「これ常時オンになってますよ。ホコリの具合からして、だいぶ長いこと」8年分のガス代の正体…?

「これ常時オンになってますよ。ホコリの具合からして、だいぶ長いこと」8年分のガス代の正体…? 家族

「今、22度あるけど」——冬になると、投稿者は毎年その一言を特定の口調で妻に言った。妻は「触ってない」と答える。同じやり取りを、8年で40回ほど繰り返した。ガス代は二人暮らしとは思えない額で、犯人は寒がりの妻に決まっていると信じ込んでいた。火曜日にやってきた作業員が、それを9秒で終わらせるまでは。

※注:イギリスの住宅では、ガスのボイラー1台で暖房と給湯の両方をまかなうのが一般的で、廊下や台所の壁に「プログラマー」と呼ばれる設定装置が付いている。何時から何時まで動かすかを時間割のように決める装置で、これを「常時オン」に切り替えると、時間割を無視して24時間動き続ける。また本文の22度は摂氏。日本の冬の室温としては特別高い数字ではないが、イギリスの家は断熱が弱く、室温を保とうとすると暖房費が一気に跳ね上がりやすい。

何をやらかした?

📌 投稿者は2017年に築古の家を購入。最初の冬に暖房の効きが悪く、廊下の壁にある設定装置を「常時オン」に切り替えた。数週間後、配管業者が弁の不良を直して問題は解決したが、投稿者は設定を戻さなかった。戻すのを忘れたというより、その装置があること自体を忘れた。以来8年、ガス代は二人暮らしとは思えない額のまま。投稿者はその原因を「寒がりの妻が勝手に温度を上げている」と静かに確信し、2022年には表とグラフまで作って、義母の目の前で妻に突きつけた。真相が判明したのは今週の火曜日、スマートメーターの設置に来た作業員が壁の装置を一目見たときである。

事の発端

古い家と、効かない暖房

2017年、投稿者夫婦は家を買った。決して新しい家ではない。ボイラーもかなりの年代物で、いつ壊れてもおかしくなさそうな見た目をしていた。
そして迎えた最初の冬、暖房がまるで効かなかった。家じゅうが寒い。原因の見当もつかない。そこで投稿者は、廊下の壁にあった設定装置を開け、稼働の時間割を無視する「常時オン」に切り替えた。何が起きているのか突き止めるまでのつなぎ、いわば応急処置のつもりだった。ここまでは、誰がやってもおかしくない判断である。

弁を直して、問題は解決した——はずだった

数週間後、配管業者が来た。調べてみると弁の一つが不良を起こしており、それを直したところ、暖房はきちんと効くようになった。寒さの問題はこれで片付いた。
本来なら、ここでもう一つやるべきことが残っていた。応急処置で切り替えた設定を、元の時間割に戻すことである。投稿者はそれをしなかった。面倒でサボったわけでもなく、後回しにしたわけでもない。本人の言葉によれば、「その装置が存在すること自体を、心底きれいに忘れていた」。
2017年11月。入居して1か月目の出来事だった。

やらかしの一部始終

二人暮らしなのに、ガス代だけ人の倍

それ以降、この家のガス代はずっとおかしかった。少し高い、という水準ではない。投稿者の表現を借りるなら「正気を疑う額」である。
大人二人、寝室二つの家。周りの知人はもっと広い家に住んでいて、家族の人数も多い。それなのに、支払っている額はこちらのほうが常におよそ倍だった。数字だけ見れば、明らかに何かが変である。そして投稿者は、その「何か」を8年間、一度も家の中に探さなかった。

「今、22度あるけど」——40回くり返した同じ口論

投稿者の中では、犯人はもう決まっていた。妻である。彼女は昔から寒がりだった。それだけで十分だった。
毎年冬になると、投稿者は階段を降りてきて、室温計を見て、あの一言を言う。「今、22度あるけど」。ただし普通の口調ではない。本人も認めているとおり、あきらかに何かを含んだ言い方である。妻は「触ってない」と答える。投稿者は「じゃあ勝手に上がったとでも言うのか」と返す。そこから先は毎回同じ道をたどる。
この口論を、二人はおよそ40回やった。8年で40回。冬のたび、請求書が来るたび、同じ場所で同じ台詞を交わし続けたことになる。

義母の前で開いた、グラフ付きの表

こじれたのは2022年だった。エネルギー価格が上がり、ただでさえ高かった請求額がさらに跳ね上がる。ここで投稿者は、多くの人が思いつきはしてもやらないことをやった。表を作ったのである。
本人がわざわざ大文字で書いているとおり、本当に表計算ソフトで表を作った。しかもグラフ付きである。そしてそれを台所のテーブルで広げ、妻に見せた。
問題は、その場に義母が座っていたことだ。娘の家に来ていた母親の目の前で、夫が資料を開き、グラフを指しながら「これがうちのガス代です」とやっている。妻の立場からすれば、身内の前で公開裁判にかけられたようなものである。しかもその資料の中身は、全部が投稿者の思い込みで組み上がっていた。

火曜日に来た作業員が、9秒で終わらせた

そして今週の火曜日。スマートメーター(通信機能が付いた、検針に人が来ないタイプのメーター)の設置業者がやってきた。感じのいい、よく喋る男だったという。
彼は作業のついでに、廊下の壁にある設定装置をいじりながら、こう言った。
「これ、常時オンになってますよ。ホコリの積もり具合からして、だいぶ長いこと」。
だいぶ長いこと、という言い方が絶妙にきつい。8年である。2017年11月から、家じゅうを二人で寒がっていたあの月から、ずっと。原因は妻でも、古いボイラーでも、断熱でも、電力会社でもなかった。入居1か月目の自分が、良かれと思ってやって、そのまま忘れた設定だった。
その額がいくらになるのか、投稿者は計算していない。そしてこの先も計算するつもりはないと書いている。理由は単純で、「実際の数字を見たら、自分がとどめを刺されると思うから」。

その後

投稿者はその晩、妻に打ち明けた。妻は怒鳴らなかった。投稿者はそのことを、こう書いている——正直、怒鳴ってくれたほうがまだ楽だった。

妻はしばらく黙っていた。それから、静かにこう言った。「じゃあ、あの表は」。投稿者は答えた。「そう、あの表だ」。それ以上の言葉は要らなかった。8年分の会話が、その一往復で全部片付いてしまったことになる。

妻はそれ以来、表面上は普通にしている。ただし投稿者にも分かっている。これは明らかに、この先一生、親戚の集まりのたびに持ち出される類の話である。そして義母は、もうこの件を知っている。あの日テーブルの向かいに座って、グラフの説明を最後まで聞かされた本人が、である。
一つだけ確かなことがある。来月からのガス代は、本来あるべき額に戻る。8年遅れで。

海外の反応

1. やらかし名無しさん
笑ったあとで、こっそり「常時オン」が何なのか調べてしまいました。要するに、決めた時間割を無視して、湯の温度が下がるたびにボイラーが勝手に火を入れ続ける設定なんですね。それを8年となると、想像したくない数字になります。

2. やらかし名無しさん(>>1への返信)
私も分かっていなかったので助かりました。最初は「家の温度を一定に保つ設定でしょ、みんなそうしてるのでは」くらいに思っていたんです。寝るときと留守のときだけ下がる、みたいな。全然違う話でした。

3. やらかし名無しさん(>>1への返信)
もう少し補足すると、ボイラーから各部屋に温水を送る弁があって、部屋の温度計が「開け」と指示すると湯が流れる仕組みです。投稿者がやったのは、いつ指示が来てもいいようにボイラーを常に沸かしておく設定。夏のあいだは、要するに巨大な湯たんぽが1台、誰にも使われないまま家の中で温まり続けていたわけです。

4. やらかし名無しさん
8年のあいだ、家が22度あることに一度も引っかからなかったんでしょうか。自分で設定を下げてみるという発想は、出てこなかったんですか。責める相手が最初から決まっていると、人はそこから先を考えなくなるんだなと思いました。

5. やらかし名無しさん(>>4への返信)
そこなんですよね。「ガス代が高い → 妻に言う → 何も変わらない → 翌年また妻に言う」を8年です。同じ手を40回試して一度も効かなかった時点で、疑う場所のほうを変えるのが普通だと思うのですが。

6. やらかし名無しさん(>>4への返信)
夏はどうしていたんでしょうね。暑い日にボイラーが動く音とか、触ると熱い配管とか、気づく機会はいくらでもあったはずで。扇風機を回しながら暖房を焚いていた可能性まであるのがすごいです。

7. やらかし名無しさん
これ、責められている側に立つとよく分かりますよ。毎年「お前が上げただろう」と言われていたら、私なら怖くて設定に近寄れません。触った瞬間に濡れ衣が確定してしまうので、絶対に触らない。奥さんが本当に一度も触っていなかったのは、たぶんそういう理由もあると思います。

8. やらかし名無しさん
家族の前で表とグラフを出せるくらい几帳面なんですから、8年でいくら無駄にしたのかも当然計算するべきでしょう。逆の立場、つまり奥さんが設定していたと分かったなら、あなたは絶対に計算して見せたはずです。出して、謝って、最後は笑い話にする。それができないなら、私が奥さんなら根に持ちます。

9. やらかし名無しさん(>>8への返信)
さっきまで「数字が全て」みたいな顔をしていた人が、自分が原因だと分かった途端に「実際の数字を見たら自分が終わる」ですからね。都合のいいときだけ数字に強くなる人、どこの職場にもいます。

10. やらかし名無しさん
これからは謝罪のほうを「常時オン」に設定しておくといいですよ。時間割は組まなくて大丈夫です。24時間、下がってきたら自動で火が入る方式で。当面はそれでようやく釣り合いが取れると思います。

11. やらかし名無しさん
8年間、自分がやっていないことで責められ続けるのって、想像よりずっとこたえると思うんですよ。何度否定しても信じてもらえないと、そのうち「自分の記憶のほうがおかしいのかな」と疑い始める。奥さんが黙って耐えていたのは、優しさというより単純に消耗していたからではないでしょうか。

12. やらかし名無しさん
花束と、ちゃんとした謝罪と、旅行くらいは必要でしょう。しかも誕生日の延長みたいなやつではなく、結婚記念日級のものを。8年耐えた対価としては、むしろ安いくらいだと思います。

13. やらかし名無しさん(>>12への返信)
金額の目安なら、分かりやすい基準がありますよ。ここ数年で余計に払ったガス代の半分を、奥さんが選んだものに使う。何を買うかは奥さんが決める。それでようやく折り合いがつくかどうか、というところです。

14. やらかし名無しさん
奥さんはこれから何をやらかしても許される札を、1枚手に入れましたね。鍋を焦がそうが車をこすろうが、投稿者は「ありがとうございます、もう一度どうぞ」としか言えない。使いどころ次第では無敵の一枚です。

15. やらかし名無しさん
あの表、奥さんは絶対に捨てていないと思います。今は何も言わずにしまっておいて、本当に必要な日が来たときに出してくる。ああいうものは、寝かせておくほど効き目が出ますから。

16. やらかし名無しさん
次は奥さんが表を作る番でしょうね。8年分の余計な支払いを、その年ごとの物価まで直したうえで積み上げたやつを。グラフの色づかいまで凝ったのが出てきたら、それはもう反撃ではなく作品です。

17. やらかし名無しさん
屋根裏も覗かない、断熱にも手を付けない、そもそも壁の装置すら見ない。なのに奥さんを疑うことだけには全力で、表まで作った。そこが一番きついところだと思います。ずっと寒い思いをしていたのは奥さんのほうなので。

18. やらかし名無しさん(>>17への返信)
それでもこうして自分から書いて、全部さらけ出したところは評価したいです。黙って設定を戻して「今年からガス代が下がったな」ととぼける道もあったわけで。そっちを選ばなかっただけ、まだ見込みがあると思います。

19. やらかし名無しさん
正直に言うと、作り話ではと思ってしまいました。8年ですよ。夏も冬も24時間ボイラーが動いていて、家の中の暑さにも音にも一度も違和感を持たないというのが、どうにも飲み込めなくて。

20. やらかし名無しさん(>>19への返信)
それが案外気づかないんですよ。家の中の当たり前って、住んでいる本人にはいちばん見えなくなるので。しかも投稿者の頭の中では「原因は妻」で答えが出ているわけです。答えが出ている問題を、人はもう調べません。8年かけて同じ答えを配り続けていただけだと思います。

21. やらかし名無しさん
救いがあるとすれば、来月からガス代が本来の額に戻ることですね。浮いた分の使い道はもう決まっているようなものですが。ちなみに我が家も似たようなことをやりかけた覚えがあるので、これを読んですぐ壁の設定を確認しに行きました。

まとめ

2017年の応急処置を戻し忘れたまま8年、投稿者は上がり続けるガス代の原因を寒がりの妻だと信じ込み、義母の前で表とグラフまで突きつけた。海外の反応は「表を作れるなら8年分の損失も計算しろ」「奥さんに謝って、記念日級の贈り物を」と投稿者に厳しい声が大半だった。一方で「そもそも常時オンって何?」と一緒に調べ始める人、「毎年責められていたら怖くて設定に触れない」と妻の側に立つ人も並び、話は思いのほか広がっている。8年ぶりに真犯人を突き止めたのが自分ではなく、通りすがりの作業員だったところが、この話のいちばんおかしいところである。ちなみに妻の反応は、怒鳴り声ではなく短い一言だった。「じゃあ、あの表は」。

元ソース: 8年間ガス代のことで妻を責め続けたが、全部自分のせいだった

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