シリーズ。生まれつき特殊能力を持つ「ミュータント(突然変異した人間)」たちが、能力を恐れる社会から差別・迫害される世界を描く。「能力者ゆえに不当に嫌われる」という設定が物語の根っこにある。
何をやらかした?
📌 投稿者は11歳のころ、カフェで小説を執筆中のイギリス人男性に話しかけた。男性は「突然変異で力を得た子どもたちが、能力を恐れる人々から隠れて生きる学園もの」を語るが、それを聞いた少年は「それX-MENじゃん」と無邪気に連発。男性が「違う」と設定を補足するたびに、少年は登場キャラを次々言い当ててしまう。最後の決め台詞まで決めたところで男性はしょんぼり会話を切り上げ、帰り際にこっそりX-MENのキャラを検索して頭を抱えていた。
事の発端
母の仕事を待つカフェが、子どもの居場所だった
話は十数年前、投稿者がまだ11歳だったころにさかのぼる。当時の彼は、ハマった漫画やドラマに全力でのめり込む子どもで、プレゼントを選ぶのは簡単だけど会話はやたら難しい、そういうタイプだったらしい。母親は夜に街の中心部で仕事が入ることがあり、その近くに夜8時ごろまで開いているコーヒーとワインのお店があった。母の知り合いがそこで働いていたこともあって、投稿者は仕事終わりを待つあいだ、その店で宿題をして過ごすのが習慣になっていた。お行儀のいい子だったので、店の人たちも温かく見守ってくれていたという。
隣に座った「ちょっと素敵なおじさん」
ある夜、宿題を終えてしまった彼は、本も漫画も持っておらず手持ち無沙汰だった。ふと隣を見ると、カウンターに「すごくかっこいい男の人」が座っている。といっても11歳基準のかっこよさで、ぼさっとした髪に眼鏡、ツイードの上着という風貌だ。男性のノートパソコンの画面がちらっと見えて、どうやら小説のようなものを書いている。好奇心に勝てなかった少年は、ここで運命の一言を放つことになる。
やらかしの一部始終
「それ、X-MENみたい!」が止まらない
「本を書いてるんですか?かっこいい!」。社会性ゼロの直球に、男性はむしろ嬉しそうに「ありがとう、そうなんだ」と笑ってくれた。話し方からイギリスの人だと分かって、移民の少ない田舎町育ちの少年はそれだけで胸が高鳴ったという。どんな話なのと尋ねると、男性は言った。「特殊な力を持つ子どもたちの学園の物語なんだ。きみも気に入るかもよ」。少年は目を輝かせ、即座に返した。「あ、X-MENみたいな!」。男性は少し笑って「いや、聞いたことはあるけど、これは違うんだ」と答えた。だが、ここからが地獄の始まりだった。
説明するほど、ことごとく言い当てられる男性
男性は誠実に、自分の物語が「X-MENとは違う」点を説明していく。「もっと暗い世界でね、突然変異や進化で力を持った人たちがいるんだ。周りはその力を怖がるから、子どもたちは正体を隠して生きなきゃいけない。中には力を持つ者を憎んで傷つけようとする者もいる」。少年は元気よく答えた。「あ、X-MENにもそういうミュータント出てきます!」。男性はめげずに続ける。「主人公の一人は超強いんだけど、体が石みたいに見えるんだ、彫像みたいにね」。少年「あ、X-MENのコロッサスだ!あっちは金属だけど!」。男性が「力を持つ者が、自分で選んだわけでもないことで不当に裁かれる——現実の差別を描きたいんだ」と核心を語ると、少年はとどめを刺す。「分かる分かる!それが原作でプロフェッサーXとマグニートーが仲違いした理由ですもんね、ミュータントの救い方で意見が割れて」。男性の説明と少年の指摘は、見事なほど一対一で対応してしまっていた。
その後
男性はついに、すっかりしぼんだ声で「うん……話せて楽しかったよ」と会話を切り上げた。少年は「自分なにか悪いこと言ったかな」とは思ったものの、当時はまだ「他人の作品の設定をそっくり自作に使うこと」の何がまずいのか、いまいちピンと来ていなかった。やがて母が迎えに来て、二人で店を出るとき、彼は店員さんに手を振ろうと振り返った。すると視界の端で、あの男性がスマホで何かを検索しているのが見えた。画面いっぱいに表示されていたのは、X-MENの人気キャラ「ナイトクローラー」の画像。男性は両手で額を覆っていた。投稿者は最後にこう締めくくっている。「あの夜の小説家さん、もしこれを読んでいたら、本当にごめんなさい」。子ども特有の悪気のない正直さが、大人の夢にそっとヒビを入れてしまった——そんな十数年来の罪悪感を告白した一本だ。
海外の反応
1. やらかし名無しさん
帰り際にこっそりナイトクローラーを検索して頭を抱える小説家、絵面が完成されすぎてて笑う。その後ろ姿、一生忘れられないだろうな。
2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
これ、やらかしというより「絶望する人を観察してしまった会」だよね。子どもは悪気ゼロなのが余計につらい。
3. やらかし名無しさん
似たことが自分にもあった。子どものころ「すごい物語を思いついた!なんで誰もこれ書いてないんだ?」って母に得意げに語ったら、「それ、昔からある有名なSFとほぼ同じだよ」って言われた。あの瞬間の天才気分の崩壊、今でも覚えてる。
4. やらかし名無しさん(>>3への返信)
たぶん創作する人間はほぼ全員これを通る道。自分の傑作が実は既出だと知る通過儀礼。ただし11歳に一個ずつ実例を挙げて潰されるのは、通過儀礼の中でも一番つらいやつだと思う。
5. やらかし名無しさん
これ正直やらかしじゃなくない?むしろ恩人でしょ。完成させて出版社に持ち込んでから「これX-MENの丸写しですよね」って言われる未来を、11歳が無料で回避させてあげたんだから。
6. やらかし名無しさん(>>5への返信)
それは頭では分かるんだけど、何百時間もかけて書いた小説が「実はパクりでした」って知る瞬間として、これ以上きついシチュエーションある?無邪気な子どもにニコニコ顔で全部言い当てられるって。
7. やらかし名無しさん
むしろ自分のひらめきが既存作品とかぶってないか、子どもに確認してもらう仕事を作ってほしいレベル。容赦なくて正直で、利害もないから一番信用できる校閲だよ。
8. やらかし名無しさん
昔ボードゲームの即売会で、全財産をつぎ込んで作ったというゲームを実演してたおじさんがいてさ。中身は実質「8の字型にした人生ゲーム」だった。自分は言えなかったけど、連れの友達は容赦なく「これただの人生ゲームでは」って言ってた。あの場の空気を思い出した。
9. やらかし名無しさん(>>8への返信)
8の字の人生ゲーム、普通の人生ゲームよりさらに楽しくなさそうなのが切ない。何を足しても引き算になってるの、創作あるあるすぎる。
10. やらかし名無しさん
落ち込まなくていいと思う。その小説家、これをきっかけに大都会に出て、本物のアメコミ会社で原作を書く脚本家になってるかもよ。あなたは天職を見つける手伝いをしたのかもしれない。
11. やらかし名無しさん(>>10への返信)
そう考えると一気に美談になるな。「あの日カフェで小僧にボコボコにされたおかげで、私は本家の書き手になれた」みたいな後日談、普通に読みたい。
12. やらかし名無しさん
彼はX-MENを「知ってた」けど、X-MENを「分かってなかった」んだよね。あの作品が何十年もかけてやってきたのは、まさに「マイノリティが理不尽に嫌われる構図」を能力者に重ねること。それを「新しいテーマだ」と思い込んでた時点で、もう運命だった。
13. やらかし名無しさん(>>12への返信)
ヒーロー漫画って「正義が悪をやっつけて称賛される話」だと長いこと思ってたけど、実態はだいたいドロドロの人間ドラマと社会風刺なんだよな。彼もそこを見抜けてなかったクチかもしれない。
14. やらかし名無しさん
この話の本当の主役、11歳の容赦ない記憶力だと思う。設定を聞いた瞬間に該当キャラをポンポン出してくる検索エンジンみたいな子、大人からするとちょっと怖い。
15. やらかし名無しさん
うちの弟が前にバーベキュー用の着火ライターがうまく点かないとき、「一回使い切りで、こするだけで火がつくやつ誰か作ればいいのに」って真顔で言ってきた。それマッチっていう数百年前の発明なんだよって、今でもイジり倒してる。
16. やらかし名無しさん(>>15への返信)
「マッチの再発明」、創作でも生活でも一番やりがちなやつ。本人だけが新発見だと思って目を輝かせてるのが尊くて切ない。
17. やらかし名無しさん
これ、テレビアニメのお約束ネタにもあったよね。誰かが「画期的なアイデア」を披露するたびに「それ昔やったよ」ってツッコまれるやつ。古今東西、人類は同じ穴に落ち続けている。
18. やらかし名無しさん
イギリス人作家でこの手の話だと、ある有名俳優が復讐小説を書き始めて、半分まで進んだところで「あれ、これ『モンテ・クリスト伯』そのままじゃん」と気づいたって逸話を思い出した。気づいた上で開き直って最後まで書き切ったらしいけど。
19. やらかし名無しさん(>>18への返信)
気づいた上で走り切る胆力、嫌いじゃない。カフェの彼にもそのくらいの開き直りがあれば、「X-MEN?知らないなぁ(棒)」で押し通せたのに。
20. やらかし名無しさん
名曲「イエスタデイ」を作ったときのポール・マッカートニーも、朝起きたら頭にメロディが浮かんでて「これ絶対どこかで聴いた既存曲だ」って確信して、メンバーやプロデューサーに片っ端から「この曲なに?」って聞いて回ったらしい。誰のものでもない、本当に自分のオリジナルだと分かるまで何週間もかかったって。創作の世界では、超一流ですらこの不安と戦ってる。
21. やらかし名無しさん
個人的には、子どものこの正直さってむしろ財産だと思う。空気を読んで黙る大人ばかりだったら、彼はそのまま気づかず突き進んで、もっと大きな恥をかいてたかもしれない。11歳のあなた、ちょっと無神経だったけど、いい仕事したよ。
まとめ
「自分だけのオリジナル」だと信じて温めていた物語が、実は誰もが知る人気作とそっくりだった——その事実を、よりによって悪気ゼロの11歳に一個ずつ言い当てられる、創作者には背筋が凍る一幕。海外の反応は「やらかしじゃなく恩人」「創作する人は全員通る道」と総じて温かく、投稿者を責めるより、絶望する小説家の後ろ姿に苦笑が集まった。良かれと思った正直さが、誰かの夢にヒビを入れてしまう。明日は我が身と感じた人が多かった一本です。
