テレビの下に4年間はさまっていた飴が、ある日突然、1万人に見つかった。ここまでなら、ちょっと笑える話で終わっている。問題は、その1万人のうち相当数が「で、食べたの?」と聞いてきたことと、投稿者がその声にきっちり応えてしまったことである。数時間後、深夜11時の自宅トイレの前に、なぜか家族全員が集合することになった。
※注:飴はアルコル(Arcor)というアルゼンチンの大手菓子メーカーのもの。苺の絵柄の包み紙に入ったミルク飴で、現地では誰もが知っている定番のお菓子である。投稿者が写真を上げたのは、日常でちょっと面白いものを見つけたときに写真を投稿する海外の掲示板。以下では単に「掲示板」と呼ぶ。
何をやらかした?
📌 2021年の引っ越し以来、投稿者の家のテレビは、木の梁の上に置かれ、その下に父がかませた苺味の飴1個でバランスを保っていた。4年後、投稿者はその光景を「ちょっと面白いもの」として掲示板に投稿。高評価1万超え、その日の4位という大当たりになる。ところがコメント欄が「食べろ」一色になり、投稿者は本当にその飴を口に入れて、抜き取るところから飲み込むところまで写真で公開した。数時間後、トイレから40分出られず、そのあとラバーカップ(すっぽん)と格闘する1時間が待っていた。
事の発端
3倍の広さの家と、床に置かれたままのテレビ
2021年の4月、投稿者の一家は引っ越しをした。それまで住んでいた集合住宅から、広さがだいたい3倍という新しい家への移動である。前の住まいでは、テレビはリビングの角にしっかり固定されていた。当然、そのテレビも新居に持ち込まれた。
ただ、引っ越しというのは、荷ほどきだけで日が暮れる作業である。家具の位置も決まらない、段ボールも開ききらない。そんな状況でテレビの設置まで手が回るはずもなく、一家はとりあえず配線だけつないで、テレビを床に直置きした。「あとでちゃんとやろう」の、いちばん典型的な形である。
父が、飴を1個かませた
その年の冬、ようやくテレビがきちんと設置される日が来た。作業をしたのは父である。置き場所は、木の梁のような出っ張りの上。ところが、乗せてみると据わりが悪い。
そこで父は、手近にあったものを1個、テレビの下に差し込んだ。苺の絵柄の包み紙に入った、あの飴である。高さを稼ぐための詰め物、いわゆる「かませ物」としては、たしかにちょうどいい厚みだったのだろう。
本来なら、その日のうちに何かまともなものに置き換えられていたはずの応急処置だった。だが誰も置き換えなかった。テレビは苺の飴の上に乗ったまま、そこから4年間、毎日ふつうに映り続けたのである。
やらかしの一部始終
4年目にして、はじめて目が留まった
飴は毎日、家族全員の視界に入っていたはずだ。テレビを見るということは、その下も見ているということである。それでも投稿者は、4年のあいだ一度もその包み紙について考えたことがなかった。本人いわく、自分の生活のほうがずっと忙しかった。
それが昨日、なぜか目に留まった。テレビの重みで押しつぶされ、うっすら埃をかぶり、それでも苺の絵柄だけははっきり残っている包み紙。投稿者はそこで、ひとつの予感を持つ。
「これ、掲示板でウケるんじゃないか」
写真を撮って投稿した。予感は当たった。それも、想定よりはるかに大きく当たった。高評価はそのまま1万を超え、その日その掲示板で4番目に多くの支持を集めた投稿になったのである。
「食べろ」が止まらなくなった
ここからが本題である。伸びた投稿には、当然コメントが押し寄せる。そして押し寄せたコメントの多くが、同じことを要求していた。
食べて。食べろ。食べてくれ。
何十件と並ぶ「食べろ」を眺めているうちに、投稿者の中で何かが切れた。本人の言葉を借りれば、「もういいや」である。そして彼は、写真を追加で投稿した。テレビの下から飴を抜き取るところ。それを口に入れるところ。そして、空になった包み紙をゴミ箱に放り込むところ。
掲示板の流れとしては、これ以上ない満点の対応だった。求められたものを、出し惜しみせず、順を追って写真で見せたのだから。この時点では、彼はその日いちばん愛された投稿者だったはずである。
その後
数時間が過ぎた。その日の夕食は、激辛のインスタントラーメンだった。そして夜、投稿者は突然、猛烈にトイレに行きたくなる。本人は最初、辛いラーメンのせいだと思っていた。
結論から言えば、40分出られなかった。しかもそれで終わらなかった。便器の水が一度では流れきらず、そこから1時間、ラバーカップ(すっぽん)と格闘するはめになったのである。投稿者本人の文章は、この一連の描写のところだけ大文字が続いていて、書いている本人がまだ落ち着いていないことが伝わってくる。
そして本文には、さらりと恐ろしい一語が混ざっていた。「僕たち」である。この後始末、一人でやっていない。深夜11時、投稿者の両親は、息子が4年物の飴を食べた結果に付き合わされていた。ネットの「食べろ」に応えた代償を、家族が一緒に払ったわけである。
投稿者自身は、原因は飴だと確信して告白文を書いた。ところが、そこに集まった海外の反応は、まったく別の方向を向いていた。
海外の反応
1. やらかし名無しさん
まず、4年間テレビの下敷きになっていたものを、知らない人たちに言われたからという理由で口に入れられる。この決断力だけは本物だと思います。1万人の期待には、たしかに応えました。
2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
伸びた投稿の続報を求められたら応じる、という姿勢自体は正しいんですよ。ただ今回は、応じ方の選択肢が最初から「食べる」しかなかったのが問題で。抜き取って並べて写真を撮る、で十分だったはずなんです。
3. やらかし名無しさん
念のため言っておきますが、飴は無実です。砂糖はそれ自体が保存料ですし、包み紙の中は乾いていて、細菌が育つのに必要な水分がありません。硬い砂糖菓子は、乾いた場所に置いてあるかぎり基本的に何年でも安全です。食感が落ちるだけです。
4. やらかし名無しさん(>>3への返信)
同感です。うちは防災リュックの底に何年も前の飴が入っていますが、毎回ふつうに舐められます。ついでに言うと、私は低血糖のときに開封済みのキャラメルクリームの瓶をスプーンですくって食べていて、あれもかなりの年代物ですが、カビも変な匂いも一度も出ていません。
5. やらかし名無しさん
犯人は激辛ラーメンのほうでは。消化の早いデンプンがどっさり、塩分もどっさり、そのうえ唐辛子です。胃腸に優しい要素が一つもありません。飴よりよほど怪しいと思うのですが。
6. やらかし名無しさん(>>5への返信)
そもそも、食べて数時間で来るというのがかなり珍しいんです。食あたりの類は、原因のものを口にしてから24〜48時間かかるのが普通で。つまり疑うべきは今日の飴でも夕飯でもなく、昨日か一昨日に食べたもののほうなんですよ。
7. やらかし名無しさん
ちょっと待ってください。いま「僕たち」って言いました? あの後始末、誰かと一緒にやってましたよね? ここ、まだ誰も触れてないんですか?
8. やらかし名無しさん(>>7への返信)
本人が別のコメントで答えてました。ご両親だそうです。夜の11時に、うちの親は完全に言葉を失っていた、と。息子がテレビの下の飴を食べた件で、深夜に親が動員されているの、字面だけで気の毒すぎます。
9. やらかし名無しさん
ところでテレビ、今どうなってるんですか。4年間ずっと支えていたものを抜いたわけですよね。傾いてませんか。ご両親は傾いたテレビと深夜の後始末を同時に受け取ったことになるので、この家でいちばん割を食っているのは間違いなくご両親です。
10. やらかし名無しさん
細かいことを言いますが、あの飴が果たしていたのは建築でいう「シム」の役割です。据わりの悪いものの下に挟んで高さと水平を調整する部材で、本来は薄い木片か樹脂の板を使います。少なくとも、あとで食べられる素材は選びません。
11. やらかし名無しさん(>>10への返信)
ちゃんとした名前があると分かった途端、お父さんの作業が急にまともな工法に見えてきました。手順は正しかったんですよ。材料の選定だけが致命的だっただけで。
12. やらかし名無しさん
まじめな話をすると、いまアメリカでは生野菜が原因の食中毒が広がっているという話が出ていて、しかも潜伏期間が2週間くらいあるものも含まれているそうです。つまり2週間前のサラダが今きている可能性もあります。症状が続くようなら、ちゃんと病院で検査を受けてください。
13. やらかし名無しさん(>>12への返信)
それで思い出しました。友人が同じ症状で受診したら、その検査だけで15万円くらいかかると言われて、そのまま帰ってきたそうです。私が今日読んだ中でいちばんアメリカらしい話でした。
14. やらかし名無しさん
今回ばかりは、写真の続報が上がってこなくて本当によかったと思っています。抜き取るところから飲み込むところまで律儀に写真で見せた人ですから、放っておいたらこの先も撮りかねないと本気で心配していました。
15. やらかし名無しさん
4年間テレビの重さを受け止め続けた飴には、その分のエネルギーが少しずつ蓄えられていたわけです。それが体内で一気に解放された。つまり今回の出来事は物理的に必然だったのであって、誰も投稿者に警告しなかったのが悪いんですよ。
16. やらかし名無しさん(>>15への返信)
きれいに筋が通っていて一瞬納得しかけました。ということは、支えとして使う期間が長いほど威力が上がるということですね。うちのタンスの下にも何年も紙が挟まっているので、あれは絶対に食べないでおきます。
17. やらかし名無しさん
本文を読んでいる間は本気で気の毒に思っていたんです。ところがコメント欄を見に行ったら、本人が「いや絶対に飴のせいだ」と全員に反論して回っていて、同情の気持ちがだいぶ戻ってきてしまいました。
18. やらかし名無しさん
計算してみましょう。得たものは高評価1万とその日の4位。失ったものはトイレの40分と、ラバーカップの1時間と、ご両親からの信用です。合計1時間40分。人生でこれほど短時間で評価と信用を同時に動かした例も珍しいと思います。
19. やらかし名無しさん
教訓としては、画面の向こうの「食べろ」は誰も責任を取ってくれない、ということに尽きます。あの人たちは結果だけ見て楽しむために言っているのであって、深夜のトイレの前まで付き合ってくれるわけではありません。付き合わされたのはご両親です。
20. やらかし名無しさん
仮に飴が無実だったとしても、テレビの下から出てきたものを口に入れるという判断そのものは残るんですよ。次にお父さんが何かをかませても、今度はそっとしておいてください。あれは食べ物ではなく、もう家具の一部なので。
まとめ
引っ越しの慌ただしさの中で父がテレビの下にかませた苺の飴が、4年後、掲示板で1万の高評価を集めた。ここで終われば完璧な話だったのに、投稿者は「食べろ」の大合唱に応えてしまい、深夜のトイレで40分、そのあとラバーカップで1時間を失った。海外の反応は同情よりも訂正が優勢で、「砂糖は保存料だから飴は無実」「犯人は激辛ラーメンか、もっと前に食べたもの」という指摘がずらりと並んだ。そして誰もが最後に同じところへ戻ってくる。あのテレビ、今も傾いていないだろうか。
元スレッド: 4年物の飴を掲示板に投稿してから食べてしまった


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