舞台の床に貼られた、小さな色つきのテープの切れ端。何も知らない人には、稽古のあとに残ったゴミにしか見えません。友人に頼まれて、地域の小さな劇場の掃除を手伝いに行った投稿者は、善意でそれを1枚残らずはがしてしまいました。本番さながらに行う通し稽古の、その直前に。
※注:舞台の床には、役者の立ち位置や大道具を置く場所を示す小さなテープが貼られています。日本の劇場では「バミリ」と呼び、テープを貼って位置を決めることを「バミる」と言います。役者用・大道具用などで色を分けて貼ることが多く、英語では「スパイクマーク」と呼ばれます。「舞台監督」は、稽古や本番の進行を取り仕切り、こうした位置の管理も受け持つ責任者です。
何をやらかした?
📌 地域の劇場の掃除を手伝った投稿者が、舞台の床の立ち位置テープ(バミリ)をゴミだと思って全部はがした。何回もの稽古で決めた位置が消え、本番前の通し稽古は延期。投稿者は5時間近く、測り直しと貼り直しを手伝った
事の発端
「たまには役に立てる」と思った日
投稿者の友人(男性)は、地域の人たちが集まって芝居をする小さな劇場の運営を手伝っています。その友人から「本番と同じ衣装・段取りでやる通し稽古(ドレスリハーサル)の前に、掃除を手伝ってくれないか」と頼まれました。舞台の裏側の事情はよく知らないまま、投稿者は「たまには自分も役に立てるだろう」と思って引き受けたそうです。
床いっぱいの小さなテープ
舞台をほうきで掃いていると、床に色つきのテープの切れ端が何十枚も貼りついているのに気づきました。2〜3センチほどしかない小さなものもあれば、矢印が書き込まれたものもあります。投稿者には、これまでの稽古で残ったゴミにしか見えませんでした。そこで1枚ずつ、指ではがし始めたのです。
やらかしの一部始終
20分かけて、ぴかぴかの床に
全部はがし終えるまでに、たっぷり20分はかかりました。テープの跡ひとつない床を見て、投稿者は「我ながらきれいになった」とけっこう得意になっていたそうです。
「バミリはどこへ行った?」
そこへ舞台監督が入ってきて、こう聞きました。「床のバミリ、どこへ行ったの?」
そこで初めて、投稿者は知ります。あの小さなテープは、役者がどこに立つか、家具や大道具をどこに置くか、どの位置が照明と合っているかを示す目印だったのです。劇団の人たちは何回もの稽古をかけて、すべての位置をきっちり決めてきました。その目印を、投稿者は1枚残らずはがしていました。
その後
通し稽古は延期になりました。みんなで以前の写真や録画を見返しながら、どこに何があったかを一つずつ割り出していきます。投稿者もそのまま残って、5時間近く、距離を測ったり新しいテープを貼ったりするのを手伝いました。
友人は意外なほど優しく接してくれたそうです。それでも投稿者いわく「内心では自分を殺したいと思っているのが、顔を見れば分かった」。おまけに、その晩に予約していたレストランの夕食にも行けずじまいでした。
投稿者がこの日に学んだ教訓は一つ。「劇場で絶対に掃除してはいけないもの、それは床の目印だ」。
海外の反応
1. やらかし名無しさん
投稿者がやらかしたのは間違いない。でも友人も同罪だと思う。演劇の経験がまったくない人を、何の説明もなしに舞台に一人きりにして、20分も放っておいたんだから。
2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
ほんとそれ。20分もテープをはがし続けてたのに、途中で誰も気づかなかったのが不思議でしょうがない。
3. やらかし名無しさん
読んだ瞬間、声に出して「ひっ」て言った。思わず胸元に手をやったよ。着けてもいない真珠のネックレスを握りしめようとして。
4. やらかし名無しさん(>>3への返信)
私はわざわざ真珠を着けてきた。この話は正装して読むべきだと思ったので。
※注:英語には「(驚いて)真珠のネックレスを握りしめる」という言い回しがあり、上品な人が仰天するしぐさを表します。
5. やらかし名無しさん
20年近く舞台監督をやってた。もし自分の現場でこれが起きたら、腹をくくって全部やり直すか、まず床に座り込んで泣くか、正直どっちになるか分からない。
6. やらかし名無しさん(>>5への返信)
まず泣く。それから直す。順番はこれで決まり。泣かずに直せる人はたぶん人間じゃない。
7. やらかし名無しさん
はがした本人には怒らないと思う。知らなかったんだから。でも稽古場に入って、何回もかけて決めた立ち位置が全部消えてるのを見たら、自分は一生分の勢いで取り乱す自信がある。
8. やらかし名無しさん
このところ読んだやらかし話の中で、いちばん本物のやらかしだと思う。誰も悪くないのに、被害だけはとんでもなく大きいっていう。
9. やらかし名無しさん(>>8への返信)
しかも珍しい。床の目印を全部はがした人の話なんて、これまで一度も聞いたことがない。本当に一度も。
10. やらかし名無しさん
悲鳴が出た。自分だったら、おわびに果物の詰め合わせを持っていく。……いや、正直に言うとワインを持っていく。
11. やらかし名無しさん(>>10への返信)
ワインだってもとはブドウだから、果物の詰め合わせみたいなもの。この場合はワインの詰め合わせで完全に正解。
12. やらかし名無しさん
演劇の経験がない人に掃除を頼むなら、「床のテープだけは絶対に触らないで」と最初に言っておくべきだった。知らない人にとっては、本当にただのゴミに見えるんだから。
13. やらかし名無しさん(>>12への返信)
いや、演劇の経験がなくても、矢印まで書いてあるテープが何十枚も貼ってあったら何かの目印だと思うでしょ。はがす前に一言聞けばよかったのに。
14. やらかし名無しさん
タイトルを読んだ時点で胃がきゅっとなった。本文を読む前から結末が見えてるのに、読むのを止められない。
15. やらかし名無しさん
読み終わってから知ったんだけど、ちゃんとした劇場だと「バミリ表」っていう、どこに何色のテープを貼ったかを描いた床の見取り図を作っておくらしい。それがあれば、写真や録画から割り出すより早く戻せたかもね。
16. やらかし名無しさん
うちの劇場でも一度同じことが起きた。それからは毎週、舞台の真上の照明の足場から床の写真を撮っておくことにしてる。転ばぬ先の杖ってやつ。
17. やらかし名無しさん
役者と舞台監督が稽古に来て、何もない床を見た瞬間の顔を想像してしまった。いったん全員でそのまま固まったと思う。
18. やらかし名無しさん
劇場の中で「マクベス」って口にしなかっただけ、まだ救いがあるよ。
19. やらかし名無しさん(>>18への返信)
「ただのテープの切れ端じゃん!少なくとも『マクベス』とは言ってないし!」っていう言い訳が聞こえてきそう。
※注:英語圏の演劇界には、劇場の中でシェイクスピアの『マクベス』の題名を口にすると不吉なことが起きる、という古い迷信があります。
20. やらかし名無しさん
舞台の裏方をやってる身から一言。投稿者は知らなかったし、手伝おうとしてやったこと。人としてこれよりずっとたちの悪いやらかしはいくらでもある。そのあと5時間残って直すのを手伝ったんだから、なおさら。
21. やらかし名無しさん
学校で同じことをやったことがある。手伝おうとしたのに居残りの罰をくらった。何年もたつけど、いまだに納得してない。
22. やらかし名無しさん
しかもその夜のレストランの予約までふいにしてるのが切ない。善意で出かけて、5時間の測り直しと夕食抜き。でもおかげで、この人はもう一生バミリをはがさないと思う。
まとめ
善意の掃除で、何回もの稽古をかけて決めた立ち位置の目印を全部はがしてしまった投稿者。演劇経験者からは悲鳴が相次ぎましたが、「経験のない人を説明なしで一人にした友人も悪い」という声も多く、テープをはがす前に一言聞けばよかったという意見と分かれました。それでも5時間残って貼り直しを手伝った投稿者には、責めるよりねぎらう声が目立ちます。知らない場所の「ゴミに見えるもの」ほど、はがす前に誰かに聞いたほうがいいのかもしれません。

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