出産を控えた姉は29歳だと話したら、初デートの相手が「それじゃ僕たち、あんまり時間がないね!」。その彼が野鳥観察小屋でリュックから取り出したもの

出産を控えた姉は29歳だと話したら、初デートの相手が「それじゃ僕たち、あんまり時間がないね!」。その彼が野鳥観察小屋でリュックから取り出したもの 恋愛

「これまでで最悪の初デートは?」。マッチングアプリのプロフィールでこのお題に答える欄に、投稿者がずっと載せていた話がある。20歳のとき、アプリで知り合った男性との初デートだ。溶けたチョコレートの手土産に始まり、人けのない野鳥観察小屋では、彼がリュックから取り出したものに凍りつくことになる。今では友人や家族のあいだで「ナイフ男」と呼ばれている彼との、長い長い一夜の話。

※注:舞台はオーストラリア。Tinder(ティンダー)とHinge(ヒンジ)は、どちらも海外で広く使われているマッチングアプリ。Hingeは「最悪の初デートは?」のようなお題への答えをプロフィールに載せる仕組みになっている。

何をやらかした?

📌 20歳の投稿者は、アプリで知り合った海洋生物学専攻の男性と初デートに出かけた。計画も車の送り迎えも投稿者が引き受けたのに、彼は会計で「男が払うべきだ」と説教し、姉が29歳だと聞くと「それじゃ僕たち、あんまり時間がないね!」。人けのない野鳥観察小屋では、ギザギザの刃が何本もついた折りたたみナイフと、目くらまし用の懐中電灯をリュックから出して見せびらかした(すぐにしまい、向けられたわけではない)。投稿者は恐怖を顔に出さずに切り抜け、帰宅後にお断りのメッセージを送った。返ってきた芝居がかった一文を見て、即座にブロックした。

事の発端

失恋から1か月、人生2人目のデート

当時の投稿者は20歳。浮気をした恋人の女性と1か月前に別れ、また恋愛をしてみようと決めたところだった。まだ自分がレズビアンだと気づく前で、Tinderで男性とマッチングした。本人いわく「これが最初の間違い。この後もたくさん続く」。

彼の趣味に合わせたデートプラン

相手をマークと呼ぶ。大学で海洋生物学を学ぶ男性で、実家は投稿者の家から車で1時間の町にあった。土地勘がないからと計画を任された投稿者は、素敵なレストランと、彼の趣味のバードウォッチングに合わせて、野鳥観察所のある近くの公園を選んだ。

やらかしの一部始終

溶けたチョコと、会計でのお説教

当日、投稿者は車で1時間かけてマークの実家まで迎えに行った。彼は車も仕事もなく、ウーバー(配車アプリ)で店へ行くお金もなかったからだ。飛び出してきたマークが手土産にくれたチョコレートは、ひとつ残らず溶けていた。片方の肩にはリュックを掛けていた。このリュックが、あとで重要になる。

店の会計で、マークは投稿者の食事代を払うと言い張った。初デートでは払ってもらわない主義だと説明すると、彼は不機嫌になって「男が払うべきだ」と説教を始めた。その最中に、投稿者はカードを読み取り機にかざし、にっこり笑ってみせた。

「それじゃ僕たち、あんまり時間がないね!」

席で家族の話になり、投稿者は、2人目の出産を控えた姉からの連絡が気になってスマホを見ていると打ち明けた。「お姉さんいくつ?」「29歳」。マークの返事は「うわ、それじゃ僕たち、あんまり時間がないね!」だった。投稿者の頭に浮かんだのは「は?」「子どもなんて一生いらない」「あなたとの子どもなんて、なおさらありえない!」の3つ。それでも人生2人目のデートで、相手は少し不器用なだけだと思ってしまった。料理はまだ届いてすらいなかった。

希少な木の前で、記念撮影

食事のあとは公園へ。投稿者が持ってきたフェレロ・ロシェ(金色の包み紙の丸いチョコ菓子)は、午後じゅう車内にあったのに溶けていない。彼はあのチョコをどこにしまっていたのか。脇の下か。マークの汗ばんだ手を握り、動物や植物の解説を聞きながら歩いていると、彼は突然手を離し、20メートル先の木まで走っていった。オーストラリアで最も古く希少な木のひとつ、ウォレミマツだという。困ったのは、その根元でポーズを取らされ、2人で自撮りまでさせられたことだった。

「なぜ君を誘ったか、知りたい?」

野鳥観察所へ向かう途中、マークが言った。「なぜ君をこのデートに誘ったか、知りたい?」。2週間前に運命の人と出会ったのに、「私は田舎派、あなたは都会派」とフラれたのだという。「でも君と話すようになって、また幸せを感じられる! デートはいつもすごくうまくいくのに、2回目は断られて、すごく腹が立つんだ! 君はそんなことしないよね?」。頭の中で警報が鳴り、投稿者は「もちろん! 絶対また会おうね!」と答えた。今度は投稿者の手のひらも汗ばんでいた。

野鳥観察小屋で、リュックから出てきたもの

湖のほとりの野鳥観察所は、人けのない小屋だった。ベンチに並んで座ると、マークはフェレロ・ロシェの最後の1個を半分口にくわえ、「『わんわん物語』って観たことある?」と、残りをかじるよう迫った(2匹の犬が1本のスパゲッティを両端から食べて鼻先がくっつく場面で有名なディズニー映画)。投稿者は「夕食でお腹いっぱい!」とかわした。

外の砂利道から足音が聞こえ、投稿者は冗談を言った。「ほら、ここで連続殺人犯が出てくるんだよ」。マークは笑って「違うよ、ここで君がナイフを出して僕を襲うんだ!」。「私ワンピースだよ? リュックを持ってきたのはそっちでしょ」と返すと、彼はリュックの前ポケットから本当に折りたたみナイフを取り出した。小ぶりなスイスアーミーナイフではなく、ギザギザの刃が何本もついたものだ。人の目をくらませる点滅機能つきの懐中電灯まで出てきた。彼はそれを、宝物を見せびらかす子どものように披露した。投稿者は内心パニックになりながら、アカデミー賞ものの演技で「うわっ、かっこいいね!」。マークは満足げに、ナイフと懐中電灯をリュックに戻した。

クイーンの熱唱と、次のデートの「提案」

投稿者は、人のいそうな展望台へ行こうと彼を小屋から連れ出した。道すがら、マークは「君を見ていると思い出す曲がある」と投稿者のスマホを借り(音楽配信アプリの有料プランに入っていないから)、クイーンの「ファット・ボトムド・ガールズ」(直訳すると「お尻の大きな女の子たち」)を流して熱唱した。歌はひどかった。お返しに歌えとせがまれ、本人いわく「ナイフで脅されているも同然で」1曲歌わされた。

展望台では「次のデートはどこに連れてってくれる?」。さらに、香港から来る友だちの街案内と、投稿者の父親のボートでの釣りまで頼んできた。「僕らのデートはそのあとで、気軽な感じでね。本気の交際は求めてないんだ。いずれは分からないけど」。投稿者は「明日は朝早くからシフトだから」と切り上げ、帰りの車ではカニエ・ウェスト(アメリカの人気ラッパー)と政治の話を延々と聞かされた。家に着くと、マークは運転席側に回って窓を開けさせ、別れのキスまでしていった。

その後

彼が家のほうへ歩き出すやいなや、投稿者は車を出して近くの祖母の家に駆け込み、シャワーを浴びた。出てくると、マークから「今日はありがとう! すごく楽しかった。君もそうだといいな」とメッセージが届いていた。「ごめんね、マーク。うまくいかないと思う。ときめきを感じなかったの」と返すと、すぐにこう返ってきた。「もしや、なにゆえそのようにお感じになったのか、伺っても?」。メッセージで使われた英語の「perchance(もしや)」は、シェイクスピアの台詞にあるような古めかしい言葉で、ふだんのやりとりではまず使わない。この一語がとどめになり、投稿者は彼をブロックした。

今では笑い話だ。「最悪のデートは?」という話題になると、友人たちは決まって投稿者にこの話をせがむ。マークは今も、友人や家族のあいだで「ナイフ男」と呼ばれている。

海外の反応

1. やらかし名無しさん
相手はナイフ男か。まあ少なくとも、恋愛には果敢に「斬り込んで」みたってことで。

2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
このダジャレでちょっと笑えたおかげで、あの長い本文を読んだ甲斐があったと思えたよ。

3. やらかし名無しさん
有料プランに入ってないからってスマホを借りて、公園でクイーンの「ファット・ボトムド・ガールズ」を流し始めたところで、これは100%実話だと確信した。こんなの作り話で思いつけるわけがない。

4. やらかし名無しさん
え、この話をまるごとマッチングアプリのプロフィールに載せてたの? それはそれで、読んだ人がびっくりしそうだけど。

5. やらかし名無しさん(>>4への返信)
投稿者です。さすがに全部じゃないよ(笑)。「最悪のデートは?」っていうお題に、「相手がナイフを持ってきた」って一言書いてただけ。

6. やらかし名無しさん(>>5への返信)
正直、ポケットナイフを持ってたことは、この男の中でいちばん変じゃない部分かもしれない。ほかが濃すぎる。

7. やらかし名無しさん(>>6への返信)
同じこと思った。自分もふだんナイフと懐中電灯を持ち歩いてるから、それの何がそんなに悪いのか確かめようと、この長い話を最後まで読んだんだ。結局、問題はナイフが出てくるまでの全部だった。

8. やらかし名無しさん
自分もポケットナイフはいつも持ち歩いてるよ。問題はナイフそのものじゃなくて、この男の不気味さのほうだと思う。

9. やらかし名無しさん(>>8への返信)
うちの辺りじゃ、男の3割くらいはポケットナイフか十徳ナイフか多機能工具を持ち歩いてると思う。デート相手に「それで僕を襲って」なんて言わないだけでね。この話は最初から最後まで危険信号だらけだけど、ナイフと懐中電灯を持ってたことだけは例外だよ。

10. やらかし名無しさん(>>9への返信)
持ってること自体は普通でも、人けのない小屋で、初対面の相手にギザギザの刃を出して見せるのは話が別だよ。何を持ってるかより、どう出すか。自分もペンくらいの懐中電灯を持ち歩いてて、観劇中に暗い客席でイヤホンを落とした友だちを助けたことがある。同じ道具でも、出し方ひとつで印象は真逆になる。

11. やらかし名無しさん
ナイフ男、「人けのない野鳥観察小屋で多機能ナイフを見せて口説こう」って本気で考えてたんだな。いちばん謎なのは目くらまし用の懐中電灯。あれで何をするつもりだったんだ。

12. やらかし名無しさん
「ナイフで脅されているも同然」はさすがに大げさだと思う。不安になった気持ちは分かるけどね。アメリカに住んでると、相手の女性と2人とも拳銃を持ってデートしたことだってある(州によっては許可を取れば持ち歩ける)。世の中いろいろだよ。

13. やらかし名無しさん
50歳のおじさんです。無事にこの話を語れていて本当によかった。彼が本当に危ない人だったかは分からない。でも「2回目は断られて、すごく腹が立つ」と打ち明けた日に、ナイフを取り出して見せる人の頭の中は、ちょっと心配になるよ。

14. やらかし名無しさん
私の最悪のデートは、ハンバーガーを食べない私をハンバーガー屋に呼び出した男。頼んだマカロニチーズもシェイクも見事にまずくて、彼は「財布を忘れた、あとで返す」と言い、デート中ずっと過去の最悪なデートの愚痴をこぼしてた。全部の話に共通して登場するのはあなただけだよ、って言いたかった。

15. やらかし名無しさん(>>14への返信)
マークの「デートはいつもすごくうまくいくのに、2回目は断られる」も同じ匂いがする。どの子にも断られるなら、原因がどこにあるか、自分を振り返ってみてほしい。

16. やらかし名無しさん
とんでもないジェットコースターみたいなデートだった。帰りの車でカニエ・ウェストの話と政治談議で締めくくるところまで、最後の最後まで期待を裏切らない。

17. やらかし名無しさん
お断りのメッセージへの返事が「もしや」で始まるの、最高すぎる。文章もうまいし、いい話をありがとう。友だちはこの先一生、この話であなたをいじり続けると思う。

18. やらかし名無しさん(>>17への返信)
理由を聞かれても、投稿者には説明する義理なんてないよ。会ったのは一度きりだし、あの一日の中に答えは全部あったんだから。

19. やらかし名無しさん(>>18への返信)
それはそう。でもマーク本人は、なぜ断られたのか一生分からないままなんだろうな。そう思うと、ほんの少しだけかわいそうになる。

20. やらかし名無しさん
たしかに不気味だけど、悪気はなくて、人との距離感をつかむのがものすごく苦手な人だったのかもしれない。好きな分野の話になると止まらないところとか、そんな感じがした。

21. やらかし名無しさん(>>20への返信)
それはあるかもね。ただ、だとしても、初対面の相手に計画も送り迎えも全部任せたうえで、次は友だちの街案内とボートの釣りまで頼むのは別の問題だと思う。

22. やらかし名無しさん
この話は絶対に要約しちゃだめ。溶けたチョコから「もしや」まで、毎回ちゃんと最初から最後まで話すべき。

まとめ

溶けたチョコ、会計での説教、姉の年齢への謎の一言、野鳥観察小屋でのナイフ披露、そしてクイーンの熱唱。20歳の投稿者の初デートは見どころだらけだった。コメント欄では「ナイフを持ち歩くこと自体は珍しくない」という声が多く、問題はそこに至るまでの言動だという見方が大勢。顔色ひとつ変えずに無事帰り着いた投稿者の機転と、最後の「もしや」の破壊力に拍手が集まった。

元ソース: 「ナイフ男」とデートしてやらかした

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